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第五章 ミエリッキ・オッコネンの物語 エウノミア研修

社会人教育の勧め

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 食事を取りながら、ミエリッキがニンリルさんに、
「ニンリル様、私たちウイッチはヴィーナス様のしもべですよね、たまにはヴィーナス様のために、お食事など作ろうとは思いませんか?」

「ヴィーナス様は、そんなことでお喜びになるのですか?」
「大変喜ばれると、お聞きしていますよ」
「なら調理をしてみる」

「調理した料理が、美味しくなければ、悲しいと思いませんか?」
「美味しくなければ、ヴィーナス様はご不快になられるのですか?」
「それは勿論です、やはり美味しいほうが喜ばれますよ」
「どうすればよいのですか?」

「自ら美味しいと云われる物を食べ、美味しいとはどういうものかを、知ることではないでしょうか?」
「なるほど」

「食事を例に挙げましたが、私たちはウイッチ、ヴィーナス様に何事かを奉仕し喜んいただく、それが全て」
「そう思われませんか?昔から私たち女は、好ましい方の興味を引くために、努力してきたのです」

「ウイッチも女です、好ましい方がヴィーナス様というだけで、本質はなにも変わりません」
 
 ……私、なにを言っているのかしら、おせっかいね……

「ありがとうございます、ミエリッキさんの云われる通りです、私、これから努力いたします、でもどうすれば……」 
 ニンリルさん、その気になったようです。

「そうですね、私はここで社会人教育講座を開くために来たのです、参加されませんか?」

「ありがとうございます、私たちはヴィーナス様から住む場所をいただきました、ヴィーナス様は私たちの神様でもあられます」
「しかしお役に立つ方法がわからなかった、いまミエリッキさんのお言葉で、その悩みが解消されました」
「皆にその社会人教育講座に参加して、ヴィーナス様に喜んいただける、私たちになるように伝えたいと思います」 

 ……えっ、これって面白い展開になるのでは……
 この時、ミエリッキさんの脳裏には、側女のチョーカーをしている自分が浮かんだようなのです。

 ミエリッキからの報告を受けて、アリシアさんはすぐにガリレオ航空宇宙女性キャビンスクールに出入りしているビジネススクールへ、女性インストラクターの派遣を手配しました。
 そしてその報告を、ミリタリー・オフィスを経由して天照さんへ転送したのです。

 この報告は三軍統合司令官イシスさんにも挙げられています。
 
「なるほどね、社会人教育ね、ビジネススクールからインストラクターを派遣ね」
「エウノミアでの研修なら一般人でも可能よね、民間人でも泊まれるのですからね、許可があれば平日でも連泊が可能、その上、このやり方なら膨大な人員にも対処できる」
「いいじゃないですか、とりあえずやってみなさいな」

 結局、ガリレオ航空宇宙女性キャビンスクールのように、『社会人の常識』という、十日間の講習をやってみようということになりました。

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