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第一章 来客
空飛ぶ家?
しおりを挟むクレアさんが、お風呂に入っている間に、神様にいただいた各種の能力の取り扱い説明書なんてものが、仮想タブレットにありました。
さっそく、『収納の家』の説明書を読むことに……
「なになに、入った場所を登録しておける?」
さっそく、登録したヒロさんです。
一度登録すると、中から登録場所を指定できるのです。
つまり『収納の家』を経由すると、瞬間移動が出来るわけです。
「あれ、これは上手くすれば、便利じゃないの♪」
そこには、こう書かれていました。
戸外に所有者が感知できる場合、常に所有者を感知できる場所に存在する。
所有者が家に入った場合、最後に移動した場所に存在する。
「所有者を感知って、なにか私の身の回りの物でもよいかも?」
「これって、ひょっとして移動できるの?」
試しにシャツを紐でぐるぐるにして、さらに紐をつけて、玄関を開けて遠くに投げてみますと……
するすると紐を引っ張るようになり、『収納の家』の玄関前に、ぐるぐるにしたシャツがあります。
次に、棒の先に括り付けて、玄関から突き出すと、棒が後ろに動き、玄関前に棒の先があります。
「これって、移動できるの?なら、ひょっとして……」
今度は先ほどの棒を、玄関から斜め上に突き出すと……
『収納の家』は斜め上に動いたのです。
「宙に浮いている……」
そのまま、ぐるぐるにしたシャツを家に戻し、玄関を閉じて、再び開くと……
『収納の家』は宙に浮いたままでした……
「飛べるんだ!」
この後、色々確かめた結果、複数の所有者の身の回りを戸外に出すと、最後の物が優先されるようです。
さらに言えば、玄関を開けても、外からは何も入ってきませんが、中からは出せるわけです。
玄関は常に水平を保つようです。
「そういえば、どこかにドローンがあったような……」
事実、ドローンは未使用の物がありました。
手のひらぐらいのミニドローンで、初心者用ですが、20分の飛行時間、バッテリーは3個で、1個40分の充電時間。
「通販で衝動買いだったか……5,500円だったな……」
ヒロさんが、ドローンを探していると、クレアさんがお風呂から出てきました。
ヒロさんのルームガウンを着ていますが、その下は先ほどのブラとショーツのような……
「着ていた下着を洗濯したいのだが……」
「上着はいいのですか?」
「上着は明日、外に出るときに必要であろう?」
「それが……でなくてもいいようなのです……」
ヒロさん、かなり懇切丁寧に、家の移動方法を説明したのです。
「では、なにか?家にいたまま、この『還らずの荒野』を進めるのか?」
「どうやら、空も飛べるようですので、崖でも川でも進めると思います、現にいまこの家は宙に浮いています、見てみますか?」
「見せていただけるのか?」
「どうぞ、外は相当寒いようですが、玄関を開けても、外のものは一切入れないようですので、あけても問題は無いようです」
そうなのです、不思議なことに換気は勝手にされるようで、外気を取り入れようとする場合は、換気扇だけが取り込めるのです。
この換気扇、いつの間にか吸気と排気が出来る物になっていました。
クレアさんのために、玄関を開けると……
「確かに人の背丈ぐらい浮いている……かなりの風が吹き出しているが、ピクリともしない……」
「ヒロ殿、理解した、これなら『還らずの荒野』も抜けられる♪」
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