上 下
85 / 145
第十三章 『聖女の館』は着々と

このままでは『淫婦の館』になるわよ!

しおりを挟む

 そして三回目の生理が終わりました。

 貯金、2,615,334円……
 14アウレウス金貨、23デナリウス金貨、6キナリウス銀貨、4アス青銅貨、3クァドランス青銅貨、余り1円。

 木造平屋のお料理屋『聖女のもてなし』が完成しました。
 奴隷召使いさんの宿舎、女傭兵団の宿舎、ソロン商会の『ウッドハウスの森』支店も出来ています。

 皇帝陛下の小さい離宮も半分ぐらい完成しています。

 温泉施設はソロン商会が運営中、チャンと男女別になっています。
 宿泊施設なんてのも作られているようですね。

 この宿泊施設では食事処もあります、商売敵ではありますが、協定により、お料理屋『聖女のもてなし』は夜の営業はなし、となっております。
 この施設は夜もかなり遅くまで営業、年中無休だそうです。
 温泉施設、結構、はやっているようで、領都カルヌントゥムの奥座敷?中流以上の方々がお越しのようです。

 この施設の温泉使用料が毎月1アウレウス、ソロン商会の『ウッドハウスの森』支店に開設された、『聖女の館』の口座に振り込まれています。

 初めて知りましたが、ソロン商会って、為替管理とかの金融業務もしているようで、帝国傭兵団とは表裏一体……
 ただね、ソロン商会って、帝国だけに根をはっているわけでも無く、王国などの近隣諸国にも支店網があり、一種の世界企業なのです。

 ダンカンさんって、そのソロン商会の大番頭、その方が『ウッドハウスの森』支店長を兼務しているわけです。
 
 ちなみに帝国傭兵団とは、そのソロン商会設立時に、当時のオルセルン侯が、領軍を率いて警護任務を請け負った、ソロン商会の武装組織から発展したようです。

 600年前、神の怒りを受け、前の帝国が崩壊、群雄割拠の時代が長く続き、今の帝国が再統一するのですが、その裏には、ソロン商会と、その経済力で強大になっていた傭兵団を率いるオルセルン侯国、そして今の帝国の三者が手を結んで、再統一したわけです。
 このとき、神殿本庁も今の帝国の再統一に手を貸し、帝室を除くこの三者は、強大な帝国内においても、特別な存在となったわけです。
 
 帝国再統一のおり、前の帝国崩壊後の戦乱の中、かなり強大になっていた『王国』、そして影響下にあった諸侯領は、協定により帝国再統一を邪魔しないが、新たな帝国には入らずとなった。
 『王国』は帝国再統一のさなか、西に勢力を植民拡大、海にまで達し、帝国の6割ほどの国力となり、現在、拡大した『王国』とその友好諸侯は、帝国と対立しながらも今に至っている。

 いま、帝国の権力中枢の四者が手をとり、帝国中心部近くの『ウッドハウスの森』に集まり、力を結集……愚かな皇帝が何代も続いた結果、衰え始めた帝国が、その力を取り戻そうとしている……
 『王国』からは、そのように見えるようです。
 
 まあ、肝心なティアさんは、そんな事はケセラセラ……

 今日は、『聖女の館』の雑草を何とかしようと奮闘中……

「早く召し使いさんたち、来ないかしら……」
 『植物の生長』もミッドレベルですから、除草なども簡単なのですがね……それさえ、面倒なようです。

「ティア様、後で私どもがご奉仕いたしますから♪」
「ご奉仕ね……この頃、私がご奉仕している気がするわ?」

「昨日なんか、私のお尻を責めたの、ティア様ですよ」
「良く云うわよね!生理だからって、お尻なんてといったのはラダさんよ!」
「そんな事いいましたっけ♪」
「いいました!」

「もう、これでは『聖女の館』ではなく、『淫婦の館』になるわよ!」

 それからさらに二十八日……
 四回目の生理の日が終わり、いよいよ建設中の建物が全て竣工……

 貯金も3,365,334円……
 19アウレウス金貨、5デナリウス金貨、7キナリウス銀貨、4セステルティウス銀貨、3アス青銅貨、1クァドランス青銅貨、余り2円。

 これ以外に『聖女の館』の口座に3アウレウス入っています。
 525,000円……これ、使用は侍女長のラダさんに任せています。
 好きに使ってね♪

 翌朝、ダンカンさん、コンラッドさん、そしてリチャードさんがそろってやって来ました。
 あと一人、知らない方もいます。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活

XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

パンツを拾わされた男の子の災難?

ミクリ21
恋愛
パンツを拾わされた男の子の話。

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!

よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です! 僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。 つねやま  じゅんぺいと読む。 何処にでもいる普通のサラリーマン。 仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・ 突然気分が悪くなり、倒れそうになる。 周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。 何が起こったか分からないまま、気を失う。 気が付けば電車ではなく、どこかの建物。 周りにも人が倒れている。 僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。 気が付けば誰かがしゃべってる。 どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。 そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。 想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。 どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。 一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・ ですが、ここで問題が。 スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・ より良いスキルは早い者勝ち。 我も我もと群がる人々。 そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。 僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。 気が付けば2人だけになっていて・・・・ スキルも2つしか残っていない。 一つは鑑定。 もう一つは家事全般。 両方とも微妙だ・・・・ 彼女の名は才村 友郁 さいむら ゆか。 23歳。 今年社会人になりたて。 取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。

男女比の狂った世界で愛を振りまく

キョウキョウ
恋愛
男女比が1:10という、男性の数が少ない世界に転生した主人公の七沢直人(ななさわなおと)。 その世界の男性は無気力な人が多くて、異性その恋愛にも消極的。逆に、女性たちは恋愛に飢え続けていた。どうにかして男性と仲良くなりたい。イチャイチャしたい。 直人は他の男性たちと違って、欲求を強く感じていた。女性とイチャイチャしたいし、楽しく過ごしたい。 生まれた瞬間から愛され続けてきた七沢直人は、その愛を周りの女性に返そうと思った。 デートしたり、手料理を振る舞ったり、一緒に趣味を楽しんだりする。その他にも、色々と。 本作品は、男女比の異なる世界の女性たちと積極的に触れ合っていく様子を描く物語です。 ※カクヨムにも掲載中の作品です。

処理中です...