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第五章 ミエリッキ・オッコネンの物語 エウノミア研修

無愛想極まりない女たち

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「ニンリル様?珍しいところでご一緒なのですね、えっ、休暇?そう、ちょうどいいですわ、お願いがあるのですけど、後で大浴場横の、レストランでお会いできないでしょうか」

 ニンリルはガリレオ女子航空宇宙パイロットスクールを首席で卒業、小型汎用戦闘宇宙船千鳥(ちどり)2型の艦長として勤務、初めての休暇をエウノミアでとることにしたのです。

 千鳥(ちどり)型は実用試験が終わり評判が上々、先ごろヨミに実戦配備された始めたのですが、プラネテスへのてこ入れのために、改良された2型が幾隻か配備される事になり、ニンリルさんに声がかかったようです。

 千鳥(ちどり)2型は、強襲揚陸機能が強化され、ホモサピエンスの揚陸戦闘員が乗れるように、細かく改良され、艦長もホモサピエンスが任命されるのを、基本とするようです。

 三軍統合司令部としては、プラネテスを補助兵力としてではなく、戦略予備軍と位置づけたいようですね。

 プラネテスは、各地の惑星上での、局地紛争の対処を目的としています。
 その為に、マニッシュ婦人戦闘軍が所属しているわけですけど……

 もともとプラネテス種族というのは、男性体由来の種族、細かい配慮とは無縁というべきで、とくにマニッシュ婦人戦闘軍の戦闘力は、生体としては最優秀、惑星レームノスの住民の個々の戦闘力も、とても女性とは思えないほどです。

 その中より優秀な者が、マニッシュ婦人戦闘軍に配属、他のものは、惑星の生産活動に従事するようなのです。

 しかし戦闘以外のことは極めて不得意、非能率極まりない。
 プラネテスの指導者、天照さんも三軍統合司令官のイシスさんも、頭を抱えてるのです。

 とにかくミコさんへの忠誠心は見事なもので、三軍統合司令部も、そのところは理解しているようなのです。
 プラネテスといえば、ほとんどは惑星レムーノスの住民でしたが、ここに惑星ジャーリアが編入されたのです。

 そう、ここの住民は、事務処理能力は最優秀、色めきたった首脳部でしたが……
 ジャーリアの住民は無愛想極まりない……プラネテスの事務官として派遣すると、評判が最悪、特にマニッシュ婦人戦闘軍に派遣されたら、乱闘騒ぎが起き、危なく双方に死人が出そうになったのです。

 ジャーリアの住民も戦えば、かなりのものですからね……原因を聞いてみると、どうやらジャーリア出身の事務官の口の利き方に、マニッシュ婦人戦闘軍の兵士が逆上したようで、他愛ないことが原因だったのです。

 しかしこんなことで、喧嘩を始められてはたまらない、マニッシュ婦人戦闘軍の兵士は単純、こちらはもう変えようがない。
 しかしニンリルさんが、留学から帰ってきたのを見て、天照さんはひらめいたようなのです、

 その天照さんのひらめきが要望として、アリシアさんへ伝えられたのです。
 ミリタリー・オフィスを経由しての話なのですが、ガリレオ女子航空宇宙パイロットスクール設立以来、互いにそれなりの便宜を図る仲ですからね、アリシアさん、嫌とはいえなかったのでしょう。

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