94 / 102
第十四章 ご実家親睦会
お誕生日会PERT2
しおりを挟むそれにしてもジーナ女官長、ティーバッグの紅茶を一目見て、レイアさんが淹れたお茶を一口飲み、違うといったのです。
「これはティーポットで淹れるようには製茶されていませんね、どんな淹れ方が推奨されていましたか?」
……
「なるほど、ティーカップで淹れるものですか……早くお茶が出るのですね」
で、ご自分で飲まれたお茶のティーバッグを淹れておられました。
そして……
「美味しいですわ♪」
この後、カリス三姉妹をこき使って、美味しいお茶を淹れていました。
「大したものですね、さすがは王国と帝国の女官長さんです」
感心しきりのヒロさんでした。
誕生会は和気あいあい、エバさんの云う通り、皆さんケーキはおかわりをされました。
おかわりしなかったのはヒロさんだけしたね。
結局11個残ったようです。
「美味しかったですわね♪」
「少し残ったようね、いただいて帰ってよろしいかしら?」
「構いませんがどのように分けましょうか?」
すかさずジーナ女官長が、
「国王陛下と皇帝陛下にも、差し上げてはいかがですか?」
ゲルダ女官長も
「ジーナさんのおっしゃる通り、両陛下に3個ずつ、クリスティーヌ皇妃様、アイリス第一王妃様、マリア第二王妃様、ヒルダ帝妃様にお1つずつ、ではいかがですか?」
クリスティーヌ皇妃様が、
「つまり一人3個と云う訳ね」
「その通りでございます、両陛下は甘いものはそれほどではありませんので、一応形としては残り物となりますが、皆様方と同じでも、なにもおっしゃらないかと考えます」
たしかにそうですが、
「ケーキでよろしければ、別のケーキを用意してあります」
そう、●●トレー●さんの『キッズショート』というショートケーキ。
これ、案外に美味しくて、子供向きの甘いケーキなのです。
うさぎ、パンダ、とら、くま、の四種類の動物の砂糖菓子が飾ってあります。
「お一人様あたり4つ、陛下を含めて、皆様方の分、ご用意してあります」
「その上での先ほどのケーキというなら、妃殿下方が両陛下と共に持ちかえられた、という形になるかと思います」
「あら♪嬉しいわ♪陛下と食べようかしら♪マリアさん、そうしません事♪」
ということで、残った1個は、ヒルダ帝妃様がお持ち帰りされることに決まりました。
「ところで今回はさらに、贈り物というかお土産があるのです、貰ってくださりませんか?」
「まだいただけるの?」
「こちらです、余り数が採れませんでしたのでお一人一つで恐縮ですが」
「クレアさん、持ってきてくださりませんか?」
で、『グレートローズヒップ』が30個、テーブルの前に並べられたのです。
「これは……『グレートローズヒップ』?」
「さようでございます、ローズ・プラトー産です」
なんせ正真正銘、幻の果物ですからね♪
「ローズ・プラトー?たしか還らずの荒野の西側にくっついていた土地よね……でも、おかしいわね、昔の地震で道が崩落、畑も壊滅したと聞かされているけど?」
「根が残っていたようで、現在かなり復活しているようです」
「とりあえず、食べれそうなものを取ってきました」
アイリス様が、
「悪いけど、そこにあるもの、両国に半分ずつ下さらない、悪いようにしないから」
30個の『グレートローズヒップ』は、国王陛下と皇帝陛下への献上品となりました。
さらに、
「少し聞くけど、どれくらい収穫できるの?」
「調べましたが毎月250個ぐらい、ただ毎日パラパラと実るようですので毎日8個当たりのようです」
「では、明日になれば8個は手に入るのね」
「8個は計算上ですので確約できませんが、いくつかは収穫可能です」
ここでクリスティーネ様が、
「全量両国に卸していただけませんか?」
「それは構いませんが、少しは家用に残しておきたいのですが?」
「それは……そうですよね……わかりました、でも『グレートローズヒップ』はよそには出さないでください」
「ねえ、アイリス様、それでいいでしょう?」
「クリス様、そう致しましょう、ただ『グレートローズヒップ』はこの『親睦会』の扱いとしませんか?両陛下に認めて頂くのは少し骨が折れますでしょうが?」
「そうね、皇帝陛下は、私とヒルダさんがなんとでも言いくるめて見せますが、国王陛下は大丈夫ですか?」
「大丈夫と思いますよ、ね、マリアさん」
「確約しますよ」
この会話、怖いですよね……国王陛下も皇帝陛下も、『尻に敷いている』といわんばかりのお言葉ですよ……
結局、毎日実った物を私が収穫し、3個ずつ、王国と帝国へ治めることになりました。
メッセンジャ―ついでに、クレアさんとエバさんが配達してくれます。
卸値が一個50ランドです。
188
お気に入りに追加
559
あなたにおすすめの小説

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

Sランク昇進を記念して追放された俺は、追放サイドの令嬢を助けたことがきっかけで、彼女が押しかけ女房のようになって困る!
仁徳
ファンタジー
シロウ・オルダーは、Sランク昇進をきっかけに赤いバラという冒険者チームから『スキル非所持の無能』とを侮蔑され、パーティーから追放される。
しかし彼は、異世界の知識を利用して新な魔法を生み出すスキル【魔学者】を使用できるが、彼はそのスキルを隠し、無能を演じていただけだった。
そうとは知らずに、彼を追放した赤いバラは、今までシロウのサポートのお陰で強くなっていたことを知らずに、ダンジョンに挑む。だが、初めての敗北を経験したり、その後借金を背負ったり地位と名声を失っていく。
一方自由になったシロウは、新な町での冒険者活動で活躍し、一目置かれる存在となりながら、追放したマリーを助けたことで惚れられてしまう。手料理を振る舞ったり、背中を流したり、それはまるで押しかけ女房だった!
これは、チート能力を手に入れてしまったことで、無能を演じたシロウがパーティーを追放され、その後ソロとして活躍して無双すると、他のパーティーから追放されたエルフや魔族といった様々な追放少女が集まり、いつの間にかハーレムパーティーを結成している物語!
勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス
R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。
そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。
最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。
そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。
※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※

とある高校の淫らで背徳的な日常
神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。
クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。
後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。
ノクターンとかにもある
お気に入りをしてくれると喜ぶ。
感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。
してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる