いやいやながら女にされて異世界生活

第十六章 『霊薬』譲渡

王国の購入代金の使い道

　いえいえいえ、四億なんて……ビビってしまうわ！私、小市民なのよ！
　あわててクリフォードさんに『聖女通信』を！

「１００ソリドゥスはもらいすぎです、神託ですから、ある程度は代金を頂きますが、そんなにいただけません」
「ティア様、妥当な額と我らは考えております、これより安いと、売ってくれなんて輩が湧き出でて、困ったことになります」

「王国はティア様に対して、なんらの貢献もしていないと皇帝陛下以下、我らは考えているのです、考えてください、帝国の民、その未来が８００ソリドゥスであがなえたわけですよ」
「ティア様はご存じ無いかも知れませんが、あの８本の『霊薬』で、帝国の土地は浄化できるのです」
「これからも人の悪意はなくなりはしないでしょうが、それでも一旦リセットできるのですよ」

「王国の国土を考えると、後３本は必要でしょう、しかし王国としても、１００ソリドゥスで一度試してみたいと考えているようです、そのため帝国が行う浄化の見学を申し出ているようです」
「その効果を確かめて、１００ソリドゥスを支出させていただきたい、そのように云っております」

「皇帝陛下は申し出を受け入れられました」

「そうですか……ん、後３本……私の手元にも３本……」
「出来ればお願いしたい……その折は１２０ソリドゥスになりますが、提供されるかは、帝国としては保証はできない……神託がおりないと云えばそれで終わりですから」
「私ならケチなことをいわず、即金で４本分、４００といわず、割増しして４８０ソリドゥスを積み、必要量の交渉をしますが……」
「そもそも王国は裕福なのですよ」

「確かに……いつでもあると思うな……そもそも、他の地域もあるわけですからね……ソロン商会の１本は小分けして、小さい国に提供するのでしょう？」
「支払えない地域ばかりですから、今回だけは、分割など、支払い方法には相談に応じます」

「神託によるティア様からの譲渡ですから、本音は無料でもいいのですが、物には値段があり、人は代価を支払い、それ故に世界は成り立っています、そこを崩すと世界の成り立ちも崩れるかと」

「私のようなパッパラパーでも、理解出来るお話ですね」

　たしかにそうですよね……召使いさんの話しなんて、その通りかも……
　
　私は『恥ずかしい』を売り、『徳』を積み上げ、ゆえに『快楽』をえる。
　召使いさんは『この先の人生』を私に売り、『業（カルマ）』をリセット、『新しき人生』をえる。

　無理筋ですかね……

　まあ私、パッパラパーですから、毎日、つつがなく憂いのない日々を送れれば、それでいいのですよ♪

　でも、とにかく『霊薬』の代金、持っていても仕方無いので、社会貢献に使いましょう！
　孤児院とか、学校とかね……

　女学校なんて、どうかしらね……この世界、女性の教育機関なんて、ないのですから……
　ランド教皇猊下に相談でもしてみましょう……