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第六章 異世界商品
卸商売
しおりを挟む翌日、国王陛下の書簡をもって、いつもの三人のメイドさんがやってきました。
その書簡には、この館は王室の所有だが、王女の夫である、ヴァルベック辺境伯に貸し与える、よって、館の維持管理は所有者としての王室がする。
維持管理費は、地代年5万5千ランドに含まれるものとする。
派遣するメイドは、王家の所有する奴隷メイドだが、希望するなら売却してやる。
なんですかね……
「お父様、ヒロ様に領地の地代吹っ掛けた事、気に病んでおられたようですよ、お母さまが教えてくださいました」
書簡をクレアさんに見せると、教えてくれました。
「それから、メイドさん、奴隷だそうで、希望するなら売却してやる、とおっしゃっておられるのですが……」
「お手を付けられたら、売ってやるという意味ですよ」
平然と答えてくれるクレアさんです。
「でも困りましたね……この館、王室のものですから、むやみに治療院を開くわけには……いままで通りの出張診療するしか……」
「別にいいではありませんか、どうせヴァルベック辺境伯の者は、社交界には呼ばれません」
「ヒロ様の計算では80万5千ランドで家計を賄えばいいのでしょう?」
ここでメアリーさんが、
「年収は80万5千ランド、これは国に治める税を抜いての額と伺っています」
「収入の少ない男爵領ぐらいですよ、何とかできますよ♪」
平均的な男爵領の収入って、領地が50平方キロメートル、地代は1平方キロメートル当たり、1000ランドで5万ランド。
領民が2万人ぐらい、人頭税が14歳以上からなので税金対象が1万5千人ぐらい?税は一人当たり50ランドなので75万ランド。
商店への売上税とか領地の通行税とかは別ですけどね。
ただ国家へ納める地代が25ランド、領民が1万5千人分、一人当たり10ランドなので15万ランド……国にはこれぐらい支払います。
国への地代は大した額ではありませんが、領地の実入りは65万ランドぐらい……
最低でも、国へ治める税金分ぐらいは、売上税とか通行税とかで稼ぐようです。
軍役を考えたら、80万5千ランドは、『収入の少ない男爵領』と同じぐらいのようですね。
一応、貴族の端くれ?窓際貴族の収入……
それにしても人頭税ね……そういえば、私の領地の国庫に納める税は、こみこみの97万5千ランド、開発にあたり許可は不要ですが……
夜は極寒、魔物が徘徊する土地ですから……人頭税なんてね……
「まあ、いよいよとなったら、貯金を取り崩しましょう、私個人の貯金もあるし、神様からいただいた結婚のお祝い金もたくさんありますから♪」
マーガレットさんが、
「ヒロ様、お取り寄せなされるもので、売れるものはありますか?あるならお父様にお願いして、ドロア侯爵家に出入りしている商会に口を聞いていただきますが?」
「売り払っても良いと、神様のお許しはいただいています」
「ただ商会は、まずは自分で探してみます、私の為に口をきいたとなると、ドロア侯爵にご迷惑を掛けるおそれがあります」
?
「貴族の間では私の評判は良くないでしょう?そんな私の為に、口利きはね、ドロア侯爵は私に好意を示して下さる数少ない方ですから、お立場を尊重しなくてはね」
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