姫神の女たち２ ユーノー・ソスピタ（維持する者）のニンフ 【ノーマル版】

第二章 ニンリルの物語 憧れの学生生活

男に膝枕をした

「ニンリル、なにを苦戦しているのですか、もう少し勉強が必要かしらね、とにかく脱臼を治しなさい、方法は分かるでしょう、それから相手も治してあげなさい、このままでは死にますよ」
　ミコさんが、頭の中に話しかけてきました。

　ニンリルさんの華奢な首にチョーカーが浮かび上がり、体重１３０キロの相手の横隔膜に、手を当てたのです。
　呼吸困難で、かなり真っ青の顔でしたが、どうやら腹直筋が、かなり損傷しているみたいです。

　どうでもいいですが、ニンリルさん、相手の頭を膝に乗せています……
　赤みがかった金髪で胸が大きめ、このころには身長も１８０センチに近くになり、大柄ですが足はスラっと長く、スタイル抜群です。

　ちょっとばかり大きな頭が、本人の悩みのようですが、そこは寵妃、綺麗なものです。

　本当に天然のニンリルさん、そんなことをすれば、厄介なことになりはしませんかね……

　相手はニンリルさんの首に巻かれているチョーカーを見て、すべてを理解したようです。

「納得した……しかし寵妃とは強いものだな……」
　開口一番、相手の言葉でした。

　観戦していた、ガリレオ航空宇宙パイロットスクールの学生たちも、同じような感想のようです。

　今回の事件は無事に決着？
　とはいかなかったようで、ニンリルさんは天照さんに呼びつけられたのです。

「ニンリル！男に膝枕をしたそうですね！貴女は寵妃なのよ！立場を考えなさい！」
　相当に怒られた、ニンリルさんでした。

　しかも騒動はそれだけではすみません。
　ガリレオ航空宇宙パイロットスクールから、何かにつけてニンリルさんをだしにして、ガリレオ女子航空宇宙パイロットスクールの学生は、招待されるのです。

　今日はガリレオ航空宇宙パイロットスクールの創立記念のパーティー。
　丁寧な招待状が、ガリレオ女子航空宇宙パイロットスクールに届いています。
　
　……本校創立記念パーティーに、寵妃ニンリル様のご来駕を賜りたい。
　つきましては本校は男子校、女性のもてなしについては、きずかないことがあるやもしれませんので、出来ますれば、ガリレオ女子航空宇宙パイロットスクールの皆様もご来校いただき、寵妃ニンリル様のお世話の手助けをしていただければ幸いです……

　当初、ガリレオ女子航空宇宙パイロットスクールを管轄に持つ、アニーさんの率いる近傍宇宙未確認領域探査局は困惑してしまいました。

　でも男子禁制の、ガリレオ女子航空宇宙パイロットスクールですが、別に男女交際禁止を明文化しているわけでもなく、相手校へ行くのですから、なにかあれば、ガリレオ航空宇宙パイロットスクールの責に帰すわけです。
　健全ならば致し方ない、との結論に達したわけです。

　創立記念パーティーってダンスパーティーなのですが、ニンリルさん、この間で懲りたのか、天照さんにお伺いなど立てますと、ミコさんから直々に通信がありました。

「ニンリルさん、膝枕した相手となら、かまわないわよ」
「貴女がその男が気に入って、妻になりたいなら下賜してあげるわよ、チークでも何でも踊りなさいな」

　ここまでいわれると、普通の寵妃さんなら、踊ったりはしないのでしょうが、とても素直なニンリルさん。
「分かりました」
　なんて返事しています。
　通信の向こうで、ミコさんが噴出したような……