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第十五章 オディール女学館
ナーキッドの現状 其の一
しおりを挟むニューヨークでナーキッドの会合が行われていました。
「当面のナーキッドの事業については、どうなっている」
と、ネイサンさんが聞いています。
「マグマ発電の画期的な成功で、アイスランドからの電力は莫大です」
「衛星による送受電システムも完成し、アイスランドには電力を投げ売りの価格で供給しております」
「また法王領には、必要な全電力を無料で供給しています」
「アイスランドからの膨大な余剰電力は、送受電システムのロスを差し引いても、格安で無尽蔵に電力供給出来る状態です」
「またアメリカの地熱発電も順調です、これだけでも十分に、アメリカの必要電力量は賄えます、それも格安です」
「初期投資費用を含めても、マグマ発電と地熱発電を併用しての供給単価は、概ね化石燃料発電の約二割です」
「供給体制は、アメリカとヨーロッパはアイスランドと法王領を除けば、イギリス、フランス、ドイツにこの格安電力を供給しています」
「単価が激安ですので、この電力事業は、莫大な利益を上げています」
「また電力を供給している国々の経済力は、劇的な競争力をつけています、つまり英米独仏で、世界の工業を支配しかけている状況です」
「これで日本が入れば、世界をこの五カ国で支配出来そうな状況です」
「そこからあがる電力使用代金は、世界の富を支配出来るほどの額になりつつあります」
電力担当役員の報告が終わりました。
次に医療装備担当役員が報告します。
「最高幹部会よりお預かりしました、あの造血装置を使い各種の血液を大量生産しています」
「それより製造される血液製剤なども、大量販売しています、南にも医療援助として、格安で供給しております」
「物凄く安く作れますので、大量販売をしており、結構な利益を上げています」
「しかしこんなに安いのに、支払出来ない国が増えています、これについての対策に苦慮しています、いかがいたしましょう」
「代わりの物を、物納で受け取ること、赤字にならないのならどんどん売ればいい」
「物納は食料品など、何でもあるはずだ」
「ところで、そのような国の人口はどうなっている?」
「死亡率が減少しています、人口は増加基調とのことです」
「ナーキッドは人類の幸福に、貢献しているということになるな……」
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