惑星エラム 幻のカタカムナ 第一部 パクス・ブリタニカ編 【ノーマル版】

第十八章 女性世界

惑星ブリタニカの加盟 其の一

　オルメカⅤに、ブラックウィドゥ・スチーム・モービルの最高実務者が集まりました。
　艦長のメツトリさんが、展望会議室を用意してくれています。

　巨大な戦艦スキーズブラズニル改級が三隻、浮かんでいるのが見えます……

　でももう一隻……スペースシティ級が一隻……ダイヤモンドの外装……しかもピンクダイヤモンドの……
　この悪趣味の外装……姉の船ではありませんか……なんでここに浮かんでいるのよ！

「メツトリ艦長！なんであのけばい船がいるのですか！」
「アーチダッチェスの軍命令です、お答えはできません」
　……姉が来ているの……トラブルメーカーが来ているということは、ろくなことにならない……

「私が来ているのに、なにかご不満でも？」
　姉のイシス、つまりは吉川茜さんが、そこにいるではありませんか。

「聞きましたよ……サリーさんがちくってくれましたからね、女を大量に拾ったとか、スケベもここまで成長すると大変ですね」

　姉は集まっていた最高実務者に向かって、
「吉川茜と申します、この世界の軍権を、妹より預かっている者です」
「宇宙一の変態スケベと、貴男たちがいうアリアンロッドの姉です、またの名をイシスといいます」
「ちなみに妹の本名は吉川美子、アナーヒターですよ」

「それから私たちの世界は、貴男たちと価値観がかなり違っています」
「私は血がつながっていませんが、姉でもあり、妹の愛人、妻の一人です、キリスト教的な解釈では、嫌悪すべきでしょうね」
　いいますね……

「それより何しに来たのですか！」
「女がらみの問題の、相談に乗るためですよ」
「アナーヒターが、あちこちつまみ食いした結果の尻ぬぐい」

「でも安心してね、ちゃんとハレムを作ってあげますから」
「そうでしょう、代価を収めたことを、ヴィーナスネットワーク世界に、貴女への忠誠として表明しなければ、この世界の加盟は認められないでしょう？」
「軍事占領するなら別ですが」
「……」