上 下
52 / 121
第三十一章 キリー攻防戦

04 戦いの前に

しおりを挟む

 マリーさんが心をこめて、料理の準備をしてくれました。
 軽い昼食ですが、私と七人の愛人さん、二人の麗人さんが会食のメンバーです。

「皆さん、もう戦争のことは、知っておられると思いますのでいいませんが、相手は主席、私も命を落とすかも知れないと覚悟しています。」

「この世界を、動乱に放り込んだ責任は私にもあります、いくら仕方ないとしても、私が責任をとる必要があります。」
「皆さんとは、この戦争が終わるまで、ゆっくりとお話する時間が取れないかもしれません。」

「イシュタル様は死にません、そんな責任をとる覚悟は必要ありません、この戦いは必ず勝ちます。」
 だれかと思えばアテネさんです。

「ありがとう、そうですね、勝てばよいのです。」
「そして世界を救いましょう、ぐだぐだ考えることはよして、なすべきことをいたしましょう。」

 その後は、結構和気あいあいと食事をしました。
 皆、心の底では覚悟を固めてはいますが……

 アリスさんが、
「お姉さま、戦争に勝って世界を救い、その後はどうします、私たちは永遠に生きるのですが?」

「その時はこの数ある宇宙を旅しましょう、手始めに私の世界へ招待しますよ。」
「でも、行けるのですか?」

「私の姉がこちらへ来るために研究しているそうです。」
「この間、少し話すことができましたが、もう少しで、片道は可能とのことでした。」
「姉が来られれば、こちらから向こうへ行くことも可能でしょう、なんせ時間はそれこそ無限にあるのですから。」

 小雪さんが、
「そうです、そのためにも目の前の敵を片づけましょう。」

 サリーさんが、
「麗人のお二人は、まだお嬢様の姉上様にお目にかかったことはないのですね、綺麗で優しくて頼もしい方ですよ。私たちを、妻と認めてくださった方でもありますし。」

 マリーさんが、
「サリーお姉さまより、よく聞いていますが、私たちも認めてくださるでしょうか?」

「姉はそれこそ、私よりも立派な人で、私よりも聡明です。たぶんすぐに状況を理解して、認めてくれると思います。」

 アリスさんが、
「私はまだ早いと云われました、でもお姉さまと出会ってはや五年たちました。本当は十九歳、十分に妻と呼ばれてもいいと思いますが、何とかこの身体を、成長させてくれませんか?」

「そうですね、何とかしなくてはなりませんね、少なくとも、私の世界へ行けるならですが……」

 あれから五年たったのですね、そういえば姉は相変わらず綺麗でしたね……
 私は半年ごとに、ほんの少しの時間、姉と会っていますが変わらない感じがします。
 でも本音は、たぶん地球には戻れないと、これは確信しています。

「この戦争の方がついたら、皆でまた写真をとりましょうか。」

 サリーさんが、
「そうですね、今度は裸の集合写真などどうですか?」
「恥ずかしいですが、皆さんが望まれるなら、どんなスケベな写真でも応じますよ。」

 私が笑いながら約束しますと、皆さんも笑い、そしてアナスタシアさんが、
「ではその時のために、身体に傷を負わないようにいたしましょうね。」

 ジジさんが、
「私は写真というものは取ったことがありません、ダフネ様より見せられて、羨ましく思っていました。」
「必ず次回は参加いたします、この胸にうずもれている巫女様と映るつもりです。」

 アリスさんが、「その爆乳でお姉さまを誘惑したのですね。」
 アテネさんが、「羨ましい……」と云っていました。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

【取り下げ予定】愛されない妃ですので。

ごろごろみかん。
恋愛
王妃になんて、望んでなったわけではない。 国王夫妻のリュシアンとミレーゼの関係は冷えきっていた。 「僕はきみを愛していない」 はっきりそう告げた彼は、ミレーゼ以外の女性を抱き、愛を囁いた。 『お飾り王妃』の名を戴くミレーゼだが、ある日彼女は側妃たちの諍いに巻き込まれ、命を落としてしまう。 (ああ、私の人生ってなんだったんだろう──?) そう思って人生に終止符を打ったミレーゼだったが、気がつくと結婚前に戻っていた。 しかも、別の人間になっている? なぜか見知らぬ伯爵令嬢になってしまったミレーゼだが、彼女は決意する。新たな人生、今度はリュシアンに関わることなく、平凡で優しい幸せを掴もう、と。 *年齢制限を18→15に変更しました。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

大工スキルを授かった貧乏貴族の養子の四男だけど、どうやら大工スキルは伝説の全能スキルだったようです

飼猫タマ
ファンタジー
田舎貴族の四男のヨナン・グラスホッパーは、貧乏貴族の養子。義理の兄弟達は、全員戦闘系のレアスキル持ちなのに、ヨナンだけ貴族では有り得ない生産スキルの大工スキル。まあ、養子だから仕方が無いんだけど。 だがしかし、タダの生産スキルだと思ってた大工スキルは、じつは超絶物凄いスキルだったのだ。その物凄スキルで、生産しまくって超絶金持ちに。そして、婚約者も出来て幸せ絶頂の時に嵌められて、人生ドン底に。だが、ヨナンは、有り得ない逆転の一手を持っていたのだ。しかも、その有り得ない一手を、本人が全く覚えてなかったのはお約束。 勿論、ヨナンを嵌めた奴らは、全員、ザマー百裂拳で100倍返し! そんなお話です。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

記憶喪失になった嫌われ悪女は心を入れ替える事にした 

結城芙由奈@12/27電子書籍配信中
ファンタジー
池で溺れて死にかけた私は意識を取り戻した時、全ての記憶を失っていた。それと同時に自分が周囲の人々から陰で悪女と呼ばれ、嫌われている事を知る。どうせ記憶喪失になったなら今から心を入れ替えて生きていこう。そして私はさらに衝撃の事実を知る事になる―。

夢食いの少女は夢を探す

悠奈
ファンタジー
鈴本優吾が大学で出会ったのは、悪夢を食べる性質を持つ〈獏〉である東堂あまねだった。ある生徒の悪夢をあまねが食べた場面に遭遇した優吾は、あまねの協力者として指名される。

地獄の手違いで殺されてしまったが、閻魔大王が愛猫と一緒にネット環境付きで異世界転生させてくれました。

克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作、面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります! 高橋翔は地獄の官吏のミスで寿命でもないのに殺されてしまった。だが流石に地獄の十王達だった。配下の失敗にいち早く気付き、本来なら地獄の泰広王(不動明王)だけが初七日に審理する場に、十王全員が勢揃いして善後策を協議する事になった。だが、流石の十王達でも、配下の失敗に気がつくのに六日掛かっていた、高橋翔の身体は既に焼かれて灰となっていた。高橋翔は閻魔大王たちを相手に交渉した。現世で残されていた寿命を異世界で全うさせてくれる事。どのような異世界であろうと、異世界間ネットスーパーを利用して元の生活水準を保証してくれる事。死ぬまでに得ていた貯金と家屋敷、死亡保険金を保証して異世界で使えるようにする事。更には異世界に行く前に地獄で鍛錬させてもらう事まで要求し、権利を勝ち取った。そのお陰で異世界では楽々に生きる事ができた。

処理中です...