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第十五章 尻に敷かれる亭主たち
裸の付き合い
しおりを挟む『天空温泉』は日が沈み始めていました。
ドアを開くと洞窟の中……
「ほう、洞窟の中か」
「いま明かりを用意いたします」
税抜き1,273円のジャバラのフローティングタイプ、単三使用のランタンを渡しました。
口座には、かなりお給料がたまっておりますのでね。
「これは浮きますので、お好き所を照らしてください」
「湯船は玄関先になっております、深さは膝ぐらいですが湯温は少し熱いかもしれません」
「そうか、では気を付けて入るとしよう」
「おっ、先は外につながっておるようだな」
国王陛下、さっそく露天の方へ泳がれます。
「国王陛下、風呂で泳ぐとしんどいですよ」
「おっ、これは凄い!地獄の口が開いておるぞ!」
皇帝陛下も続いて、
「確かに美しいが、凄絶というべき光景だな……今度はゆっくりと昼間に見てみたいぞ……還らずの荒野を眼下に出来るとはな……」
国王陛下が、
「ここは雨でも大丈夫なのだな、最初の温泉が雨でも、ここなら入浴可能だな♪」
「ヒロ殿、冷たいビールを無心したいが」
「そうですね♪私も嫌いではありませんし♪」
『麦●ホップ』というもの、これ評判がよさそうです。
350ml缶で税抜き、と言っても消費税を抜いた物なら、120円ぐらいで取り寄せられます。
いま私、130円までなら無制限ですからね♪
税込みなら142円まで、OKなわけです♪
「こちらもどうですか?少し小さいですけど」
『ブ●ック●●● ハイボール』、3ケース72本を買うと税抜きなら126円でありました。
まあ250ml缶ですけどね。
風呂の中ですから、つまみなどはありませんが、三人で奥さんの話なんてね。
「クレアがそんなことを言っていたと?」
「はい」
「母親にますます似てくるの……」
国王陛下がそんなことを言っていると、皇帝陛下が笑いながら、
「婿殿よ、同情するぞ、いよいよ余の仲間だな♪」
「そうですね、これからは妻の愚痴をこぼす夫になるのでしょうね……私の妻たちは賢妻ですが尻も大きそうですし……」
皇帝陛下が、
「六人も尻の大きな妻を持つからよ、余は妻は二人で辟易していて、あとは愛人よ」
国王陛下が、
「しかし、二番目の妻、ヒルダはおとなしそうだが?」
「どうしてどうして、ヒルダはクリスティーネよりも『尻がでかい』わけよ、黙って批判するのだぞ」
「それはたまらんな、うちは二人とも口が達者で、まず口論では打ち負かされる」
「二人の王妃がつるむのか?」
「そうよ、たまらんぞ」
「互いに苦労するの」
「こうして妻への愚痴仲間が皇帝とはな、近頃は同志とまで思うぞ」
両陛下、笑いながらこんな話をされておられます。
「まあ、ここにさらに不幸な男がおる、他人の不幸は蜜の味、まあ、頑張れ、婿殿」
「国王陛下、ご自分の娘の話なのですが……」
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