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第五章 フィオナの物語 神の花嫁
二十歳の初夜
しおりを挟む20歳のとき、二人は純潔を捧げました。
マルスへの移住が完了し、『最後の審判戦争』と、後に呼ばれる戦争が始まる前でした。
多くの女が一度に抱かれ、皆昇格したが、なにかただ事でないことが起こっているような、張り詰めた空気が支配していたのを感じた二人です。
純潔を捧げる前に晩餐会があり、最後の覚悟を聞かれ、その日に集まった十名は、その覚悟を示したのです。
二人が一番年長でしたので、皆の手前、毅然とした態度を示そうと努力したのですが、ミコの部屋に呼ばれ、先にキムが寝室に呼ばれ、待っている間に震えがきて、息が出来なくなりそうです。
寝室からはキムの悲鳴が……痛いと叫んでいるようですが……徐々に悲鳴が変わってきて……明らかに違う絶叫が聞こえてきました。
寝室のドアが開き、放心状態のキムが、服とシーツを抱えて出てきます、シーツには血がついていました。
キムは「つぎはフィオナよ」と云ったのです。
フィオナが入っていくと、「服を脱ぎなさい」といわれ、羞恥心で真っ赤になりながらも、フィオナは脱ぎます。
が、どうしても胸と下腹部を、手で隠してしまいます。
ミコさんが、フィオナの手を優しく引っ張り、ベッドへいざないます、そしてキスをしたのです。
フィオナは、キスさえしたことはなく、驚いていると、フィオナの大事なところにミコの手が……心臓が口から飛び出そうなフィオナ……
あとはミコのされるがまま、最初の悲鳴はいつの間にか……無我夢中でミコの身体にしがみついていましたが、意識が遠のいて行ったのです。
シーツにはバージンの証がついており、歩くのもおかしげなフィオナ。
「キムを呼んでくるように」
ミコさんに命じられ、そのままフラフラと応接間に行きますと、キムがまだ放心状態でソファに身を投げ出しています。
「キム、大丈夫?」
「身体が……私の身体ではない……どうなるの、私、どうなるの」
「とにかくミコ様がお呼びよ、行きましょう」
「二人ともいまから私のペットよ、いいわね」
ミコにこのようにいわれ、それが嬉しい二人、壊れたというか壊されたというか、完全に豹変したアーミッシュの二人の娘でした。
二十歳でバージンを散らしたフィオナとキム、マルスのアメリカのハレムに所属し、いろいろと雑用をこなしています。
お食事も作ればお掃除もする、陰日なたなく働く二人に、他の寵妃さんも親しみを持ってくれています。
なんせ、アリシアさんが責任者ですからね、清女さんたちも、なにかあれば二人に相談するのです。
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