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第五十章 戦時体制

惑星世界管理局ハウスバトラー

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 惑星世界管理局では、ハウスバトラーの山下藤子さんが対策会議を開いています。
「エンブレスにヴィーナス様がおつきになり、臨戦待機命令が出されています」

「ヴィーナス・ネットワーク世界は、戦時体制にはいります、惑星世界管理局も対策を立てねばなりません」
「いままで、ホームの管理者が指揮権を持ち、執政官府が維持管理していた、各地の婦人戦闘団は、戦時なのでミリタリーRCTに移ります」

「惑星世界管理局は、加盟惑星世界を管理しており、その数は膨大です」
「その上、未加盟の未開惑星の管理もしており、その数は、加盟惑星世界をはるかに凌駕しています」

「臨戦態勢が出され、惑星世界の管理をどうするか、皆さんと議論をし、方針を決めたいと考えます」

「まず、防衛はどうなるのですか?」
「戦時最高幕僚部の説明では、敵はヴィーナス・ネットワーク世界の崩壊を狙っているとか、そのため未加盟の未開惑星には危険は少ない」
「今までの監視衛星に加え、移動迎撃衛星を配備すればよいとの事です」

「監視衛星に組み込まれている、人工知能は戦闘用とのことです」
「また直轄惑星の防衛は、常日頃から万全との事、敵もここには攻撃をしてこないとの見解です」

「問題はそれ以外の加盟惑星で、ここに初動で、大攻勢をかけてくると予測されるそうです」
「しかも敵は無限増殖する可能性があり、こちらはそれを耐え忍ばなくてはならぬそうです」

「それでは負ける可能性が高いのですか?」
「無限増殖は、何とか止められる方法があるそうです」
「そのために、元々の生体からなる婦人戦闘団が必要なのだそうです」

「先ごろウイッチの下に、ファミリアーというカテゴリーができ、『端女(はしため)』と呼ばれる階級が創設されたのはそのためです」
「戦うためには、ヴィーナス様の、よりいっそうの加護が必要になるからです」

「耐え忍ぶといわれますが、戦いは軍が主導するわけですね」
「惑星世界管理局としては、管轄惑星世界の住民を、もしもの場合から守ることが第一、そしてその世界の物資を、出来る限り軍に提供することが第二です、できることなら、軍の足は引っ張らぬことが第三でしょうね」

 この後、会議は延々と続きましたが、小型の陸戦ロボットの配備、退避場所の整備指定、非常用備蓄品の確保、そして非常用エネルギー装置の支給など、色々決めていきました。

「とにかく惑星世界の現地政府も、かなりの負担を強いることになります」
「現地調達の品々や設営には、膨大な予算が必要です」
「至急、見込み金額を確定し、総務RCTと交渉をしなくてはなりません、臨戦予算案を取りまとめてください」
 
 惑星世界管理局ハウスバトラーの山下藤子さん、このように述べ、会議を閉会としました。

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