いやいやながら女にされて異世界生活

ミスター愛妻

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第十章 貴族の館での一日

異世界の女の常識?

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「そう言えば旅の間、ティア様は『女の日』がまだでしたが、そろそろ大丈夫なのですか?」
「私はきっかり二十八日周期だそうなのよ」

 たしかリンドを出る前日に生理が終わりましたから、二十三日目、私の生理はきっかり二十八日なので、その三日前から始まります。
 オルセルン侯爵は二日後……まったく!生理が始まるではありませんか!

 まあ、前回、初めての時、生理痛は酷くなかったし、ナプキンとサニタリーショーツで何とかなりましたからね……
 とにかく女の身体って、ほんと、不便きわまりないのですから!

「オルセルン侯爵と会見される日が、生理の始まりですか」
「生理はまだ良いでしょうが、その後の七日目から始まる、例の母乳の時は大問題よね、なんとしても、ここでのお乳は避けなくてはね」

「そうですね、『霊薬』の話しは絶対に秘密ですからね……早く、郊外の森とかに引きこもらなくては……」
「とにかくオルセルン侯が帰ってこられようが来られまいが、二日後には絶対にここを離れましょう」

「それが良いですね、何があっても、私はティア様に従います」
「ラダさん、多分なにも起こらないわよ♪」

 二人が部屋でそんな話しをしている頃……

「コンラッド、久しいな……息災でなによりだ……」
「驚きました、大公殿下が女連れで歩いてこられるなんて……」
「色々あってな、ところでオルセルン侯と面談したい、『料理屋』の話しでな、クリフォード・ソロンも一枚噛んでいる」
「ソロン商会がですか?」

「あのティア嬢に肩入れして料理屋をさせる、オルセルン侯が誘ったと聞いたが、それに私もソロン商会も乗りたいと云うわけだ」
「料理屋の屋号も、『聖女のもてなし』にと、クリフォード・ソロンと二人で話し合った、よい屋号であろう?」

「『聖女のもてなし』ですか?よい屋号ですが、料理人の腕は確かですか?」
「確かだ、屋号にふさわしい腕前だ」
「一つ注意しておくが、ティア嬢は大変な我儘娘、変な所があるが、気にしないように」
「分りました、これ以上の話しは主人にお願いします」

「ところで殿下もこの館にお泊まりください、でなければ主人の面目が立ちません」
「帝国に忠誠を誓うオルセルン侯領としては、万一の事があったら、お兄君の皇帝陛下に申し開きが出来ませんので」
「そうか、『王国あたりの暗殺団』に結構襲われたりするからな、宜しくたのむ」
「おまかせを!」

 こんな話しをしていました。

 ティアさんの部屋がノックされ、メイドさんが、

「お茶をお持ちいたしました、こちらもどうぞ」

 この世界、ビールもあるし、ワインもあるし、なんと紅茶もあるのですね。
 コーヒーもね……

 多分東アジアとか南米とかに該当する地域が、この世界にもあるのでしょうね……
 ここは地球でいうところのユーラシアに該当?
 地形も同じではないけど、動植物などはそっくり……
 月もあるし、火星も見える……
 でも魔法があるのよね……

「あら、ガレット・ブルトンヌなのね?」
「さようです、ハチミツをかけております」
「お嬢さまは料理人と伺っておりますので、お口に合うかどうか……」

「十分よ♪ありがとう♪」

 でも、何となく、このメイドさん、モジモジしているような……
 
「終わればお呼びすればいいのね?」
「はい、そこにある紐をお引きになり、いつでもお呼びください♪」

 綺麗なお辞儀をして、退室のメイドさんです。

「ティア様、あのメイド、興奮していたようですよ、罪な方ですね……」
「私、迷彩のままよ、見てくれはさえない田舎娘よ、魅了など発動していないはず……」

「無理無理無理、絶対に無理です!毎日お側に控える私でも、大事なところが湿るのですよ、フェロモン全開なのですよ!」
「フェロモンって、異性に対するものでしょう?同性よ!それにカールマン様はなんともないでしょう?」

「男性の欲情はティア様にとっては悪意、聖女のお力で悪意は打ち消されているように思われます、多分『神罰』の関係で好意あたりに弱まっているのでしょう」
「しかし、女性の欲情は、悪意とはならないようですよ、事実、この私の欲情はそのままで、私の大事なところは、四六時中湿気っているのですから♪」

「道中、我慢するのは大変だったのですよ♪」
「それは私もよ♪こんな所ではエッチも出来ないし……」
「そうでもないと思いますよ、だって隣の部屋が寝室のようで、ダブルベッドで枕も二つですよ……」

「そういえば、この部屋、ベッドがないですね……」

「私、ティア様の夜伽侍女と、思われたようですね♪」
「夜伽侍女?」

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