上 下
22 / 145
第四章 聖女の奇跡

小太刀術

しおりを挟む

 私は女性の嗜みとして、『大東流合気武術の女子小太刀術』をマスターしているようで、この関係で小太刀を所有しています。
 小太刀といっても脇差しで現代刀なのですがね……刃渡り59.3センチ、『備前国与三左衛門尉祐定の写し』と聞いております。

 でもこれは死蔵するつもりですが、もう一振り、ナイフですが、ダマスカス鋼のブレードで刃渡り31センチ、重さ409グラム、お守り刀として転移するときに、初期装備品として頂いた物があります。

 ブラダマンテさんは、天道流の二刀小太刀術を物にしているようです。
 私の所持しているナイフを見せると、欲しそうにしたのですね。
 
「生理も終わったし、お給料も手つかずで残っているし、前回いただいた物もいくらか余っているし……」
 
 繰り越されているのは40デナリウス金貨と1キナリウス銀貨と2セステルティウス銀貨、18アス青銅貨、23クァドランス青銅貨、1円足りませんがね。
 ブラダマンテさんの購入価格はナイフ二本の差額で9デナリウスでしたからね。

 キングサイズのロフトベッド一式は、二十日に一回の金額無制限の取り寄せを使いましたから、お給料の貯金は減っていません。
 と云う訳で、繰り越されたお給料の範囲でね。

「同じものがいいかしら?」
「恐れ多いので、一つ下の物をいただけたら……」

 ダマスカス鋼のブレードで刃渡り30.5センチ、重さ470グラム、税抜49,500円のものを2本……

 私の物は有色ダマスカス鋼、こちらは白紙多層鋼、どちらもダマスカス鋼らしいのですが、どんなものかは私にはわかりません!
 握りは鮫革で茶紐巻き!鞘は木製の黒鞘です。
 ぱっと見ると、日本刀のように見えます。

 私の物は、握りも鞘も牛皮 ワニ押型、こちらは鉈のような握りの形です、税抜59,800円……
 
 ブラダマンテさん用のナイフ2本で、14デナリウス、1キナリウス、2セステルティウス、3クァドランス……
 1円多くとられるのですがね。

 16デナリウス金貨と18アス青銅貨、20クァドランス青銅貨が残るわけです。

「ところで聞くのですけど、このナイフ、結構大きいですよね、片手で振り回せるのですか?威力もスピードも落ちるのでは?」
「ユスティティア様、女の身ですから、さすがに力は男に劣ります、レイピアをお勧めなのでしょうが、なぜ私が『ラロッシュの守護騎士』と呼ばれとか、ご存知ですか?」

「さあ?」

「私は『風の槍』がミッドレベル、『風の剣』がビギナーレベルだったのです」
「この魔法は私が剣を切りつけると『風の剣』が発動され、たいていの物は切り刻めるのです、しかも私が剣を用いることで発動するようなのです」

「『風の槍』は剣で刺突をいれると、大抵のものを突き抜けるのですが、ミッドレベルなので遠距離攻撃も可能なのですよ♪」
「『風の槍』とか『風の剣』とかは、ミッドレベルになると、風が手首にまといつくような感覚になり、スピードが増したり、得物の重さが軽減したりするのですよ♪」

 ミッドレベルになるには、ひたすら修練する必要があるようです。
 ハイレベルなんて何人もいないとのことです。

 『風の槍』ハイレベル、『風の剣』、ミッドレベルのブラダマンテさんは、多分帝国でも最強クラスの剣士……

「すごいわね、魔法ですか、さすがブラダマンテさん!」
「見せていただけない?」

 で、二人でナイフを携え外に出て、ブラダマンテさん、披露してくれたのです!
 『風の槍』ハイレベル、『風の剣』、ミッドレベルのブラダマンテさんの魔法……
 感心したように眺めているユスティティアさんでした。

「ユスティティア様は、そのナイフをお使いに?」
「神様からいただいた物なのよ、武術なんて正式に学んだことはないけど、『大東流合気武術の女子小太刀術』はなんとなく使えると思うわ」
「もっとも使う気もないけど、怖くなったら悲鳴を上げて逃げるから」

「お見せ願えませんか?」

 で、初めてでっかいナイフの鞘を抜いて、手にしてみたのです。
 刃渡り31センチ、小太刀というより短刀なのですが、右手に持ち、左手は腰に、自然に半身に構えるユスティティアさん、マジですよ。
 
 すっとすり足で二三歩、無言で突きを……かなり前方にあった岩が砕け……
 身をひるがえし、ナイフを横殴りに振るうと……側面の木々がズバッと切り倒されたのです……

「なんとも……凄いとしか……」
「ブラダマンテさんを真剣に参考にしたのよ♪でも女子小太刀術、身についていたようですね♪よかった♪」
 とかいっていますが、突きは得意のユスティティアさんですよ。

 後で自身を鑑定したら、しっかりと『風の槍』、『風の剣』が所持魔法としてありました。
 一応、参考にしたゆえか、ブラダマンテさんと同じレベルでした。

「ブラダマンテ師匠♪お茶などいかが♪」
 以来、ブラダマンテさんを茶化している、ユスティティアさんでした。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活

XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

パンツを拾わされた男の子の災難?

ミクリ21
恋愛
パンツを拾わされた男の子の話。

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!

よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です! 僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。 つねやま  じゅんぺいと読む。 何処にでもいる普通のサラリーマン。 仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・ 突然気分が悪くなり、倒れそうになる。 周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。 何が起こったか分からないまま、気を失う。 気が付けば電車ではなく、どこかの建物。 周りにも人が倒れている。 僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。 気が付けば誰かがしゃべってる。 どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。 そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。 想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。 どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。 一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・ ですが、ここで問題が。 スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・ より良いスキルは早い者勝ち。 我も我もと群がる人々。 そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。 僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。 気が付けば2人だけになっていて・・・・ スキルも2つしか残っていない。 一つは鑑定。 もう一つは家事全般。 両方とも微妙だ・・・・ 彼女の名は才村 友郁 さいむら ゆか。 23歳。 今年社会人になりたて。 取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。

男女比の狂った世界で愛を振りまく

キョウキョウ
恋愛
男女比が1:10という、男性の数が少ない世界に転生した主人公の七沢直人(ななさわなおと)。 その世界の男性は無気力な人が多くて、異性その恋愛にも消極的。逆に、女性たちは恋愛に飢え続けていた。どうにかして男性と仲良くなりたい。イチャイチャしたい。 直人は他の男性たちと違って、欲求を強く感じていた。女性とイチャイチャしたいし、楽しく過ごしたい。 生まれた瞬間から愛され続けてきた七沢直人は、その愛を周りの女性に返そうと思った。 デートしたり、手料理を振る舞ったり、一緒に趣味を楽しんだりする。その他にも、色々と。 本作品は、男女比の異なる世界の女性たちと積極的に触れ合っていく様子を描く物語です。 ※カクヨムにも掲載中の作品です。

処理中です...