惑星エラム 幻のカタカムナ 第三部 嘆きの女神編【ノーマル版】

第三十六章 招待状

神の呼び出し

　時が止まりました……
　丁度、アマゾネスハウスのベネデッタ・アルクーリさんとエッチが終わった後、姉の嫌味を聞いていた時です。

　黒髪の、目が大きく長いのが印象的な、イタリア美女のベネデッタ・アルクーリさん、なんせ元女スパイ、鍛え上げられたお体は美しいものです。

　珍しくお一人でやって来ました。
　なんでもたまには一人で夜伽をしてみようと、アマゾネスハウス内で決めたそうです。

　ポニープレイなどを躾けていますからね……ハイステップ・トロットでカートを引っ張ってもらいましたね。

　ニライカナイの夜時間、それなりに夜間の雰囲気が漂います。
　ポニーの乗馬もできる芝生のお庭、ガーデンライトの灯りに浮かび上がる、真っ白の美女の肢体が……長い足と見事に引き締まったお尻……
　ベネデッタさん恍惚としています。

　その後は……マゾですからね、このベネデッタ・アルクーリさんは……

　事が終り、ベネデッタ・アルクーリさんが名残惜しそうに帰った後、まだ私はガーデンライトの灯りに浮かび上がる芝生のお庭で、一人まったりとしていました。
　姉がやってきて、
「お盛んでしたね、隣の私の家まで聞こえましたよ、どうしてくれるのですか！」

　ふと気が付くと、八芒星の手鏡が芝生の上に置かれていました。
　カタカムナ文字が読めます……
　そこには、ただ一言……

　『来たれ』とありました。
　
　『天之御中主（あめのみなかぬし）』の神様……いや、なにかがおかしい……なにかが違う……
　ブリタニカの時、文字は手鏡を私が手に持ってから浮かびあがってきた……
　
　創造の最高神は、手はずをコロコロと変えるのだろうか……
　私が手鏡を持ち、眺めながらこのように考えていました。

　姉が気が付き、
「『天之御中主（あめのみなかぬし）』様ですか……」
　と呟きました。

　その時、手鏡に何かが写りました……

　衝撃の光景が映し出されたのです……

　明らかに私の故郷、パラレルワールドの中の、どの世界かはわかりませんが、蓬莱か、ブリタニカか、テラか……懐かしいアースか……
　その世界が『虫』に蹂躙されているようです……

　男たちが食い殺され、女たちの奴隷牧場……惑星フルーツガールの世界……
　『虫』どもめ……
　理性が飛びそうです、怒りが込み上がってきます……

　その時、私以外の時が完全に停止したのです。

　そして『デーヴァのタイムライン』とカタカムナ文字が浮き上がります。
　さらに……
　『行くべし』と、文字が浮き上がります。
　これは……

　その瞬間、空間が消えたのです……
　私は少しは幽子を知っており、『鏡界』も知っていますが……いまいるのは知覚だけの世界……

　これは物理の世界ではないのは確かですが、完全な無でもない……完全な無の手前……
　『無色界』のどこか……多分入口の第一天、空無辺処（くうむへんしょ）……

　先ごろ俯瞰した時を思い出します。
　その時は束縛だけを感じました。

　すべてが有にとらわれ無に戻っていく……
　『時』に埋没して『消滅』から『調和』に至ることができなくなる……澱み荒廃が止まらない……三千世界は危機に瀕している……

　『時』は荒廃により形を変えて久しい……
　荒廃を止め『時』を抱け……その上で 『時』の有り様をかえよ……

　最初の『来たれ』は罠なのですね……それでも『行くべし』ですか……

　『天之御中主（あめのみなかぬし）』様は罠を利用すべし……とおっしゃるのですか……
　『デーヴァのタイムライン』、つまり時の改変は許されない罪ということのようです……

　要は、荒廃を止め、『時』の有り様をかえよ……そのためには『デーヴァ』を何とかせよ……と。