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第二十五章 滅亡の始まり

皇帝は度量がおあり

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 マレーネさん、困ったことになったわ、どうしましょう。
 頭の中に、マレーネさんが語りかけてきました。
「マスター、皇帝は度量がおありのようです」
「ここは一つぶちまけてみますか」
「例の死神をお出しください、あれは人の恐怖を呼び起こす、根源的な恐怖を具現化した物」
「おそらく怯まない者はいないはず、その上でテラの直面する問題を開示してみましょう」

「それらに耐えて、交渉を続けられるなら、皇帝は傑物です」
「いっそナーキッドの最高幹部会にご招待しましょう、オブザーバーあたりなら、誰も文句はないでしょう」
「テラについて共に考えましょう」

 私は死神を出しました。
「私はルシファーとも呼ばれています、これは掛け値なしの死神、私に仕える者です、力の差を知ってもらいましょう

「さて皇帝陛下、私の見る所、このテラはこのままでは救えない、56年後には確実にテラは消滅する、それは私の力でも何とかできる」
「しかし、人の心、とくに人類をここまで成長させた、利己特性という遺伝子に組み込まれた、人の本質が問題なのです」

「これを克服しない限り、今の危機を回避したとしても5年もたてば別の危機が来る、そして人口もテラの許容範囲を大幅に超過している、自然と淘汰がおこる、それは避けられない」

「ここを乗り越えるベストは、利己特性の克服、最低でもモラルでこれを克服出来る人たち……人類がそこまでの高みにたどりつけなければ滅亡の口に落ち込むでしょう」

「そして利己特性を克服出来ないとなれば、利己特性を弱めるしかありません、男女の比率を女性優位にすると、破壊的な利己特性は薄められると出ています」
「ハンマーとは、そういう意味です」
「日傘を望まれても、ハンマーは避けられない、ひょっとするとハンマーはテラ自身が振りおろしているかもしれません、環境汚染などにその兆候が見られます」

「ロシアは中国に対して、先制核攻撃を計画しています、もしそんなことになれば、放射能汚染により中国大陸は人が住めなくなるでしょう」
「しかも放射能汚染です、どのような影響があるか、間違いなしに染色体異常が出るでしょう、それが必然なのかもしれませんが……」

 死神が側にいるのに、真っ青になりながらも皇帝は、
「その計画は廃棄させた、売られた喧嘩ならば買いもするが、先制核攻撃はよろしくない」
 と、いいます。

「それでは軍部の不満がたかまりませんか?」
「覚悟している、政府も私の弱腰をなじっている」
「しかし、私には億の人間を殺す命令は出せない、クーデターが起こったとしても、私が退位すれば済む話、人はあまり死なない」

 なるほど……この人は皇帝というだけの事はありますね……
 こう言っては何ですが、利用価値はあるようですね。
 皇帝には協力してもらいましょう、人類の生存の為に……

 ナーキッドがロシアに展開すれば、少しは軍部の不満もおとなしくなるでしょう……
 時間稼ぎにはなるでしょうね……

 その間に準備しましょう、出来る事すべて、もちろんニコライ4世には働いてもらいますが……

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