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第三十四章 惑星ネットワーク

いよいよアメリカからも移住が始まります

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 新たな八つの惑星に送り込んだ軍政司令官から、報告書が来ました。
 概ね歓迎されていますが、虫どもに食糧として家畜同然に支配されていた為、人口過疎の世界となっているようです。
 しかも文明が退化しているようです。

 もともと、古代同然のフィアナの二つの衛星、サヴァとニアヴはそのままのようですが、プレオネの三衛星は酷い状態です。

 かなり長い間、家畜同然に飼育された世界、それを受け入れ、当然とする事が遺伝子までに浸みこんでいるようです。
 自主自立の無いことは、エラムより酷いようです。
 当面は姉ではありませんが、放置しておく事を命じます。

 惑星アールヴヘイムンは、近代まで進化した文明を持っていて、虫に対して一致団結して抵抗していたようですので、軍政を解除して、自治を認めたいとのことでした。

 これに対しては、自治能力があるか見極める事、それまでは治安維持の観点から、軍政解除は認めない、と返事しておきました。

 惑星ニンフは、かなり特異な種族の世界でした。
 中世程度の世界で、惑星フェアリーと同様に小さい人々が住んでいますが、肌の色が青系統なのです。

 もともと光がすこし乏しいらしく、メラニン色素がうすい白色の肌の人種ですが、全土に銀が豊富に転がっており銀沈着症となっています。
 とくに女性は、綺麗な紫から青の系統の肌の色合いとの事です。

 エラムより男女差の比率がいびつで、女性が七割、完全な男尊女卑で、女性は奴隷として売り買いされているとのことです。

 虫どもは女を購入して、喰っていたようです。
 ここも取りあえずは、その食糧生産牧場?を廃棄し、後で視察に行きますので、完全に統制化に置く事を命じました。
 この忙しい時に、反乱などは禁物ですから、新しくいただいた惑星にも、ナノマシンを放り込んであります。

 十月下旬、秋晴れの中、
 アンドロメダ座方面のニンフ線、
 てんびん座方面のフェアリー線、
 エリダヌス座方面のアールヴヘイムン線、
 とも座方面のフィアナ線、
 ほ(帆)座方面のプレオネ線、
 以上の五つの支線が開通、ステーションDに接続しました。

 さらに前倒しで、アメリカのホットスプリング・ナーキッド・ゲーテッドコミュニティの地下ステーションが完成。
 いよいよ本格的に、アメリカからも移住を開始します。
 もっとも資格のある、希望する人々だけですがね。

 ホットスプリング・ステーションは、地下にありシェルターにもなっています。
 緊急時、人を万単位で、収用出来るでしょう。

 ホットスプリング・ステーションの完成に対しては、この頃は堂々としたものです。
 盛大に完成の祝典をしています。

 私はこのニュースを東京で見ています。
 オディール女学館でもこの話題で持ちきりです。

「ねえねえ、アメリカにも、火星へのステーションが出来たようですね」
「ヨーロッパでも、多くの人が移住を始めているとか?
「あのナスターシャロシア大公女が、ナーキッドオーナーの我妹子(わぎもこ)になったとか」

「イギリスのエステラ王女、フランスのブルボン家のジャンヌ姫、ドイツのホーエンツォレルン家のアンネリーゼ姫も、ナーキッドオーナーの我妹子(わぎもこ) 」
「北欧四カ国とアメリカ、カナダはどうするのでしょう?」
 
「それより日本はどうなるのでしょう、火星に移住出来るのでしょうか?」
「それにナーキッドオーナーの我妹子(わぎもこ)になった方って、聞きませんが、二人いるとの事……誰でしょう?」

 かしましい話が飛んでいます、まだ華宮さんや高倉さんの事は、公表されていませんので、日本全体が疑心暗鬼なのです。

 久しぶりに、華宮さんのお父様、華宮公爵からお電話をいただきました。

「出来ましたら、ナーキッドオーナーとして、直に日本についてのお考えを、国民にお話し願えませんか?」
「日本全体に不安が渦巻いていますので」

「アイスランドで行ったような会見で、よろしいですか?」
「もしよろしければ、ミコ様がナーキッドオーナーと判るようにしていただければ幸いですが」

「鈴木順五郎さんと華宮公爵ご自身が、私と一緒に、記者会見に出ればどうですか?」
「鈴木順五郎氏は、ナーキッドの最高幹部と世界に知れています、華宮公爵も同席されれば、ナーキッドと日本の共同会見と知れるでしょう」
「そう願えれば、いう事はありません」
「さらにお願いしたいのですが、例の軍服と菊花章と大元帥佩刀を黙って着ていただければ、軍部も一切の文句はいわないと考えます」

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