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第二章 元人妻のお供をすることに
王都リンデンハイムへたどり着きました
しおりを挟む夕食は『夏野菜トマトカレー』、さらに王都に着いた記念におかずも豪華にね。
『おいしいメンチカツ』、『白身魚フライ』、『ひとくちささみチーズフライ』の3種フライの盛り合わせ。
付け合わせは『ミックスサラダ』、ドレッシングは小袋で売っているサイトから、前にもここから取り寄せたものです。
ご飯はレトルト、何時もの4食で税抜350円の物ですね。
ウスターソースも100円でありますね。
「クレアさん、料理の仕方、覚えてくれたのですね」
「便利なものですね♪これなら、いくら料理下手の私でも、何とかなります♪」
やはりいつの間にか、『クレアさん』となっていますね。
「お風呂はいつもの温泉にしますか?」
「はい♪」
例の岩棚の温泉、座標を登録しましたから、いつでも入れるのです。
で、毎日、温泉に入っているのです。
雨の日もありましたが、100均の傘をさして入ったのですよ♪
もう互いに裸のお付き合い♪クレアさんのボイン、見放題です♪
……あぁぁ、このボイン、もうすぐ私のもの!明日、頑張らなくっちゃ!……
神様から、冷たいほうの小川の湧口も調べよ、と言われていましたので、調べたのですよ♪
湧き水は水晶の隙間から出ていたのですね……
紫水晶、アメシストの原石が山ほどありました。
とりあえず、手前にあったでっかい結晶を一つ、いただいておきました。
同じようなものが、ゴロゴロあるのですね……
紫水晶以外にも、黄水晶とかもあります、その中でも鮮やかな黄色のカナリーシトリンなど……でっかいのがありますね♪
そうそう、マディラシトリンと呼ばれるオレンジ色の水晶も奥に見えますね……赤水晶や青水晶、黒や緑までありますね♪
なんともカラフルで綺麗な事♪
クレアさん、肌が真っ白ですから、ネックレスにしたら似合いそうですね♪
それからですね、砂金ですが、全部攫ったはずなのですが、見ると、キラキラと粒が見えるのですね……
あとで神様からメールが来たのですが、毎日少しずつ流れ込んでくるようです。
大体一日あたり21グラムのようです。
「ヒロ様、今までありがとうございました……明日、本当に父上に申し込んで下さるのですね」
「必ず!妻にと、お願いいたします!」
「その……今まで言えなかったのですが、父上というのは……国王で……とても変わった方なので……腹の立つことをいうかもしれませんが、我慢してください……」
「大体は察していました」
「クレアさんの為なら、プライドなんてどこかへ捨てて見せますよ」
「いざとなったら、お父様には申し訳ないのですが、攫って逃げます」
「お願いしますね♪見捨てないでくださいね♪」
長々と明日の手筈を相談して、そして、朝がやってきたのです。
「ヒロ様、もうすぐ朝ですよ♪」
朝四時に起こされたヒロさんです。
朝食は簡単なトーストとコーヒー。
懐かしい高校時代の黒の学生服、その上にダッフルコートなんて着せられています。
靴も黒のローファの革靴ですね。
「ヒロ様、お似合いです♪」
「さて、打ち合わせ通りにお願いしますね♪」
「分かりました、クレア様♪」
王都リンデンハイムに入るには、城門でチェックがあります。
よくライトノベルにも書かれている『通行税』を取られるのです。
荷物はチェックされ、さらにものによっては税金がかかるようです。
私は王国第四王女、クレア・コートネイの従者、ヒロ・ミウラ、治療魔法士ということです。
出身は、このコートネイ王国のかなり東にあるミッドガルド、ここの住人なら、たまに黒目黒髪の者がいるようなのです。
魔法士は大体フードをかぶっており、ダッフルコートなら誰も疑わないようです。
ただ、治療魔法士は大変珍しく、確認の為に何かしらさせられるかもしれないとの事ですね。
「通行税は一人1ランドです、申し訳ありませんが、私が指示いたしますので、それに従ってくださいね」
お金は私が出すことになりました。
クレアさん、着の身着のままで逃げ出したようですのでね。
それにしても、無一文で還らずの荒野を抜け、リンデンハイムへ戻ろうとしていたのですから、蛮勇というか無謀ですね……
外に出ますと、まだ日は顔を出していなく、東雲(しののめ)と呼ぶべき空が、私たちを迎えてくれました。
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