いやいやながら女にされて異世界生活

ミスター愛妻

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第十章 貴族の館での一日

お菓子はいかが?

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「美味かった♪」
「お粗末さまでした」

「ところで、聞くのだが料理屋の料理はどのようなものに?」
「ケーキバイキング、というよりお菓子のバイキング」

「……それは……希望する料理ではない……」
「だからですよ、お酒のお友達を期待していたのでしょうが、それではね、私が酔客の相手をすることになるでしょう?」
「そんなの、絶対に嫌よ!」
「酔っ払いよ!私のお尻なんて触りかねないわ!そんなの我慢ができないわ!」

「せめて、この間のフライなんて、提供するのはどうだろうか?ウェイターやウェイトレスは我が派遣してもよい!」
「ウェイターには屈強な者も混ぜておく、もしもの場合、そのものたちがたたき出すようにするぞ!」

 えらく慌てているカールマンさん、

「店も用意しよう、その代わり、金主である我らには、美味い物と良い酒をお願いしたい!」
「派遣する者は口の堅い者を選ぶ、だから『神の力』を出されても、基本的には問題無いようにする!」

「たのむ、何も言わずに、この条件を受け入れてくれ!」

 ……

「分りました、とにかく毎日は営業は出来ませんから、それは含んでください」
「まあ、定休日は二十八日のうちの八日をいただきます」

「なぜ?」

「私は女ですよ!毎月、『体調不良』の時が来るのです!」

 あわてて、チャールズさんが、
「殿下!『体調不良』の日は無理しなくても構いません!定休日は必要ですから!」

「そうなのか……理解した……」

「パンと簡単な物は、常に常備しておきますよ、お酒は金主用に特別の物を用意いたしましょう」
「金主の殿方は、一応お店に顔を出す必要があり、男としては恥ずかしいので、奥様とかお嬢さまを連れて来られる、このくらいの設定なら、通る話しですよね」
「仕方無いので、店としては殿方用の物を用意、別室で時間つぶし……」
「どうかしら?」

「なるほど……料理人は年若い女、スイーツが好きで、定期的に体調不良の日があり、その日は休む……」
「妻や娘、はたまた愛人の為に、スイーツの店を用意し、女に仕方無くついてくる男……」

「警戒する必要も無い男というわけね、もはや女の尻に敷かれている、オルセルン侯爵とヴェッティン大公、そして金儲けのために二人の歓心を買おうと、スイーツの店に投資するソロン商会……」
「良くある話しですよね……」

「それでいこう……」

 ということで、お菓子のバイキングのお店をすることが決まった?のですよ♪

 美味しい物ですが、まあ、おつまみ用の高級缶詰を、定期的に頂いておりますので、これを提供しましょう♪

 さて、カールマン様はやっと退室され、ラダさんとケーキバイキングのプランなど話し合っています。
 テーブルに置いている、先ほど作ったシュガーラスクを、食べたりしながらですがね。

「しかし、この場所で、あの堅いパンで、短時間によく作れますね♪」
「我ながら、このラスク、美味しいわね♪」

 トントン……

「どうぞ♪」

「失礼します、食器を片付けに参りました……」
 メイドさん、テーブルに置いてあったシュガーラスクを怪訝な目で……

「あっ、これね、私、料理人でね、この間、ここでも出していただいたパン、堅くなったので、お菓子にした物なのよ♪」
「案外に美味しくてね、食後のデザート代わりに食べていたのよ♪どうかしら、食べて見る?」

「よろしいのでしょうか……」
「大したものではないのよ、だから食べて見て、感想を頂ければ助かるわ♪」

「頂きます♪」

「とても美味しいです♪バターの味がします♪このざらっとしたものはシュガーなのですか?」
「よく分るわね、シュガーよ」

「シュガーは滅多に食べれなくて……何かの祝典のお菓子なのですか?」
「そうでもないけど……私たちね、この街でお菓子のお店をする計画なの」

「このお菓子を出すのですか?」
「これは出す予定ではないけど、小さいお菓子を並べてね、お客さんが好きなだけ自分でとり、好きなだけ食べるお店、『バイキング』という形式のお店なのだけどね」

「料金は高いのでしょうね……」
「今のところ、1キナリウスのつもりなのよ……」
「1キナリウス!とてもお安いのですね、でも、赤字ではありませんか?」
「なんとか、ギリギリではあるわよね……まあ、金主に相談しなければならないけど……反対はないと思うのよ」

「開店されたら、繁盛いたしますよ」
「嬉しいことをいってくださるのね♪そうだ、これを差し上げるわ♪食べてね♪」

「こちらのラダさん、『収納』持ちだから、お菓子、一杯持っているの、また差し上げるわ♪」

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