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第五章 ミエリッキ・オッコネンの物語 エウノミア研修

ご褒美は自分で掴みなさい

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 ミエリッキさんが、ニンリルさんからの惑星ジャーリアでの社会風習を聞き、それを踏まえてテキストの下書きを作成、それをビジネススクールとミエリッキさんでテキストにまとめていく。

 こうしてテキストは完成、しかし運営側から、一般男性と重なる土日の使用には難色が示され、途中の土日は、惑星ヴィーナスにある統合軍事大学校で軍事の基本を学ぶことになりました。

 またこのために、エウノミアの平日の個室を百室、貸し切りに設定することも決まりました。
 
 ビジネススクールから、インストラクターは常時四名が派遣されることになりました。

 社会人教育が始まります、ニンリルさんも当然受けていますが……
 不愛想なのは変わらない……でも……状況を考慮、対処することの大事さは理解できたようで、相手の立場と現在の状況、それに対しての手配など、さりげなく実行できるようになったようです。
 
「優秀な秘書はできそうよね……でも不愛想なのは、これはニンリルさんたちの本質ね……しかしたった十日の講習でここまでできるなんてね……」
「素直なところがいいというか、素直すぎるのが反対に不安よね」

「まぁいいわ、基本的には軍の事務処理、軍関係の事務なら、この程度の不愛想なのは許容範囲ではないかしら」
「一般人はミリタリーとは接触しない……エウノミアでの受付は、変えたほうがいいわね……」
 ミエリッキ・オッコネの独り言ですが、この後、独り言のとおりになったのです。
 
「50点ね……でも、なんとか乱闘騒ぎはなくなりそうね……不愛想といっても無口な程度、レムーノスの住民は単純で鈍感ですからね、この程度では怒らないわ」
 イシスさんがいった言葉です。

 相手はプラネテスの最高司令官でもあり、ミリタリー・オフィスの長も兼ねている天照さん。
「私的には80点なのですが、なにが減点なのですか?」

「ニンリルたちの色気よ、今少し色気がでれば不愛想なのも解消されるのに」
「ミエリッキ・オッコネ、利益誘導するなら妹に対する官能と欲望も、教え込んだらね」

「イシス様、そんなことになれば、百合の会議で誰が呼ばれるのでしょうね、イシス様の御指示で、惑星ジャーリアの住人がお色気過剰になり、ヴィーナス様に過剰なモーションをかけさせ、筋金入りの変態さんに、片端から女を拾わせた……となりますが……」

「寒気がしてきたわ、そうね、このままが満点よね、触らぬ神にたたりなし、何事もほどほどよね……」
「そうですよ、あそこで『吊るしあげ』られるのは、誰でも避けたいですからね、いつも思いますけど、ヴィーナス様、よく切り抜けられますね」

「そのつど、苦し紛れにお土産など提供しているから、無事なのよね……良くやるとはおもいますね、でも他人の苦しみは蜜の味ですからね、見ていると面白いわね」

「とにかくミエリッキ・オッコネの功績は認めるべきでしょう、ハウスキーパー事務局には伝えておくわ」

 これで目出度く『側女』……そうはいかなかったのです。

 事務局から、
 ……とりあえず寵妃候補のまま、ヴィーナス様のエウノミア視察が二月後にあるので、その随員としてミエリッキ・オッコネを指名する。
 視察は二日、その間に自分で、ヴィーナス様に愛されるように努力をするように……
 との回答が関係者にあったようです。

 アリシアさんの配慮で、アデラインさんがミエリッキになにやら教えたようで……ヴィーナスさんのエウノミア視察後、ミエリッキの首にはチョーカーが輝いていました。

 どうも全裸でポールダンスをしたとか……噂ですけどね……
 根拠はなくはないのです。
 エウノミアの客室、ミエリッキ・オッコネが宿泊した部屋にだけ、なぜかポールがあるのです……

 FIN

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