37 / 58
第四章 志玲の物語 交渉術
偽電話
しおりを挟む会議の雲行きが、ここから変わっていきます。
交渉相手が寵妃と分かった以上、この交渉がかなり危険なこと、もし寵妃に恥をかかせれば……ナーキッドがどう出るか……
自らの立場がそれこそ、『薄氷を履むが如し』なのだと思ったようです。
しかも寵妃と交渉が決裂し、うまくミコ様が怒らなくても、次はウェイティングメイド……
四級市民など、ウェイティングメイドにとっては面倒なだけ。
ナーキッドを使い、あっさりと解決してしまうのは明白……そう思っているでしょう……
忍様が可愛そうですね……優しいのにね。
でも、これでうまく誘導できそう……ミコ様も忍様もごめんなさいね……
気の毒な人々の為に、泥をかぶってくださいね♪
三級になれるかもしれない……しかしその為には、特権がなくなるかもしれない……代表たちはあちらこちらで話をしています……
あれほどいがみ合っていたのに、利益が同じとなったら、いがみ合いも消えるようね……
「私からの提案ですが、皆さんがそのまま領主となられればどうですか、皆さんの今の社会体制は、一部の貴族の独裁体制……それを認めましょう」
「その代り、ナーキッド、いえ、ミコ様に忠誠を尽くす、それでどうですか?」
「我らが領主、それを認めてくれるのか?」
「確約はできませんが、私が直接ミコ様に掛け合ってみます、多分……私への処罰ぐらいで通るでしょう……」
「感謝します……我らは最大限……努力いたします……寵妃志玲様」
志玲はその場に有った、電話なるものでウェイティングメイドの忍に連絡します。
「忍様、志玲です、そうです、お叱りはごもっともですが……大陸の方々の……そうです……」
「なんとか、ミコ様に……はい……責任は全て私がとります……」
「そうです……鞭打たれてもかまいません……だから、何とか……そうですか……ありがとうございます」
わざわざ、中国語で電話した志玲でした。
次にかけた電話は、ニライカナイにつながります。
「ミコ様、志玲です……お願いがあります……テラの東アジア、大陸の方ですが……なんとか二十地域の、今の支配階級の領主化をお認めに……お叱りはいくらでも、この志玲が受けます」
「はい……どのような事でも……できましたら……その……三級に……そうです……」
「必ずミコ様の為に……はい……それは必ず守らせます……誓約を守らぬ場合は……はい、それなりの対処を……綺麗に更地に……仕方ありません……」
「そのように伝えておきます……特例でお認めに……ありがとうございます……謹慎……はい、承りました」
志玲は代表団に向かって言いました。
「聞こえたでしょうが、認められました、ただし条件があります、認める以上、忠誠を尽くすこと……」
「皆さんはミコ様の所有であることを、徹底的に知らしめること、このことを誓約してもらいます」
「もし違約すれば……大陸には一人として、人間は居なくなりますよ、このことはミコ様がはっきりと、いわれました」
そういって、代表団を見まわしました。
しばしの沈黙の後、「誓約いたします」と、一人がいいました、すると次々と続きます……
意外と簡単に終わったわ♪
「それでは、方法論の討議をいたしましょう……」
この後はトントン拍子、でも忍様とミコ様からは、えらく叱られたようです。
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子
ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。
Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
隣の席の女の子がエッチだったのでおっぱい揉んでみたら発情されました
ねんごろ
恋愛
隣の女の子がエッチすぎて、思わず授業中に胸を揉んでしまったら……
という、とんでもないお話を書きました。
ぜひ読んでください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる