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第十三章 『聖女の館』は着々と
このままでは『淫婦の館』になるわよ!
しおりを挟むそして三回目の生理が終わりました。
貯金、2,615,334円……
14アウレウス金貨、23デナリウス金貨、6キナリウス銀貨、4アス青銅貨、3クァドランス青銅貨、余り1円。
木造平屋のお料理屋『聖女のもてなし』が完成しました。
奴隷召使いさんの宿舎、女傭兵団の宿舎、ソロン商会の『ウッドハウスの森』支店も出来ています。
皇帝陛下の小さい離宮も半分ぐらい完成しています。
温泉施設はソロン商会が運営中、チャンと男女別になっています。
宿泊施設なんてのも作られているようですね。
この宿泊施設では食事処もあります、商売敵ではありますが、協定により、お料理屋『聖女のもてなし』は夜の営業はなし、となっております。
この施設は夜もかなり遅くまで営業、年中無休だそうです。
温泉施設、結構、はやっているようで、領都カルヌントゥムの奥座敷?中流以上の方々がお越しのようです。
この施設の温泉使用料が毎月1アウレウス、ソロン商会の『ウッドハウスの森』支店に開設された、『聖女の館』の口座に振り込まれています。
初めて知りましたが、ソロン商会って、為替管理とかの金融業務もしているようで、帝国傭兵団とは表裏一体……
ただね、ソロン商会って、帝国だけに根をはっているわけでも無く、王国などの近隣諸国にも支店網があり、一種の世界企業なのです。
ダンカンさんって、そのソロン商会の大番頭、その方が『ウッドハウスの森』支店長を兼務しているわけです。
ちなみに帝国傭兵団とは、そのソロン商会設立時に、当時のオルセルン侯が、領軍を率いて警護任務を請け負った、ソロン商会の武装組織から発展したようです。
600年前、神の怒りを受け、前の帝国が崩壊、群雄割拠の時代が長く続き、今の帝国が再統一するのですが、その裏には、ソロン商会と、その経済力で強大になっていた傭兵団を率いるオルセルン侯国、そして今の帝国の三者が手を結んで、再統一したわけです。
このとき、神殿本庁も今の帝国の再統一に手を貸し、帝室を除くこの三者は、強大な帝国内においても、特別な存在となったわけです。
帝国再統一のおり、前の帝国崩壊後の戦乱の中、かなり強大になっていた『王国』、そして影響下にあった諸侯領は、協定により帝国再統一を邪魔しないが、新たな帝国には入らずとなった。
『王国』は帝国再統一のさなか、西に勢力を植民拡大、海にまで達し、帝国の6割ほどの国力となり、現在、拡大した『王国』とその友好諸侯は、帝国と対立しながらも今に至っている。
いま、帝国の権力中枢の四者が手をとり、帝国中心部近くの『ウッドハウスの森』に集まり、力を結集……愚かな皇帝が何代も続いた結果、衰え始めた帝国が、その力を取り戻そうとしている……
『王国』からは、そのように見えるようです。
まあ、肝心なティアさんは、そんな事はケセラセラ……
今日は、『聖女の館』の雑草を何とかしようと奮闘中……
「早く召し使いさんたち、来ないかしら……」
『植物の生長』もミッドレベルですから、除草なども簡単なのですがね……それさえ、面倒なようです。
「ティア様、後で私どもがご奉仕いたしますから♪」
「ご奉仕ね……この頃、私がご奉仕している気がするわ?」
「昨日なんか、私のお尻を責めたの、ティア様ですよ」
「良く云うわよね!生理だからって、お尻なんてといったのはラダさんよ!」
「そんな事いいましたっけ♪」
「いいました!」
「もう、これでは『聖女の館』ではなく、『淫婦の館』になるわよ!」
それからさらに二十八日……
四回目の生理の日が終わり、いよいよ建設中の建物が全て竣工……
貯金も3,365,334円……
19アウレウス金貨、5デナリウス金貨、7キナリウス銀貨、4セステルティウス銀貨、3アス青銅貨、1クァドランス青銅貨、余り2円。
これ以外に『聖女の館』の口座に3アウレウス入っています。
525,000円……これ、使用は侍女長のラダさんに任せています。
好きに使ってね♪
翌朝、ダンカンさん、コンラッドさん、そしてリチャードさんがそろってやって来ました。
あと一人、知らない方もいます。
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