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第三十九章 終戦

05 会話

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 夢を見ているのでしょうか、私の意識はどこにいるのか?
 源兵衛さんを呼びますと、返事があります。

「ここはどこですか?」
「マスターの精神世界というべき場所です、マスターのお身体は、無理がたたって倒れています。」
「軟弱な身体ですね。」

「そんなことはないでしょう、むしろ人間という生物の能力を考えると、その限界をとうに超えた結果ですから、称賛されるべきでしょう。」

「源兵衛さん、聞きたいことがあります、答えられないことは答えなくてよいですが。」
「どのような質問か推測はできますが、お聞きしましょう。」

「今回、なぜ介入したのですか、本来、禁止のはずと聞いていますが?」
 ……だんまりですか?

 しばらく沈黙した後、
「このエラムではありえない新兵器が投入され、なお且つマスターの危機が発生した結果です。」
「あの自爆兵器ですか?」

「いいえ、ロボットの方です、あれはマスターの世界でも未来の産物、その様な物が戦場に投入された時、介入禁止の例外が発生しました。」

「マスターの周りに極めて高い危険値が予測されました、つまりマスターのお命が危険にさらされる可能性が、極めて高かったといえます。」
「しかし、まさかマスターが電磁波爆弾、EMP爆弾を瞬時に作られるとは、想定できませんでした。」

「自爆兵器とは技術ギャップがありましたが?」
 ……またまただんまりですか?

「答えられるかギリギリの質問ですが、答えられると計算できました。」
「あの自爆兵器はエラムの固有の兵器です、ただし今のエラムでいうところの、キンメリアの産物ではありません、遥か昔の古代兵器、レムリアの兵器です。」

 とんでもない言葉を聞きました。

 レムリア……父なるレムリア……神話で語られるだけの、あのレムリアです。

「源兵衛さん、予測できるでしょうが、貴方はなぜ知っているのですか?」
「これも難しい質問ですね、でもマスターの徐々に境界をこじ開けるような、質問の仕方には称賛します。」

「お答えすると私は太古の時代より、このエラムを監視している者です、監視していればそれなりにデーターは集積できます。」
「でもレムリアについてはお答できません、答えたくても答える権限がありません。」

「その権限はだれがもっているのですか?」

「マスターをこの世界に呼び寄せた者です、『しもべ』と自らは呼んでいます。」
 なるほど、では『しもべ』の代理が貴方なのですね。

「貴方はどこに存在しますか?」
「私はこの惑星エラムの第二衛星、マスターがいうところのダイモス、エラムの呼び方なら『小さい瞳』に存在します。」
 ギリシャ神話のデイモス、恐怖の神に住んでいるのですか。

「貴方があの時、主席の影響力を解除してくれたと考えられますが、どうしてその様なことが可能なのですか?」

「答えられる範囲でお答えすると、魔法の成り立ちが影響するのです。」
「私は魔法を構成する物に、影響力を行使できます、私は主席と呼ばれるものと相対した時、相手も構成する物に、影響力を行使していました。」

「しかし私の影響力の方が、一レベル上位だったおかげで、主席の影響力をキャンセルできました。」
「念押しでいっときますが、魔法ってなにと、聞かないでくださいよ。」

「では答え良い質問に変えましょう、どうして主席はあのような兵器を出現させることができたと考えますか?」

「データー分析しますと、ロボットの方は、主席の知識から出た物と考えられます。」
「つまり主席の知識は、マスターの知識より、技術レベルで上を行っているといえます。」
「しかしそのような技術レベルは、レムリアにもありませんでした、あとはご想像にお任せします。」

 逃げますね、何か知っているのでしょうが、ロックがかかっているようです。

「レムリアの兵器の方は、どこかにその技術情報が、残されていると考えられます。」
「どこにあるかはデーター不足ですが、主席の支配地に、存在する可能性は高いと考えられます。」

「今後もこちらは、出現する可能性があります。」
「ロボットの方は、マスターの電磁波爆弾で対抗できることが、証明された以上、投入はありません。」

「そろそろ、マスターのお身体も新陳代謝が、活発化しだす頃です、お目覚めの時間ですよ。」
「でも一つ忠告しておきますよ、あまりご自分で脳内麻薬物質を、分泌しないようにしてください。」
「今回のことは、普通の人間なら廃人間違いなし、というより、とうに死んでいるほどの蛮行ですから。」
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