惑星エラム 幻のカタカムナ 第一部 パクス・ブリタニカ編 【ノーマル版】

第十七章 新たなパラレルワールド

ブリタニカの女たち

　私はサリーさんを伴って、マーブル・ヒル・ハウスに転移しました。
　マーブル・ヒル・ハウスは、沈痛な空気が流れていました。

　ジョージアナ女王が、暗い顔をして私の部屋にいました。
　クリスティンさんとマーガレットさんが、そばにいます。

「世界が変化したと、報告を受けましたが……」
　ジョージアナ女王が暗い声で呟いています。

「アリアンロッド様の行方が……」
　マーガレットさんも暗い顔です。

「いなくなったのよ、世界を救ったから元の世界へ戻られたのよ！私は見たのよ、とても綺麗な女の人の元へ、お帰りになったのよ！」
　そして、泣き始めたクリスティンさんです。

「愛していたのよ！お側にいるだけで幸せだったのに！行かれてしまった……」

「私の可愛いクリスティン、なにを泣いているの？」
　部屋のど真ん中に転移しました。

「アリアンロッド様！」
　マーガレットさんが、抱きついてきました。

　マーガレットさんの声が聞こえたのか、リンダさんがやってきて
「好きです！好き！大好き！」
　泣きながら云ってくれました。

　その後、どどっと皆さんがやってきて、押し倒されました……
　誰のキスマークが分かりませんが、幾つもの口紅の跡がついています。

　お・ほ・ん……

　皆さんが、その声の方向を凝視しました。
「失礼ですが、お嬢様はこの世界を救うために、危険なぐらいお疲れになっておられます」
「気持ちは理解できますが、今少しお控えください」
「……」

　サリーさん、ハウスキーパーのオーラ全開、威厳がありますね。

「皆さん、私のハウスキーパー、サリーさんです」
「私に仕える女たちの最高責任者です、皆さんの上司になる方です」
　こういわれて皆さん、あわてています。

「サリーさん、別室で皆さんの話を聞いてあげてくださいませんか？」
「私はジョージアナ陛下と少し話がありますので」
　皆さんはサリーさんの手をとり、
「私たちの話をお聞きください」などと云っています。

　まったく……この星の女たちは変わり身が早いというか、女らしいというか……
　女の良いとこ、悪いとこ……過剰に持っていますね……

　男女同権程度で、ちょうどいいバランスなのかもしれませんね……
　量の女、質の男……量が優勢……なるほどね、五分と五分、そのうえで女の主導……

　まぁこの辺が良いのですね……殿方のメンツをたてて、一夫多妻ぐらいは認めてね……
　世界を主導する女は、それを潔しとしない女たち……