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第六章 異世界商品
ヴァルベック辺境伯のハレム
しおりを挟む執事さんが、
「人面瘡を治していただき、ありがとうございます、主ご夫妻が不在で、ご挨拶出来ませんが、治療費はいかほどお支払いいたせば、よろしいでしょうか?」
「1,000ランドです」
「1,000ランドですか?そんなにお安くてよろしいので?」
「構いませんよ」
で、1,000ランド支払っていただき、帰ろうとすると、執事さんがさらに聞いてきました。
「辺境伯様、お嬢さまのこの後は、なにか気にすることはございませんか?」
「人面瘡は闇魔法の一種で、誰かが呪いをかけているはずです、術者は相手の呪いたいところと同じ場所に傷をつけ、その血を人型になすりつけて呪うはずです」
「人型に、お嬢さまの髪とか、爪とかを貼り付けるのです」
「従って二度目があるかもしれません」
「ならば右胸に傷がある者が疑わしいと?」
「そうになりますが、誰でも傷ぐらい負うこともあるでしょう?」
「そうですね……分りました……このたびはありがとうございました……その、出来ましたら……」
「お嬢さまは、右胸にいささか大きめのニキビができていました、そうではありませんか?治療費1,000ランドなら、それぐらいでしょう」
「……ありがとう、ございました、では、お送りいたします」
執事さん、大変ですね……お嬢さま、執事さんにそっくりですよ……
私の脳内タブレットで検索したのですね。
私、見つめた相手の画像をタブレットに送信し、これを検索できるのを、最近知ったのです。
お嬢さまの画像を送信、『送信画像のプロフィール』をね。
すると、
マガタ商会会頭の娘、とありました。
で、今度は執事さんの画像を……
マガタ商会会頭とあります。
かなり詳しいプロフィールが付いていましたが、ようは『お嬢さま』は会頭の隠し子で、お屋敷は別宅……
闇魔法をかけたのはどうやら会頭の正妻さんのようですね。
まったく、ドロドロの愛憎劇ですね……
あぁぁ、嫌だ嫌だね……
館に帰ると、仲良く三人の奥さんが出迎えてくれます。
「ヒロ様、ご苦労様です」
「大変でした、はい、今日の『稼ぎ』です」
クレアさんに、1,000ランド渡し、
「ねえ、皆さん、つかぬ事を聞くのですが……その……三人で仲良く……してくださいね……」
「仲良くしておりますが、何かあったのですか?」
「いえね、人様の家の事なのですが、奥様同士の仲が悪くて……修羅場を見せつけられたものですから……」
皆さん、クスクス笑うのですけど……
クレアさんが、
「ヒロ様、普通はそんなものなのですよ、ハレムの中はギスギスしている物なのです」
「ただ私たちは、一度殿方で失敗している女ですし、『寵』を争っても疲れるだけと知っています」
「それにいがみあえば、夫は外に女を作るということも、理解しております」
メアリーさんも、
「マーガレット様も私も、クレア様のお陰でヒロ様に引き取っていただいたわけです、それに元々仲良くさせていただいていました」
マーガレットさんも、
「そうなのですよ、夜伽もクレア様が公平に配分してくださりますしね♪」
クレアさんが、
「前にも言いましたが、隠れてコソコソ女を作らなければ、別に愛人ぐらいなら何人作られようとも怒りませんよ、ただ私どもと仲良く出来る方にしてくださいね」
「出来ましたら、私どもがハレムの充実をはかりますよ、ねえ、マーガレットさん、メアリーさん」
マーガレットさんが、
「それは良いですね♪私どもが見繕って差し上げますよ♪取りあえず、ここにいる三人のメイドさんなんて、いかがですか?」
メアリーさんも、
「それは良いお考えです♪この方たちとは、仲良くしておりますし、ねえ、メイドの皆さん、ヒロ様の愛人になりませんか?」
なにを言い出すのですか!
「処女ではありませんが、私どもで良ければ……」
メイドさんも何を云いだすのですか!
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