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第三章 嫁とり騒動PERT1

三人の訳あり妻候補

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「なにも無い土地が100万ランドですか……」
「だれも要らないというわけだ、それでも何とかするか?」
「少しだけ値下げをお願い出来ませんか?5万ランドほど」
「では中を取って2万5千ランド値引きしてやろう」

「97万5千ランドですか……何があっても値上げはありませんね」
「それは保証する、なんなら私の名前で公的文書を書いてやる」

「分りました、毎年97万5千ランド、国庫に納めますので、クレアさんを私に下さい!」
「ヒロ様♪」

「ほう、あのクレアが君の事をヒロ様と呼ぶのか?もう寝たのか?」
「いえ、お許しが無いうちは、そのような関係は避けようと話し合っていた物ですから……」

「律儀な男だな」

 というわけで正規で換金しても毎年996,450ランドの収入に対して、975,000ランドの支出♪
 21,450ランドの黒字なのですね♪
 お義父様?ごめんなさいね♪

「とにかく、こうなったら事は早くお願いします、神様から頂いた、『紫水晶の原石』をここで献上いたします」

 ヒロさん、収納から、あり得ないほどでっかい、アメシストの原石を取り出し、差し出したのです。
 何とも云えない気品と威厳が漂っている結晶なのですね。

 ……

「これを本当に献上するのか……隣の皇帝なら、未使用の姫を二三人はくれるぞ」
「陛下!」
「おっすまない、しかし驚いたわ……」
 案外に国王陛下、素は雑なのですね。

「ところで、クレアはやるとして、後はどうするのか?」
「えっ」

「一応、君は辺境伯となる、妻が一人ではな……といってヴァルベック辺境伯ではな……」

 第二王妃が、
「たしかに辺境伯ですから、三人は妻が必要でしょうね……ところで陛下、クレアの元夫、あの馬鹿侯爵はどうされるのですか?馬鹿には妻がほかにいるのでは?」
「そうか、其の手があったな、クレア、あの馬鹿の他の妻とはうまく行っていたのか?」
「メアリー様がおられますが、仲良くさせていただいていました、あの馬鹿はそれでも他所でコソコソと……」

「陛下、たしか馬鹿の寄子のリッチモンド子爵の娘さんですよ、かなりの代金を支払ったようですよ」
「そうか……あとで宰相と相談してみよう……一応聞くがクレアは構わないのだな?」
「メアリー様なら私は文句ありませんが……リッチモンド子爵が何といわれるか……」

 第二王妃が、
「クレア、国王陛下が考えられることですよ」
「出過ぎた事を……お任せいたします」
「それでも二人、あと一人……どうしましょうか……どこかに未亡人でもいないかしらね……」
「そうだ!一人宛があるわ♪クレアの従姉妹のマーガレットよ♪」

「マーガレット?ドロア侯爵の娘か、しかし修道院に行くと聞いていたが?」
「そうですよ、あの子、駆け落ちして捨てられたのですよ、ドロア侯爵、カンカンに怒って、相手の男を処分したようですが、あまりに外聞が悪いので、修道院に送ることになったのです」
「まだ醜聞は漏れていません、この際、ヒロ殿に拾っていただきましょう」

「ヒロ殿、クレア以外にメアリーとマーガレット、悪いが嫁取りの代金が支払えるなら、支払ってくれないか?」
「いちおう、余もだが、リッチモンドもドロアも体面があるでな……額は少なくて良い、正式に嫁取りという形式がつけば有り難いのだ」

「砂金でよろしいでしょうか?」
「構わんよ、どれぐらい出せるか?」
「私は相場がよく分りませんので、お教え願えませんか?」

「王妃よ、どれぐらいが適当なのか?」
「そうですね……傷物でなければ、公爵家の娘は75万ランド、あと順次、侯爵家の娘は50万ランド、辺境伯家なら30万ランド、伯爵家20万、子爵家15万ランド、男爵家10万ランドぐらいでしょうか」

 多分、王女は100万ランドなのでしょうね……
 あの地代はクレアさんを娶る為の、妥当な嫁取り代金と云う訳ですね……

「もっとも二人とも訳ありですから、半額ということでしょうね」
「マーガレットは25万、メアリーは7万5千、ただし訳ありなので身一つですが」
「愛するクレアさんとの結婚ですからね、女性にとっては大事なことなのは理解しております、傷物で無い額をなんとか調達いたします」

「そうか、クレアもそれで良いな、今度ばかりは出戻りはゆるさんからな、三人と仲良くせよ」
「ヒロ殿、確認するがクレアが正妻と考えて良いな」
「勿論です♪」
「ではクレア、正妻としてヒロ殿のハレムの管理をしっかりとせよ」
 
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