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第六十七章 テントの出来事

ダイティヤーは最高階級クインク様

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「なぜ?この世界はアスラのダイティヤー族、コータヴィーの世界、なぜ使いの人々が存在するの?」
 思わず呟いた美子さんでした。

 ペルペトゥアは余韻に浸りながら、主の呟きを聞いていました。
 聞いたことのない言葉では在りましたが、ダイティヤーという響きに、
「ティアマト様、ダイティヤーとおっしゃっておられましたが、なにかご懸念でもおありなのですか?」

「ダイティヤーを知っているのですか?」

「このカタカムナの最高階級、クインク様のことですが、ティアマト様はご存知と思っていました」

「なぜそう思うの?」

「ティアマト様は黒髪であられます、私はクインク様にはお目通りしたことはありませんが、クインク様は黒髪とお聞きしております」
「この世界、クインク様以外には黒髪はいないのです」

「だから貴女は、私の『夜の奴隷』になりたかったのね?」

「いえ、私は心の底より、従わねばとおもったのです」
「ティアマト様がクインク様でなくても、私は『夜の奴隷』です」
「ティアマト様が終わりの時を迎えられたときは、必ず私も終わって見せます、どうかお信じください」

「信じますよ、もうこのような関係ですからね」
「ペルペトゥアの痴態も見せていただいたし、どこまでも私に従ってもらいます」
「そうですね、信頼の証として、私のことを語りましょう、まあ其の前に服を着て、食事を取りませんか」
 
「まず下着はこれを着てね」
 と、モンスターシルクで作られた戦闘用下着をペルペトゥアに渡した美子さん、説明しながら着せています。
 ペルペトゥアから色っぽい声が聞こえます。

「さてペルペトゥア、命令です、この貞操帯についていたナイフで、胸を突いていただきます」

「……それは……分かりました、短い間でしたが、私は幸せでした」
 ナイフを受け取るや、胸に突き立てたのですが……

「勘違いしているようですが、その下着の強度を確かめてもらいたかったのですよ」
「ナイフなど通らないでしょう?それは戦闘用の下着なのよ、ごめんなさいね、言葉が足りなくて」

「いいえ、良くあることなのですから」
「良くあること?」
「不要になった『夜の奴隷』は死を命じられます」
「これから言葉に気をつけるわ」

「ティアマト様、出来れば……貞操帯を……」 
 美子さん、例の貞操帯を手に取ると、ペルペトゥアに装着しました。

 そして二人は、分厚い毛皮の服を着込んだのです。

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