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第四章 国家の機密
北冠座(きたかんむり座)のゴールド
しおりを挟む「お屋敷の持ち主が、もうすぐやってきますので、すぐに交渉いたします」
「そうそう、やはり代金は当方で支払いましょう」
「マーガレットさん、マッケンジー夫人とともに、あとで部屋にとりにきてくれますか?」
「しかし……」
「女王陛下に、ご迷惑はかけられませんしね」
「金地金で支払っていいでしょう?」
「金地金……」
「24K、純度99.99パーセントのものです」
「調べて確認したら、鋳つぶして使ってください、そうですね……小粒のほうがいいですね……一枚20グラムでいかが」
「……」
もう一つ、こけおどしをかましておきましょうね。
なんせこの方、お金持ち種族の出ですから、金の力を見せつけておきましょう。
私、この世界でも金を取り出せるのでね。
……ニューギニアのグラスベルグ鉱山……
ここは露天掘りですから……しかもこの鉱山は1988年発見、1990年露天掘りによる掘削を開始した、世界最大級の鉱山……ここから取り出せばいいのですから……
製錬など瞬時にできますし、金地金に加工も簡単♪。
「ちょうど手元に、二枚持っていますから、手付にどうぞ」
と、某社の20グラムのもの参考に、作り上げました。
勿論、刻印は北冠座(きたかんむり座)、アリアンロッドの象徴――ウェールズの詩人は、北冠座をカエル・アリアンロド(アリアンフロドの砦の意)と呼んだ、ウィッキペディア、アリアンロッドの項、参照――ですけどね……
手を握り、その中に二枚ほど作り出して、そのまま手を開けると……
カタンと二枚、テーブルに落ちました。
「……」
「本物ですよ、誰かすぐに呼んで、これを調べてくださいな、得心がいったら、必要な枚数を言ってください」
唖然としている方々を尻目に、
「ほかに私に何かありますか?」
「……」
「では私は、部屋に戻らしていただきましょう」
しばらくすると、今度はリンダさんがやってきました。
ちょうど私たちは昼食、といっても軽いものですけど……
冷凍パンをいくつか取り出して、私がマイクロ波を照射し、電子レンジまがいで解凍し……
ハンバーガー、ナンドッグ、あげなくても良い、カレーパンなどなど……
飲み物はティーバックで紅茶ですけど……
「リンダさん、ちょうどいいところへ」
「お昼でも一緒にいかが、朝のモーニングほど豪華にはいきませんので、お口に合わないかもしれませんが」
「ご一緒に、いいのですか?」
「あまりおいしくないかもね、なんせ、私たちは出先ですからね」
「お母様ったら、お客様のお食事を用意しないなんて!」
「叔母様は今、大事なお客様とアフタヌーンティーでしょう」
「私たちの事で首相さんとお話し中のようなのですよ」
「そうなのですか……」
クリスティンさんもリンダさんも、カレーパンを気に入ったようです。
まぁこれは、お子様向きのあまり辛くないものでしたから……
「アリアンロッド様……これは何というパンなのですか?」
「カレーパンと称するものです、本来は揚げパンですけどね」
そんな会話をしていましたが、リンダさんがクリスティンさんの手を、ものすごく真剣に眺めています。
「私の手になにか?」
クリスティンさんが聞きますと、
「クリスティンお姉さまは、結婚されているのですか!マリッジ・リングをされていますが!」
そういえば左薬指に、『格子』のリングをしていましたね。
「私は……これはアリアンロッド様にいただいたものです」
「綺麗な指輪……プラチナ?」
「そうです、私の何より大事なもの、絶対にはずさないと誓っています」
「たくさんの女が、いただいているのですよ」
「……私も」と言いかけたところへ、マーガレットさんと、マッケンジー夫人がやってきました。
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