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第五章 黒い未亡人(ブラックウィドゥ)
結論はただ一つ、事実なのです
しおりを挟む女王陛下のアフタヌーンティー、マーガレットさんと首相が呼ばれています。
「ディズレーリ……レディ・アリアンロッドの事ですが……私が言うのははばかられるのですが……」
マーガレットの報告を聞かせています。
「たしかにレディ・アリアンロッドは、間違いなく、この世界の人ではないのは確か……」
「そうですか……英雄、色を好む……」
「向こうは嫌がっているのだから、かかわりを持たせなくてはならない……なるほど……」
「嘘はつけない……その言葉は確かでしょう……」
「なら、その次の言葉……」
……この世界はあってはならない……神はそれでも存続を望まれているが、その為には条件がある、それを私に押し付けられた……
……私はある理由から、かかわりを持ちたくない……だから何もしたくない……
「これはゆゆしきこと……ではありませんか」
「……」
「荒唐無稽な話ですが、それでも金を目の前で作り出されては……」
「あの時、確かに手の中には、金はなかったのです……」
「それが手を開けば出てきた……手品といえばそうでしょうが……」
「ならあのアルミはどう説明するのか……」
「あの布はどう説明するのか……」
「結論はただ一つ、事実なのです」
「怖い……のです……」、と女王が言います……
「世界の終りを……この女が握っている……」
「女王陛下、ものは考えようではないでしょうか?」
「レディ・アリアンロッドは、滅亡を救うことも可能なのですから」
「そうです、私たちは間違っていた……とにかく表舞台に出さなくては……英雄、色を好む……この際……」
「けがらわしいとは思いますが、美女が好きなのは……あのレディ・クリスティンは美女……そうです、リンダです」
「リンダは良く、レディ・クリスティンと一緒に、レディ・アリアンロッドから、勉強を教えてもらっているとか……」
「レディ・クリスティンから、何か聞いているかもしれない……」
リンダが呼ばれました。
「リンダ、レディ・クリスティンと一緒に、勉強教えてもらっているの?」
「はい、お母様」
「レディ・クリスティンってどんな人?」
「……」
「ねぇ、私たちはレディ・アリアンロッドの為に、社交界デビューをしてもらおうと、考えているのです」
「レディ・クリスティンもどうかと、考えているのですが、どのような方か知りたいの、教えてくれない」
と、マーガレットがいいます。
「私、あまり詳しくは知らないけれど、レディ・クリスティンは、レディ・アリアンロッドからマリッジ・リングをいただいていると、おっしゃっていたわ」
「それとね、レディ・クリスティンは、きっとキャサリン・ハワードの子孫と思うわ、だって、ヘンリー8世をあまり良く云わないわ」
「どうしてマリッジ・リングをもらったのかしら、興味があるわ?」
マーガレットが聞きます。
「一度、しみじみとリングを眺めながら、私にこう云ったことがあるの」
「ご主人様はお優しいのよ、すべてを差し出して、縋り付けば見捨てられない方なのよ……」
「それから最初は、とても冷たいのよ、でもね、縋り付くの、『仕方ない』とお口からでれば、親しくしていただけるわよって」
「……なんとなくわかるわ……でも、リンダ、貴女はどうして親しくしてもらっているの?」
「……」
「まさか、リンダ……」
「違うわ!」
「レディ・アリアンロッドは、私なんか見向きもしてくれないわ!」
「こんなにお慕しいたしているのに!」
「私、一緒にお風呂に入ったの!」
「でも!マリッジ・リングはくださらなかった!」
そして泣き出したリンダでした。
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