もてない男の異世界ハーレム奮闘記

ミスター愛妻

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第十三章 家族円満 商売繁盛

岩塩ドーム

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 ヴァルベック辺境伯家の年収は240.8733万ランド……
 標準的な辺境伯家の収入は400万ランド、伯爵家あたりは300万ランド。

 せめて300万ランドは稼がなくっちゃ……
 でも、どうするか?

 人がいないから、生産といってもね……いや、まてよ……
 還らずの荒野の東側には浅熱水性金鉱脈がありますよね……東側は帝国領、といってもナーエ領なのですね……
 
 もともと海底……ひょっとして岩塩があるのでは?

 久しぶりに仮想タブレットのヘルプを使いましょう♪

 ヴァルベック領とナーエ領に採掘可能の岩塩はないか?

 すると、あったのです♪
 二か所ありました♪
 
 一つはヴァルベック領の東側、ナーエ伯爵領には構成する元男爵領と元騎士爵領のほかも、小ぶりの死火山のようなカルデラ盆地がいつくも隣接しています。
 その中の一つの地下にでっかい岩塩ドームが埋もれているのです。

 もう一つは南の王国側、第二王子の領地、グラハム侯爵領からヴァルベック領に入るただ一つの山道の途中に小さい盆地があります。
 ここは一応ヴァルベック領、例の植物魔物はいません、景色は還らずの荒野と変わりませんが、寒さが少しはましなのですね。
 ここにもナーエの物より小ぶりですが、でっかい岩塩ドームが埋もれています。

 どちらも人は住んでいません、というより住めないのですね。
 なんといってもね、この二つの盆地、かなり特殊な地形で乾燥しているのです、どちらもいわゆる寒冷地砂漠、水がね……
 なんでもヴァルベック領は、植物魔物がいるおかげで乾燥化は防げているようなのです、まあ、それでもいない方がよいのですが……
 
 私なら露頭させることが可能ですが……よく考えると、塩は政治が絡みそうなのですね…… 
 王国も帝国も内陸国なのです、一応領内に岩塩鉱山はありますが、必要量はとれません、つまり塩は自給できていません。
 南の海岸沿いの公国や、幾つかの小さい王国が集まった王国連邦から輸入しているのです。
 
 とりあえず、場所を見に行きました、久しぶりに『空飛ぶ家』の出番です。
 地面と、かなり上空の二か所に登録しておきました、ベランダからも眼下に見えますね……
 
 さて国王陛下と皇帝陛下に相談?してみましょうか……
 
 書簡を書いて……
「クレアさん、エバさん、この書簡、今日のメッセンジャー便で届けていただけませんか?」
「分かりました♪」

 翌日、リンデンハイムの館に、昼過ぎに国王陛下よりお呼びがありました。
 王太子殿下と王国宰相様が待ち構えて、根掘り葉掘り……

 急遽、皇帝陛下と内密に会談することとなりました。
「悪いが急ぎ皇帝と面談したいと思う、余の親書を渡してくれ」

 すぐに国王陛下の親書をもって、エバさんと皇帝陛下の控室に……
 エバさんに皇帝陛下を探してもらったのです、幸い執務室に居られました。

「ヒロ様、皇帝陛下がお越しです」
 エバさんと一緒にも皇帝陛下が一人でやってこられたのです。

「国王の親書は読んだ、余も同じことを考えていた、先ほど宰相と皇太子とで、話し合っていたところだ」
「いま、国王は呼んでこられるか?可能ならすぐにでも会いたいのだが」

 で、今度はクレアさんが国王陛下を呼びに行っていただきました。

 その間、今度は皇帝陛下より根掘り葉掘り……

「ヒロ様、国王陛下がお越しです」

「この部屋をお使いください、私は席を外しましょう、いまお茶を持ってこさせます」
「悪いがクレアを置いておいてくれ、宰相を待機させておるので、何かのおり宰相の意見を聞きたいのでな」
「なるほど、では当方もエバを置いて行ってくれ、宰相の意見を聞くべきだろう」

「ではクレアさん、エバさん、お願いします、お茶なども取り寄せてください」
「私は隣の302に居りますので、御用の時はお呼び下さい」

 結構長い会談でしたね……終わったのは三時を過ぎていました。 

 国王陛下が、
「ヒロ殿よ、虫のいい話だが、岩塩鉱山の採掘権を譲渡してくれぬか、鉱山のある場所はなんとか掘削が出来そうなのでな、その代わり借地代として毎年25万ランド支払おう、鉱山は国家が管理し、採掘は両国の御用商会に委託する」
「税などの一切は国として面倒を見る、ヒロ殿の口座に帝国と王国から毎年25万ランド振り込むことになる、安くて悪いが呑んでくれぬか?」

「大事な妻の実家の父上のお頼み、勿論喜んで採掘権をお渡しいたします、それと露天掘りが出来るように、上の土を取り除きましょう、日時を指定してください」

 皇帝陛下も、
「こちらの鉱山がある場所も掘削できそうなので、採掘権を譲渡してくれると助かる、塩は帝国にとってアキレス腱でな、何かと塩の価格で好き勝手されていたのでな、ナーエ伯には余になにか望みはあるか?少しぐらいなら考えるぞ、何なら末の娘あたりをやろうか?」
 
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