11 / 108
第六十二章 ミリタリーの諸問題
安い唐揚げ
しおりを挟む「そろそろお昼ね♪」
「先ほど『キャロブチョコドリンク』と、『にがり草パン』をお食べになったところですよ?」
「お茶にしては、『にがり草パン』を幾つもお召し上がりでした」
「あれ?『にがり草パン』は、おやつではなかったの?」
「白々しいですね、立派なお食事です!」
マレーネさんが、
「サリーさん、まぁいいではないですか、マスター、食事にしましょう」
「私はマスターの手料理を食べたいですね、『焼きうどん』などを所望します」
「なぜ『焼きうどん』なの?」
「この間、蓬莱ステーションに行ったのですが、『油揚げ専門店コン太』という店が開店していまして、そこで『きつねうどん』というものを食べてみたのです」
「以来『うどん』にはまって……で、小耳に挟んだのですが、マスターが良くおつくりになる、『焼きそば』のうどん版があると、この機会に是非食べてみたい♪」
「マレーネさんでも、そのようなことを、いわれるのですね」
「いけませんか?」
「いえ、この頃お変わりになられたように、見受けられまして」
サリーさんがくすくすと笑っています。
「そういえば作ったことがありませんね……作って見ますか?」
「お嬢様、ならば私は『そば飯』というものをお願いします!私も富田さんより聞いたことがあり、興味があるのです」
「いいわよ、ついでだから『焼きそば』もつくってあげましょうか?」
で、目の前にでっかいホットプレートを取り出したのです。
「マスター、異空間倉庫に、そんなものを収容しているのですか?」
「ほとんどの私物はここに入れています」
とにかく『焼きうどん』と『焼きそば』と『そば飯』などを作っているミコさん。
やはりというか、鉄板に山が出来ているような……一人当たり、種類ごとに一人前はありますね。
「どうぞ、ご遠慮なく」
「相変わらず『焼きそば』はおいしいですね」
「でもこのお肉はチキンですか?もう少し良いお肉を入れたほうがいいのでは?ケチったのではありませんか?」
サリーさんのきつい一言です。
「だって、ビーフは高いのですよ!これ大豆蛋白から作ったお肉なの!この間つくり置きしておいたものなのよ!単価はべらぼうに安いのですから!」
「えっ、これは鶏肉じゃないのですか?」
ヘレンさんの驚くこと……
「私もチキンと思っていましたが、大豆ですか……これ、から揚げにしたら本当に分かりませんね」
「それね♪この間、チキンコンソメとブイヨンを作ってみたのよ」
「この特製チキンコンソメを、大豆肉用粉末に混ぜて唐揚にしたらおいしかったの、で、形にして異空間倉庫に放り込んでおいたのよ」
「どのようにしておつくりに?」
「チキンコンソメは、鶏がらからエキスを抽出するのだけど、上手く骨髄の成分と同じものを作り出せたのよ」
「ビーフとポークは、まだまだ味としては上手く出来なくてね、生体を使えばいいのでしょうが、それは避けたい、まぁ私の、暇つぶしみたいなものなのですけどね」
妙に感心しているマレーネさん、
「その唐揚もいただけますか?」
で、喜んだミコさん、これまた山のように唐揚を揚げてきました。
「これ、各地の婦人戦闘団員が喜びますよ」
「婦人戦闘団の女たちは、近頃は宇宙艦隊に乗り込んでいます」
「艦隊勤務のとき、あまりお肉は食べられませんからね」
プラネテスのマニッシュ婦人戦闘軍は、カラミティ航空宇宙軍の輸送艦隊によく乗るのです。
先頃、どこかの銀河にお住まいの種族が、プラネテスの輸送艦隊を攻撃してきたことがありましたが、揚陸戦になり、ナノマシンを放り込んで、マニッシュ婦人戦闘軍のご登場となった事件がありました。
三軍統合司令部の見解では、このようなことがこれからも起こると予想されますので、カラミティ航空宇宙軍のてこ入れが決まったのです。
最精鋭の揚陸戦部隊、ヨミの黄泉醜女(よもつしこめ)を、毎回動員するのは、ほめられませんからね。
マニッシュ婦人戦闘軍って強いのよね。
もうすぐ、デーヴァの婦人戦闘団も編成される予定です。
ここも強いのでしょうね。
そんな話をしながら、ワイワイとお昼を平らげ、本日予定の決裁案件を処理し、ヘレンさんを散々に乱れさせて、エラムウイッチリゾートを後にしたのです。
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
淫らな蜜に狂わされ
歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。
全体的に性的表現・性行為あり。
他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。
全3話完結済みです。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる