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第七章 喪服の女神
アメリカの金
しおりを挟むそして、ついにアラスカに金鉱が発見されます。
しかしアラスカは、ブラックウィドゥ・スチーム・モービル社のアラスカ植民会社の所有……
アメリカ政府は、再購入を要求してきましたが、拒絶しました。
ブラックウィドゥ・スチーム・モービル社は、これを大々的に、ニューヨークで告発しました。
いままで、ブラックウィドゥ・スチーム・モービル社は、どれだけ利益を犠牲にして、社会福祉に貢献しているか!
それなのに金鉱が出れば、泥棒のようにかっさらおうとする。
アメリカの正義はどこにあるのか!などと、あおりにあおります。
世論は簡単にアメリカ政府を非難します、
そしてアメリカ政府は、妥協案を提示してきました……
アラスカをアメリカ政府に売価で譲るなら、ブラックウィドゥ・スチーム・モービル社に対して、特別に金貨発行を独占的に許可する。
つまり、不況対策の投資や資産保存用の金貨を含め、アメリカ政府が取り扱う金は、全てブラックウィドゥ・スチーム・モービル社が独占的に扱う……
アメリカ政府の金は、全てブラックウィドゥ・スチーム・モービル社が責任を持って管理する。
どういうことかというと、アメリカの富を、自由にはさせないが預ける、商売は公平ならば自由にしてよい。
アメリカ政府としては、ブラックウィドゥ・スチーム・モービル社の意見に対しては常に耳を貸す。
ブラックウィドゥ・スチーム・モービル社も、アメリカ政府の要求には考慮せよ……
誰が考えたのか……どちらも相手を丸呑み……大変な提案でした。
私、つまりブラックウィドゥ・スチーム・モービル社は、一週間ほど回答を伸ばしました……
ロンドンのマーブル・ヒル・ハウスで、私は考えています……
頭のいい奴が、アメリカにはいるようですね……
そこにパリのロスチャイルド家当主が、面会を望んでやってきました。
ブロイ公爵の代理らしいのですが……
「ブロイ公爵の?」
マーガレットさんが、取り次いでくれました。
「そのようですが」
「会わざるえませんね……お通しなさい……何か良いウィスキー……そうそう、モルトウィスキーを出しなさい」
「モルト……ですか?」
「クライヌリッシュ――北ハイランドモルト、蒸留所の名前、この当時、馴染みの個人客にだけ売っていた、1886年当時には一番高かったと資料にある、――がいいでしょう」
一人の中年のおじさまが座っていました。
私はつかつかと歩み寄り、手を差し出しながら言いました。
「お待たせしました、アリアンロッド・エンジェルです」
驚いたような顔をしています、確かにレディにあるまじき行動ですから。
クライヌリッシュを勧めながら、
「私に御用がおありとか、ブロイ公爵のご紹介ですので、お話をお伺いいたします」
「早速ですが……アメリカ政府とブラックウィドゥ・スチーム・モービル社の交渉についてですが……」
「お続けください」
「フランス政府としては、アメリカ政府と同様の提案をしたい……」
「……お土産がいるはずですが、ブロイ公爵はなんと?」
「立憲君主制ではどうか……」
「……キング、それともエンペラー?」
「エンペラーの4です」
「そちらでやれるのですか?」
「ブラックウィドゥ・スチーム・モービル社の資金次第……」
「……」
「バロネス・レディ・アリアンロッド・エンジェル……公爵閣下は代価についても、おっしゃっています」
「フランスはいままで通り、公娼制度とし、国家で管理する……債務を持つ女は、自身の判断で公娼となるなら、その債務は、国家が肩代わりすることもできる……債務はその後の自身の働きで返還する」
「同じようにブラックウィドゥ・スチーム・モービル社も、女性従業員について、採用するのなら、債務を肩代わりできる……債務は先ほどと同様、その後の自身の働きで返還する」
「……貴男は、これがどういう意味か理解していますか?」
「……ロスチャイルドにとっても例外ではない……債務を負っている以上……貴女が望めば……拒まない……一族の女は従業員になる……」
「そこまでは考えていません!」
やれやれ……事態はとんでもない方向へ……
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