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第六十九章 仮の宿

『ゆらぎ』はどうして生まれたのか……

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 大神様は、私の目の前に見せてくれていたのでは……
 シュレーディンガーの猫、量子の重なり、パラレルワールドとはそのような状態の世界。
 それが時の輪に、ぶら下がっているように、私には見えた。

 しかし幽子に時の輪は当てはまるのか?
 ラグナロク戦争のときに、きずくべきであった。

 幽子は破壊することが出来る……ならば最後はあるわけで、輪廻という時の輪は回る。
 ウイッチの皆様も、死を選ぶことが出来る……

 神(かみ)さりの大神様も、この世界から去るということは、自ら最後を選ぶことになりはしまいか……
 誕生、育成、破壊の循環、これを繰り返す原動力が利己特性……

 しかし、幽子は転生することが基本。
 破壊されることもありうるが、大多数は誕生、育成、破壊の循環を、幽子自身は影響されない。
 見え方が違う……

 見え方……

 『ゆらぎ』なのだ……時も何かしらの粒子の振動で形作られるとしたら……
 幽子が時の最小単位としたら……過去とはなにか……

 もし幽子が満ち満ちたものであって、『ゆらぎ』は波のように振動していったら、そしてその振動が魂としたら……振動が通ったものが過去、そして通り道が未来……

 ーーこのあたりはモーガン・フリーマン氏が出ていたナショジオの『時』を説明していた番組で、時の粒子についての解説に触発されました、その考えを利用して無理矢理にこのあたりを書いています、番組名やこの学者さんの名前は失念しました、申し訳ありません、作者ーー

 幽子は人の魂ともいえる。
 人の魂は普遍であり、その魂の波動が、世界の色を作っている……
 つまり幽子の『ゆらぎ』が、時を作り上げている……

 時の輪にぶら下がっているパラレルワールドは、それぞれに時が違っていた……時の重なり……
 どうあっても『ゆらぎ』が存在し、時が重なり幾多の時の輪が存在している……

 三千世界は『ゆらぎ』の世界……そして一種のエネルギー……
 『ゆらぎ』はどうして生まれたのか……

 この時の輪から離脱したと考えるならば……なにか三千世界のさらに外になにか……時の輪の外になにかが……
 『何者』かが別に有る……

 この私たちの三千世界の不変の真理、そして世界が維持されたのは利己特性なのは確か……それを定められた大神様は、神(かみ)さられた。

 『ゆらぎ』の世界の大神様となれば、一種のエネルギー体……
 ひょっとして、私たちの神は『何者』に引き寄せられた?
 会いに行かれた?

 この三千世界は不要なのか……

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