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第三十一章 キリー攻防戦
04 戦いの前に
しおりを挟むマリーさんが心をこめて、料理の準備をしてくれました。
軽い昼食ですが、私と七人の愛人さん、二人の麗人さんが会食のメンバーです。
「皆さん、もう戦争のことは、知っておられると思いますのでいいませんが、相手は主席、私も命を落とすかも知れないと覚悟しています。」
「この世界を、動乱に放り込んだ責任は私にもあります、いくら仕方ないとしても、私が責任をとる必要があります。」
「皆さんとは、この戦争が終わるまで、ゆっくりとお話する時間が取れないかもしれません。」
「イシュタル様は死にません、そんな責任をとる覚悟は必要ありません、この戦いは必ず勝ちます。」
だれかと思えばアテネさんです。
「ありがとう、そうですね、勝てばよいのです。」
「そして世界を救いましょう、ぐだぐだ考えることはよして、なすべきことをいたしましょう。」
その後は、結構和気あいあいと食事をしました。
皆、心の底では覚悟を固めてはいますが……
アリスさんが、
「お姉さま、戦争に勝って世界を救い、その後はどうします、私たちは永遠に生きるのですが?」
「その時はこの数ある宇宙を旅しましょう、手始めに私の世界へ招待しますよ。」
「でも、行けるのですか?」
「私の姉がこちらへ来るために研究しているそうです。」
「この間、少し話すことができましたが、もう少しで、片道は可能とのことでした。」
「姉が来られれば、こちらから向こうへ行くことも可能でしょう、なんせ時間はそれこそ無限にあるのですから。」
小雪さんが、
「そうです、そのためにも目の前の敵を片づけましょう。」
サリーさんが、
「麗人のお二人は、まだお嬢様の姉上様にお目にかかったことはないのですね、綺麗で優しくて頼もしい方ですよ。私たちを、妻と認めてくださった方でもありますし。」
マリーさんが、
「サリーお姉さまより、よく聞いていますが、私たちも認めてくださるでしょうか?」
「姉はそれこそ、私よりも立派な人で、私よりも聡明です。たぶんすぐに状況を理解して、認めてくれると思います。」
アリスさんが、
「私はまだ早いと云われました、でもお姉さまと出会ってはや五年たちました。本当は十九歳、十分に妻と呼ばれてもいいと思いますが、何とかこの身体を、成長させてくれませんか?」
「そうですね、何とかしなくてはなりませんね、少なくとも、私の世界へ行けるならですが……」
あれから五年たったのですね、そういえば姉は相変わらず綺麗でしたね……
私は半年ごとに、ほんの少しの時間、姉と会っていますが変わらない感じがします。
でも本音は、たぶん地球には戻れないと、これは確信しています。
「この戦争の方がついたら、皆でまた写真をとりましょうか。」
サリーさんが、
「そうですね、今度は裸の集合写真などどうですか?」
「恥ずかしいですが、皆さんが望まれるなら、どんなスケベな写真でも応じますよ。」
私が笑いながら約束しますと、皆さんも笑い、そしてアナスタシアさんが、
「ではその時のために、身体に傷を負わないようにいたしましょうね。」
ジジさんが、
「私は写真というものは取ったことがありません、ダフネ様より見せられて、羨ましく思っていました。」
「必ず次回は参加いたします、この胸にうずもれている巫女様と映るつもりです。」
アリスさんが、「その爆乳でお姉さまを誘惑したのですね。」
アテネさんが、「羨ましい……」と云っていました。
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