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第四章 サリーの物語 あるじ

03 ブリチャード式魔法エアーライフル

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 この街の名はリリータウンというそうで、私は家を一つ、もらいました。

 小さい家ですが、とても機能的で、食事はカタログという物から選択します。
 写真という絵の、横の番号を食堂にある機械に打ち込むと、それが出てきます。

 それを調理するのですが、ほとんど、温めれば食べられるようになっています。
 でもアリスさん、あまり説明してくれなくて……

 判らない食べ物が多いですね、時々アリスさんを捕まえて聞くと、教えてくれますが……
 この汚い色をした、チョコレートという物は……

 後で食べなかった事を、とても後悔したものです。
 でも当時は、口ではとてもいえない物に見えて……

 ある時、アリスさんが、見た事の無い物を持ってきました。
「サリーさん、これは武器です、多分、エラムの中では最強の物です。」

「サリーさんには、マスターがやってこられたら、お供をしてエラムの案内を、する事になります。」
「その時は、マスターを守らなければなりません、貴女はエラムでいうところの 鍵の守護者 なのですよ。」

 私が鍵の守護者……
 こんな私が伝説の……いえ、あり得ない、少なくとも私は、戦う事など出来ない、力もない……

「いえ、身体を再構成した時点で、貴女は類まれなる魔力が与えられています。」
「第四上級序列といわれる力で、いまのエラムの、最高魔法士レベルです。」
「その力なら、このブリチャード式魔法エアーライフルを使えるでしょう、私が教えます。」

 こうして私はアリスさんから、ブリチャード式魔法エアーライフルの使い方、魔法の使い方など色々教わりました。
 一年も練習しますと、私は自分でも驚くほどの力を身につけました。
 ブリチャード式魔法エアーライフルは、岩をも破壊出来ます。

 私が集中して、最大出力を絞り出す呪文、『ストロングアーマーイン』と、となえると、銃全体が赤く輝きだし、銃口の先にあるものは粉々に、それこそ跡形もなくなります。

 身体も敏捷で、しかも何かに守られているのか、アリスさんが投げてきた石など、身体に当たらないのです。
 ただし、不思議にリリータウン内では一切、このような事は起こりませんが。

 私が戦い方を身につけたと、認めてくれたのでしょう、アリスさんが、
「サリーさん、エラムを下見して来て下さい、マスターを案内するにも、世界を知らなければ、案内出来ないでしょう?」

 そうして私は、エラムを旅する事になりました。
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