姫神の女たち２ ユーノー・ソスピタ（維持する者）のニンフ 【ノーマル版】

第六章 キュネブルガの物語 トライアングルの内乱

初体験

　結局、その日はホテル・ノルディック・スペースＤのインペリアルスイートに、ミコ様は泊まることになりました。
　インペリアルスイートですから、寝室以外も広いものです。
　六人はその応接室で、呼ばれるのを待っています。

　夕食まで待機……ヴィーナスさんに一人ずつ呼ばれたら寝室に行くわけです……
　まずアスキア・シノが呼ばれました。
　一時間後、裸でシーツを身にまとい、放心状態で出てきました、シーツには赤い染みが……

　マサラナボ・ムーサが呼ばれます。
　ヤァ・アサンテワァがアスキア・シノに声をかけますと、
「もう私はヴィーナス様の所有物、奴隷です」
　ポツリと一言だけ……

　マサラナボ・ムーサが戻り、ヤァ・アサンテワァが呼ばれ、そしてエアンフレド・リンデスファーンの番となり、そしてクウェンベルガとなり、エアンフレドが戻ってきました。

　シーツをつかんだまま、裸身をさらけ出したまま戻ってきたエアンフレド……
　高貴な気品を漂わせた、あの美しいエアンフレドが……

　アスキア・シノが、
「キュネブルガさん、エアンフレドはいま何も考えられないはず、しばらく余韻に浸っているのよ、ヴィーナス様と同衾したらもうだめね」

「確かにそうですね、初めてなのにあんなにされて……官能ってこんななのですね、キュネブルガさんも絶対になりますよ」
　マサラナボ・ムーサの言葉です。

　シーツで身体を隠す事もせず、全裸のままでしゃべっています。
　キュネブルガは視線のやり場に困ってしまいます。

　そのときクウェンベルガが、よろつきながら出てきました。
　シーツを引きずりながら、息絶え絶えです。

　そしてキュネブルガは呼ばれたのです。

　寝室に入るとヴィーナスさんが裸でベッドにシーツなど掛けていました。
　
「キュネブルガでしたね、服を脱ぎなさい」
　おずおずと服を脱ぐキュネブルガ、下着姿になったところで、ヴィーナスさんに抱きしめられて、手があらぬところへ……
　
　キュネブルガは自分が壊れたと自覚したのです。

　インペリアルスイートの応接室に、裸で戻ったキュネブルガ。
　六人は全裸のまま話しをしていました。

「キュネブルガ、いま話しをしていたのですけど、私たちはヴィーナス様に全てを捧げた仲間でしょう」
「アニー様の話しによると、皆でハレムを作ることになるとか、でハレムのリーダーを選ぶ必要があるそうな」

「そのほか運営方法や、管轄地域からの女官というのか、人員採用計画なども、決めなくてはならない」
「出来なければ、ハウスキーパー事務局というところが決めてくれるそうですが、それはまずいと意見が一致した、貴女の意見もいってほしい」
　
「ハレムの組織運営は、ネットワークの他のハレムを参考に、我々の世界の慣習とすりあわせするしかないと考えます、リーダーはアスキア・シノ皇女しかないのではありませんか？」
「そうね……それしかないですが……」
　エアンフレドが言葉を濁します。

　アスキア・シノが、
「懸念は分かっている、新しいハレムはグループ事に分ければいいのでは？ケントとソンガイ、互いに五分、これでいかが？」

　キュネブルガが、
「構成惑星世界の数の比率にしませんか？ケントは一応負けたのですから、勝者は優遇すべきでしょう」