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第一章 ヴィーナス・ネットワークの繁栄

惑星アールヴヘイムンからの請願

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 中原ステーションで、会議が開かれていました。
 ヴィーナス・ネットワーク審議会主催で、加盟の惑星世界代表による会議。
 議題はヴィーナス・ネットワークの根幹ともいえる、宇宙間連絡鉄道の一般開放、およびソル星系外惑星鉄道の延長問題についてです。

 宇宙間連絡鉄道。
 通称、ヴィーナス・ネットワーク・レイルロードは、設立以来百年近く、ユニバース・ミリタリーの管理下にあり、基本は軍事鉄道です。

 四大路線と呼ばれる第一本線、第二本線、ヘヴン循環線、蓬莱支線、このうち自由往来、一般開放されているのは、第一本線の内の、ローマ・ダチア鉄道だけです。

 中原宇宙鉄道は、団体申請があればこれを認めていますが、残りの幹線は、いまだに資格制限があります。

 このヘヴン循環線と、第一本線の残りの、エラム宇宙鉄道と中原宇宙鉄道の、資格制限を解除するという問題なのですが……

 この路線には中原ステーションがあります。
 軍事要塞であり、ヴィーナス・ネットワーク世界の中心でもある、ニライカナイがあるのです。

 この第一本線の資格制限撤廃について、惑星アールヴヘイムンから、とくに強く請願があります。
 セイレン・ステーションには、かなりの支線が乗り入れており、この支線の資格制限も合わせて請願があります。

「しかし、その昔、ヴィーナス様に暗殺者を向けた惑星……支線の資格制限撤廃は……」
 第一本線自体は、すんなりと議決されたのですが、アールヴヘイムン支線については、意見が分かれています。

 一度、惑星アールヴヘイムンは、私の直轄惑星となったのですが、暗殺者を向けた惑星ということで、ミリタリー種族が猛反発、執政官府が再びおかれたのです。

「私としては、そろそろいいのではと考えます」
「最後の審判戦争から百年、惑星アールヴヘイムンも、あれ以来、私に忠誠を捧げてくれています」
「もしあのようなことが起きれば、今度は致し方ありません、私自ら処分を下しますから、認めませんか」

 私のこの言葉で、第一本線の資格制限は撤廃されました。
 惑星アールヴヘイムンは、念願の直轄惑星となり、各地方政権は、私に直属したのです。

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