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第十九章 王国がうるさいの
王国の失礼王子
しおりを挟む戦場侍女の二つのグループも、仲良く警備をしてくれています。
館の入口は、正門と通用口、そしてウッドハウスとの連絡口の三カ所。
そこに2番住宅を設置、班員が2名詰めていますね。
門は5時で閉めます。
帝国女子警備隊聖女警備選抜班は建物内の警備となり、帝国の離宮警備隊が、『ウッドハウスの森』の警備をしてくれる様です。
のどかな日々が過ぎていきますよ♪
また、生理の日がやって来ました。
季節は前世で云うところの11月、この『ウッドハウスの森』はかなり南に位置しており、雪など滅多に降りません、ましてや、積もると云うことはありません。
『聖女のもてなし』がお休みの時は、侍女さんや召使さんもお休み、警備の方々も3分の2はお休み。
門は通用口、連絡口は閉鎖、正門だけが午前中だけ開いています。
大体、用事があれば、『美食クラブ』の方々から『聖女通信』が来ます。
しかし、生理の日の第一日に、正門で働いていた、帝国女子警備隊聖女警備選抜班のヨンクフラウ・ヴィルマ・アルデンホフさんが、私とラダさん、そして戦場侍女全員に、『聖女通信(限定)』をかけてきました。
「正門に王国の王子一行が、聖女様にご面会したいと来られています、いかがいたしましょう?」
「取りあえず、『ウッドハウス』のロビーにご案内して、『筆頭侍女長』のティアがお会いすると伝えてね」
「分りました」
すぐにリチャードさんに、
「いま王国の王子一行が私に会いに来られていますが、どういうことかご存じですか?」
「王子が?失礼な話しですな……多分、『霊薬』の話しでしょう……もう少し欲しいようですね」
「ご面倒でしょうが、あってやっていただけませんか?話しはダンカンがつけるでしょう、いま、丁度『ウッドハウスの森』にいますから」
「王子と話しをしていたはずですが、直接直談判をしたいのでしょう」
「いちおう、王子一行は『ウッドハウス』のロビーに、案内するように指示しました、『筆頭侍女長』のティアがお会いするとね」
「座っていただけるだけで、良いですよ」
さて、身だしなみを整えて、ラダさんと二人で『ウッドハウス』のロビーに、
「お待たせいたしました、『筆頭侍女長』のティアです」
「王国のハロルドです、『聖女』様にお会いしたい」
「『聖女』様は休暇中です、お会い出来ません」
「失礼な!館の中にいらっしゃるのでしょう!ここまで来たのですよ!」
「招待もされていない上に、『聖女』様のご都合も聞かずに面会を申し出られて、失礼ですか?お言葉はそのままお返しします」
そこへダンカンさんがやって来て、
「ハロルド殿下、不躾もほどほどに願いたい」
「何がだ!王国王子が『聖女』様に面談を申し出ているというのに、この無礼な女が邪魔するのだ!」
なかなか云いますよ、この馬鹿王子さんは……
あれ、ダンカンさん、顔が蒼いですよ……
……ダンカンさん、帰っても良いかしら、この無礼な女はお邪魔でしょうし……
「では、これで、ハロルド王子の事は、聖女様が休暇が終わられたら、お伝えいたしましょう」
「貴様!愚弄するか!」
あれ、抜剣しましたよ。
ラダさんがたたき落としていますけどね。
「ダンカンさん、後始末、お願い出来ますか?」
「皇帝陛下に……申し上げておきましょう……」
「ハロルド王子、『霊薬』の事は、聖女様がティア様に一任されておられます、今回の事で、『霊薬』の追加購入の話しはなかったと思っていただきたい」
「後日、皇帝陛下から王国国王陛下へ書簡が届くでしょう、王子は王国へお帰り下さい」
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