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第二十二章 最後の夏が来る前に

Re屋形船大宴会 其の一

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 木曜は サンセットクルーズ がメインです。
 この日だけは学校が終わると、皆、タクシーに分乗してダッシュで帰ります。
 三時半にはバスが待っていますので……

 着替える時間もありませんので、そのまま女学校の制服です。
 学校側には許可を取っていますが、そのおかげでボロばれです。

 船は日の出埠頭からでましたが、やはりというか、帝国海軍の哨戒艦艇が、東京湾を厳重警戒しています……
 大変な騒動です、埠頭には近衛師団の装甲車が出動する始末……

 まぁ船がいっぱい見えますので、いいのでありますが……ここは軍港なのでしょうか?

 でも、優雅に食事をしています。
 軽いフランス料理のようですが、今日はアナスタシアさんとジジさんとミレーヌさんと同じテーブルです。
 優雅ですね、上品もここまで来ると圧倒的、近寄りがたいものがあります。

 エラムの現状を事細かくききました、概ね順調……
 このテラにある、必要な技術などをピックアップしておくようにお願いしておきました。
 この三人なら、エラムで使える有意義な技術などを探しておいてくれるでしょう。

 金曜は 江戸の風流 屋形船 和食、飲み放題 となっています。
 今日は正念場かもしれません、飲み放題ですから……
 ビクトリア、小雪、深雪、ダフネ……間違いなしの酒豪でしょうし……アテネとアリスが飲めませんが、この二人、隠れて飲まないか心配です……

 六時にバスがきます、今日は特に豪華ですよ……
 屋形船を一隻貸し切りにし、深川芸者さんを十名ほど呼んでいます。
 しかも料理は倍額を出しています……時間も二時間ほど延長しています……
 要するに大宴会です、カラオケまでありますし……

 別に、はとバスツァーでなくとも、いいような気もしますが、直に頼めば……まぁ面倒ですし……でも次回は直接頼みましょう……
 外人さんに、屋形船は好評でしょうし……

 大変な大宴会になりました。
 ビクトリアさんと小雪さん、深雪さんとダフネさんは当然ですが、雪乃さんが物凄い酒豪と判明しました。
 公爵令嬢ですよ、この方は……

 しかも聡子さんのカラオケ好きも判明、ど演歌を歌うのですよ。
 雰囲気にのまれて、皆さん、歌うわ歌うわ、楽しいですね……
 ナオミさんまで、スキヤキソングを歌っていました。

 私はというと、上海リル、銀座の恋の物語、国境の町……古いですか?
「年は幾つですか?」
 六条晶子さんが失礼な言葉を吐きます。

 なら、これではどうですか?
 『手紙』という曲を持ち出しましたら、ふ・る・い・の大ブーイングが出ました。

「仕方ありませんわ、私がご指南いたしましょう、ミコ様、ご唱和下さいね」
 と、聡子さんが云いますので、マイクを持って待機をしていますと、ながれてきたのは 愛は傷つきやすく という曲……

 デュエットするのはいいのですが、手紙とどこが違うのですか?
 案の定、ふ・る・い・の大ブーイング……
「年は幾つですか?」
 と、云って差し上げました。

 エッダさんが、エーデルワイスを持ち出しました。
 サウンド・オブ・ミュージックで流れた、名曲中の名曲……
 エッダ・ハプスブルグ・ロートリンゲン嬢が歌うと、洒落になりません。
 似合いすぎるというか、オーストリアの美貌の少女が、華麗に歌っています、誰もが聞きいってしまいました。

 これに刺激されたのか、ティアさんがドレミの歌を歌います、映画の場面のように可愛くシナを作って……
 私もこの流れに乗りましょう、なんといっても一つ残っていますから……

 私のお気に入り、MY FAVORITE THINGS、ジュリー・アンドリュースが唄っていました、物凄くうまかったのを覚えています。
 オリジナルの歌詞でうたいました、やはりいいですね、この歌大好きですよ。
 
 その後も出るわ出るわ、清女さんたちがお座敷小唄を歌いますと、深川芸者さんがあわせて踊ってくれました。
 これで確実に盛り上がってしまいました。

 祇園小唄が綾乃さんから出ました、ヤットン節なんてのも出てきます、通ですね……梅香さんが唄っています。
 深川芸者さんがバックで踊ってくれています。
 のってくれています、絵になり過ぎ怖いぐらいです。

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