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第四章 志玲の物語 交渉術

偽電話

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 会議の雲行きが、ここから変わっていきます。
 交渉相手が寵妃と分かった以上、この交渉がかなり危険なこと、もし寵妃に恥をかかせれば……ナーキッドがどう出るか……

 自らの立場がそれこそ、『薄氷を履むが如し』なのだと思ったようです。

 しかも寵妃と交渉が決裂し、うまくミコ様が怒らなくても、次はウェイティングメイド……

 四級市民など、ウェイティングメイドにとっては面倒なだけ。
 ナーキッドを使い、あっさりと解決してしまうのは明白……そう思っているでしょう……
 忍様が可愛そうですね……優しいのにね。

 でも、これでうまく誘導できそう……ミコ様も忍様もごめんなさいね……
 気の毒な人々の為に、泥をかぶってくださいね♪

 三級になれるかもしれない……しかしその為には、特権がなくなるかもしれない……代表たちはあちらこちらで話をしています……

 あれほどいがみ合っていたのに、利益が同じとなったら、いがみ合いも消えるようね……

「私からの提案ですが、皆さんがそのまま領主となられればどうですか、皆さんの今の社会体制は、一部の貴族の独裁体制……それを認めましょう」
「その代り、ナーキッド、いえ、ミコ様に忠誠を尽くす、それでどうですか?」

「我らが領主、それを認めてくれるのか?」
「確約はできませんが、私が直接ミコ様に掛け合ってみます、多分……私への処罰ぐらいで通るでしょう……」
「感謝します……我らは最大限……努力いたします……寵妃志玲様」

 志玲はその場に有った、電話なるものでウェイティングメイドの忍に連絡します。
「忍様、志玲です、そうです、お叱りはごもっともですが……大陸の方々の……そうです……」

「なんとか、ミコ様に……はい……責任は全て私がとります……」
「そうです……鞭打たれてもかまいません……だから、何とか……そうですか……ありがとうございます」

 わざわざ、中国語で電話した志玲でした。

 次にかけた電話は、ニライカナイにつながります。
「ミコ様、志玲です……お願いがあります……テラの東アジア、大陸の方ですが……なんとか二十地域の、今の支配階級の領主化をお認めに……お叱りはいくらでも、この志玲が受けます」

「はい……どのような事でも……できましたら……その……三級に……そうです……」
「必ずミコ様の為に……はい……それは必ず守らせます……誓約を守らぬ場合は……はい、それなりの対処を……綺麗に更地に……仕方ありません……」

「そのように伝えておきます……特例でお認めに……ありがとうございます……謹慎……はい、承りました」

 志玲は代表団に向かって言いました。

「聞こえたでしょうが、認められました、ただし条件があります、認める以上、忠誠を尽くすこと……」
「皆さんはミコ様の所有であることを、徹底的に知らしめること、このことを誓約してもらいます」
「もし違約すれば……大陸には一人として、人間は居なくなりますよ、このことはミコ様がはっきりと、いわれました」

 そういって、代表団を見まわしました。
 しばしの沈黙の後、「誓約いたします」と、一人がいいました、すると次々と続きます……
 意外と簡単に終わったわ♪
 
「それでは、方法論の討議をいたしましょう……」
 この後はトントン拍子、でも忍様とミコ様からは、えらく叱られたようです。

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