上 下
28 / 121
第二十九章 開戦決意

01 再会

しおりを挟む

 久々にアリスさんと愛を交わした。
 朝、折角、お風呂にはいったのに、またお風呂に入らなくてはなりません。

「さあアリスさん、シャワーへいきますか。」
「お姉さま、もっともっと愛して……」
 アリスさんは寝ぼけています、でもその呟きには赤面します。

 そもそもアリスさんは十四歳の身体で、年齢が固定されている有機体アンドロイド、愛を交わすなんて、ロリっ気がないとできない相談、このまま私も変態になるのでしょうね。

 このままいくと、アンさんの誘惑にも負けそうです。
 アナスタシアさんがアンさんに、変なことばかり教えています。
 周囲の者は、アンさんは私の所有物で、当然と思っていますし……

 次の日、私はキリーの町へ行きました。
 カルシュの二人の公館長と、学園長に来ていただきました。

「学園長さんお久しぶりですね、御苦労さまでした。」
「ヴィーナス先生、いや黒の巫女様にあらせられては……」
「学園長さん、舌を噛みますからヴィーナスでよいですよ。」
「お二人もご無事で何よりです、大変でしたでしょう。」

 話をしているうちに、ガルダ草原の決戦の様子がわかってきました。
 聞いているうちに、彼らの秘密兵器があらわになってきました。
「お二人とも今の話はゆゆしきことです、あとでじっくりと聴かせてもらいます。」
「とりあえずは報告書をまとめてください。」

「さて学園長さん、私の教え子はどうしています?」
 この後、教え子のことを詳しく教えていただきました。

「もうこの子たちには、帰る所はないのですか?」
「悲しいことですがその通りです、実はカルシュが降伏した時、町の人々は抵抗をしようとしました。」
「私はその時、これは危ないと思い、脱出を図りました。」

「多くの生徒は父兄がいますので、この時点で女子部にいたのは、帰る所のない今回の生徒たちだけでした。」
「せめてこの生徒たちだけでもと思い、その時ヴィーナス様が、なにかあればジャバ王国公館を訪ねなさいと、云っていたのを思い出しました。」

「藁をも掴む思いで公館長に相談したところ、教団領公館と脱出するので、一緒に行きましょうと云って下さりました。」
「ヴィーナス様、お願いです、生徒たちのためにお力になってください。」

 私は教え子さんたちに会いに行きました。
「ヴィーナス先生!」
 皆さん抱きついてきます、中にはアンさんと同級生もいます。
 私の大事な教え子さんたちです、本当に良かった。

「皆さん、お食事はしましたか?」
「食べました、でももっと食べられます。」
 私は笑ってしまいました、若いって素晴らしいことです。

「ここまで来た以上は、皆さんのことは先生にドーンと任せなさい、先生はこの町では顔役なのですよ。」
「本当ですか?でも先生は云っていましたね、働かざるものは食うべからずと、だから私たちも働きます。」
 そんなこといったような、いわないような……

「そうですね、ならこの町にある館に勤めますか、少し給料は安いですが。」
 教え子の最年長の子が、代表して聞いてきました。
「お願いできるでしょうか?」

「任せなさい、館の管理人とは親しい仲です。すぐに話をしてきましょう、待っていてください。」
 私はダッシュでマリーさんのもとへ走りました。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

【取り下げ予定】愛されない妃ですので。

ごろごろみかん。
恋愛
王妃になんて、望んでなったわけではない。 国王夫妻のリュシアンとミレーゼの関係は冷えきっていた。 「僕はきみを愛していない」 はっきりそう告げた彼は、ミレーゼ以外の女性を抱き、愛を囁いた。 『お飾り王妃』の名を戴くミレーゼだが、ある日彼女は側妃たちの諍いに巻き込まれ、命を落としてしまう。 (ああ、私の人生ってなんだったんだろう──?) そう思って人生に終止符を打ったミレーゼだったが、気がつくと結婚前に戻っていた。 しかも、別の人間になっている? なぜか見知らぬ伯爵令嬢になってしまったミレーゼだが、彼女は決意する。新たな人生、今度はリュシアンに関わることなく、平凡で優しい幸せを掴もう、と。 *年齢制限を18→15に変更しました。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

夢食いの少女は夢を探す

悠奈
ファンタジー
鈴本優吾が大学で出会ったのは、悪夢を食べる性質を持つ〈獏〉である東堂あまねだった。ある生徒の悪夢をあまねが食べた場面に遭遇した優吾は、あまねの協力者として指名される。

大工スキルを授かった貧乏貴族の養子の四男だけど、どうやら大工スキルは伝説の全能スキルだったようです

飼猫タマ
ファンタジー
田舎貴族の四男のヨナン・グラスホッパーは、貧乏貴族の養子。義理の兄弟達は、全員戦闘系のレアスキル持ちなのに、ヨナンだけ貴族では有り得ない生産スキルの大工スキル。まあ、養子だから仕方が無いんだけど。 だがしかし、タダの生産スキルだと思ってた大工スキルは、じつは超絶物凄いスキルだったのだ。その物凄スキルで、生産しまくって超絶金持ちに。そして、婚約者も出来て幸せ絶頂の時に嵌められて、人生ドン底に。だが、ヨナンは、有り得ない逆転の一手を持っていたのだ。しかも、その有り得ない一手を、本人が全く覚えてなかったのはお約束。 勿論、ヨナンを嵌めた奴らは、全員、ザマー百裂拳で100倍返し! そんなお話です。

狼の子 ~教えてもらった常識はかなり古い!?~

一片
ファンタジー
バイト帰りに何かに引っ張られた俺は、次の瞬間突然山の中に放り出された。 しかも体をピクリとも動かせない様な瀕死の状態でだ。 流石に諦めかけていたのだけど、そんな俺を白い狼が救ってくれた。 その狼は天狼という神獣で、今俺がいるのは今までいた世界とは異なる世界だという。 右も左も分からないどころか、右も左も向けなかった俺は天狼さんに魔法で癒され、ついでに色々な知識を教えてもらう。 この世界の事、生き延び方、戦う術、そして魔法。 数年後、俺は天狼さんの庇護下から離れ新しい世界へと飛び出した。 元の世界に戻ることは無理かもしれない……でも両親に連絡くらいはしておきたい。 根拠は特にないけど、魔法がある世界なんだし……連絡くらいは出来るよね? そんな些細な目標と、天狼さん以外の神獣様へとお使いを頼まれた俺はこの世界を東奔西走することになる。 色々な仲間に出会い、ダンジョンや遺跡を探索したり、何故か謎の組織の陰謀を防いだり……。 ……これは、現代では失われた強大な魔法を使い、小さな目標とお使いの為に大陸をまたにかける小市民の冒険譚!

記憶喪失になった嫌われ悪女は心を入れ替える事にした 

結城芙由奈@12/27電子書籍配信中
ファンタジー
池で溺れて死にかけた私は意識を取り戻した時、全ての記憶を失っていた。それと同時に自分が周囲の人々から陰で悪女と呼ばれ、嫌われている事を知る。どうせ記憶喪失になったなら今から心を入れ替えて生きていこう。そして私はさらに衝撃の事実を知る事になる―。

地獄の手違いで殺されてしまったが、閻魔大王が愛猫と一緒にネット環境付きで異世界転生させてくれました。

克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作、面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります! 高橋翔は地獄の官吏のミスで寿命でもないのに殺されてしまった。だが流石に地獄の十王達だった。配下の失敗にいち早く気付き、本来なら地獄の泰広王(不動明王)だけが初七日に審理する場に、十王全員が勢揃いして善後策を協議する事になった。だが、流石の十王達でも、配下の失敗に気がつくのに六日掛かっていた、高橋翔の身体は既に焼かれて灰となっていた。高橋翔は閻魔大王たちを相手に交渉した。現世で残されていた寿命を異世界で全うさせてくれる事。どのような異世界であろうと、異世界間ネットスーパーを利用して元の生活水準を保証してくれる事。死ぬまでに得ていた貯金と家屋敷、死亡保険金を保証して異世界で使えるようにする事。更には異世界に行く前に地獄で鍛錬させてもらう事まで要求し、権利を勝ち取った。そのお陰で異世界では楽々に生きる事ができた。

処理中です...