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第十一章 私、色事師ではないのよ!
面談は紛糾する
しおりを挟む高貴なご婦人が301号室でお茶を飲んでおられます。
皇妃様が、
「ヒロ殿、下の息子のメイド、引き受けてくれるのよね」
「話は聞きました、治療はいたします」
「治療して突っ返すのはなしよ、それ、最悪ですからね、なんといっても陛下が下賜とおっしゃっておられますからね」
第二王妃様が、
「なんの話なの?」
ゴニョゴニョ……
「なるほどね、ヒロ殿、突っ返すなんてのは、不敬になるわよ」
「いいじゃない、綺麗な奴隷、抱いてしまえばいいのよ、嫌がろうが何だろうが奴隷なのよ、『ご立派』なもので骨抜きにしなさいな?」
第二王妃様が、無茶をいいます。
皇妃様が、
「私は、あの三人を下の息子の愛人とするのは、難しいと思うのよ、あの子はあの三人に負い目を感じているようなのね、無理な願いを聞きかねないわ」
殿下はかなり善人といわれておられます。
正義感も強く、皇妃様の懸念は当たりと私も思います……
「そういう事で、ヒロ殿に下賜するわけなのね、エルザを見ていたら、あの三人をおとすぐらい、なんてことないでしょう♪」
「私、色事師ではないのですけど……」
「ヒロ殿の妻や愛人は理解しているようよ、ねえ」
「皇妃様、承知しております、ヒロ様はこのようにおっしゃっておられますが、内心は仕方ないとお考えです」
「あら、そうなの、ならヒロ殿、陛下からの下賜ですから、ありがたく受けてね、少し渋ったことは『ここだけの話』、二三日後には、世間は仕方なく受けたと思うでしょう」
この話、私の妻や愛人の前でするのですよ!
三日後に、元宮殿の女奴隷さんたちが、ここオルデンブルグのナーエ伯爵邸にやってこられたのです。
「ナーエ伯爵様、皇帝陛下の御命令で、お仕えさせていただきます」
顔が暗いですね……
三人の内、一人はミザリさん、12歳……殿下、こんなロリータをものにしたの?
カー騎士爵家の三女で、お父様が賭博に入れあげ、その挙句の帝都で博打打ちと乱闘、賭博の借金が高利貸しに渡り、娘を売るはめに……結果的に第二皇子殿下がお買いになったらしいのです。
この方、足を引きずっていますね。
一人はフランソワさん、22歳、えっ、元近衛隊の女性騎士、巨乳ですね♪
ローズ準男爵家の四女で、実家が税を滞納、その借金の為に売られることになり、第二皇子殿下がお買い上げ……
凛とした美人さんです、この方、片腕が動かないようです。
最後の一人はリンダさん、17歳、ビンガム騎士爵家の次女、といっても愛人の娘さんでしたが、こちらも家が傾き、借金のために売られたと聞きました。
お料理が上手のようです。
勿論、第二皇子殿下がお買い上げ……
顔に大けがを負っておられました。
三人とも、よく見たら、美人さんなのですね……
「覚悟はおありですか?」
「私どもを抱くとおっしゃるなら、どうぞご自由に」
フランソワさんが代表して、返事されました。
どうしたもんか……
思案しているとフリーダさんが、
「ヒロ様、まずはそのまま抱かれたらいかがですか?」
なんとなく眉間にしわが寄っているような……
エバさんも、
「覚悟はあるようですがフランソワさん、心を込めてヒロ様にお仕えできるの?」
「気持ちはわかるけど、いまの貴女は奴隷なのよ」
「あれ、エバさん、この方、知り合いなの?」
「私が結婚する前、警護をしていた方です、姉と慕っておりました」
「私が心より愛しているヒロ様に、あんな態度をとられると、心穏やかではいられません」
クレアさんが、
「ヒロ様、帝国貴族としてのナーエ伯爵としては、皇帝陛下の下されたこの方たち、抱くしかありません、皇妃様には申し訳ありませんが、そののち、治療されればよろしいでしょう」
「治療後、ジョージ会頭に訳をいい、カニンガム商会に奴隷として貸与、面倒を見ていただきながら、通いでこの屋敷を管理していただきましょう」
「これなら、皇妃様も納得されます、カニンガム商会は奴隷も取り扱っているようです、奴隷の管理はお手の物のはず、管理代はお安くしてくれるでしょう」
奴隷の管理ね……こんな話を出すという事は、クレアさんも穏やかではないのでしょうね……
エルザさんが、
「フランソワさん、たとえ治療が成功しても、第二皇子殿下の側にはおられませんよ、ヒロ様に心を込めてお仕えしなさい、それが最良の選択、散々後宮の争いを見てきたのでしょう?」
「このヒロ様のハレムは、皆さん、それなりの方ばかり、仲良く過ごしているのです、私たちは貴女達を仲間として迎え入れるつもりなのです」
「ヒロ様、とにかく三人を抱いてみてください、その後、また話をいたしませんか、クレア様、そうしていただけませんか、この方たちも状況は理解しておられるのです」
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