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第3部 邪神乱舞
【7章】80話 帝釈天様登場
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ある所で聖天様が、こんなことをいわれていた。
「エーリュシオンという世界、どうなっているのか?」
「そもそも邪神どもを閉じ込めたと、聞いている世界なのに、お前がなにやら『ちょっかい』を出していると、小耳にはさんだのだが?」
「『ちょっかい』とは心外だ、『名をはばかる方』のお考えに従っているだけだ。」
「従っている?よく言うことよ、楽しんでいるのだろう?」
「まぁ、そういわれれば否定はしない、その『ちょっかい』をかけている者が、なかなか面白い奴で、ついつい構ってしまうのだ。」
「その者、なかなか立派な生涯に感心していたのだが、イルマタル・ロイスターと名乗っているとか、なぜ望んで女になったのか?」
「本人が『静かに心豊かに』と望んだ結果だ」
ここで聖天様と相対して、話をしている存在が噴出した。
「『静かに心豊かに』と望んだ結果が、あの街か?真逆の結果であろうが?」
「本人は真摯にそう望んだのだ、ただ人間とは面白い、深層では肉欲を否定できないようだ」
「ただそうはいっては、博愛も過剰に持っている」
「『名をはばかる方』は、その者の本質を眺められ、これを『良質』とご判断なされたと、私は考えている」
「それに 『ちょっかい』をだし、その結果が予想外の結果となることを、喜ばれている」
「そうか……『名をはばかる方』がな……良き事かな」
そのような会話が交わされ、聖天様は消えていかれた。
「聖天はああいったが、あやつはそもそも歓喜天、障害を除いて財福をもたらす神、そして愛欲和合の神」
「『名をはばかる方』は、エーリュシオンという世界で、自らおつくりになられた人の『欲』の可能性を、確かめたいのではなかろうか……」
「なら私も確かめてみようか……あの者を気にかけたのは、私もだからな……」
「エーリュシオンなどどうでもいい世界、だから邪神どもに投げ与えられたのだ、私も『ちょっかい』を出してみるか?」
聖天様と相対して話している存在も、このような独り言いいながら消えていった。
……四人の阿修羅に命じて、邪神を発生させたのだが、いささか哀れでもあるな……
帝釈天も頭が固いことよ、あの者に好きにさせて、このエーリュシオンがどうなるか、私にも娯楽が必要なのだ。
見ていて楽しいではないか……
聖天が楽しんで『ちょっかい』をだしている。
邪神どもからにじみ出る『気』が、固まって『悪』が生まれ出る、しかしその『悪』に、人の『欲』が対抗できることが分かったのだ。
もうそれだけで十分、あの者はよくやっている、あとは『褒美』なのだ。
だから私も聖天も、楽しむことにしたのだ、『仕事』は終わっている……
……頭の固い帝釈天には一言いっておくか……汝も楽しんでみろと……
もうこの後は、あの者に好きにさせてやれ、その結果、エーリュシオンがどうなろうとも、こちらとしてはなんら問題はないのだから……
いよいよになれば、再び作ればいいだけだ……
私たちの披露宴も終わり、ロマンチック・ドリーム・タウンの一般公開も終わり、平穏な日々がやってきました。
秋も深まり、サトウダイコンの収穫が近づいてきたころ、夜の営みをこなし爆睡している私、イルマタル・ロイスターの夢の中で……
……中々激しい営みだったな、さすがに聖天の加護を受ける者よ……
……どちら様なのでしょうか?……
……我が名は帝釈天、汝がこのエーリュシオンで奮闘しているのを知り、すこしばかり興味がわいたのだ……
『名をはばかる方』のお許しは得ている……
ところでどうだ、我の加護もやろうか?
……ありがたいことです、お願いできますか?
……素直だな、我は武神、汝は『破邪』の力を持っているようだが、汝の『破邪』の力は邪神には効き目があるが、邪神どもの上位体、悪神相手ではいささか心もとない。
よって『神通力』をすこし授けよう。
この力は生物、その根源たるエネルギー体、つまり『魂』の根源を扱う力だ。
それとこの世界は魔力が活用できるが、それは悪神ぐらいになると遮断できる。
汝らが云うところの『サイコキネシス、念力』、『テレパシー、精神感応』、『クリアボヤンス、透視』、『サイコメトリー、精神の測定・分析』、『テレポート、瞬間移動』、『パイロキネシス、発火能力』、『アポート及びアスポート、取り寄せ及び消し去る』の七つの力もやろう。
ただこれらの力はアクティブで、汝の精神力が必要となるのに注意しておけ……
……では、『パイロキネシス、発火能力』に電気のイメージで『ゼウスの雷』が実現できる……
……ほう、賢いな、そのとおりだが、この場合はゼウスではなく、スラブ神話の主神、ペルーンだろうな……
もうわかると思うが、汝らが超能力と呼ぶ力は、この『神通力』を利用する。
悪神とやりあうときは、『サイコキネシス、念力』で『魂』を捕まえ、『アスポート、消し去る』で消去すればいい……
これは一般の人間相手でも通用するから、気を付けるようにせよ……
……我の加護は武骨なものばかり、大体は魔力で代用できようが、ここ一番の時には何かの役にたとう……
……大事に使わせていただきます……ありがとうございます……
帝釈天様はこうして、夢から離脱していかれました。
朝方に目が覚めました……
「帝釈天様にお会いできるとは……」
思わず口に出ました。
ベッドには、エヴプラクシヤさんが裸で寝ています。
「カゼをひきますよ。」
寝具をかけてあげました。
たまには私が朝食でも作りましょうか。
いつもいつも、冷凍食パン3枚では味気ないし…和食なんてどうかしらね……
この間お試しで、食材をネットスーパーから取り寄せているのです。
昨日初めて届いたのですよ!
ちょっと700円とはいきませんが、野菜のお試しセットを頼んでみたのです。
そのほかに鮭と豚肉、卵、お米も頼んでみました。
卵はやはり有精卵ではないようで、宅配されました。
でも、お試しセットといえど、単品の単価は700円を下回ります……
なので空間倉庫を使うことなく、新たなカタログ、『消耗品備蓄カタログ』に載ったのです。
いつも思うのですが、この『お取り寄せ能力』の凄い事……
ご飯をまず土鍋で炊きましょう……ノウハウが頭に入ってきます……
お汁は朝から豚汁ですね、お魚は紅鮭、野菜の煮物、簡単に出来るものが、検索に引っかかっています。
「エーリュシオンという世界、どうなっているのか?」
「そもそも邪神どもを閉じ込めたと、聞いている世界なのに、お前がなにやら『ちょっかい』を出していると、小耳にはさんだのだが?」
「『ちょっかい』とは心外だ、『名をはばかる方』のお考えに従っているだけだ。」
「従っている?よく言うことよ、楽しんでいるのだろう?」
「まぁ、そういわれれば否定はしない、その『ちょっかい』をかけている者が、なかなか面白い奴で、ついつい構ってしまうのだ。」
「その者、なかなか立派な生涯に感心していたのだが、イルマタル・ロイスターと名乗っているとか、なぜ望んで女になったのか?」
「本人が『静かに心豊かに』と望んだ結果だ」
ここで聖天様と相対して、話をしている存在が噴出した。
「『静かに心豊かに』と望んだ結果が、あの街か?真逆の結果であろうが?」
「本人は真摯にそう望んだのだ、ただ人間とは面白い、深層では肉欲を否定できないようだ」
「ただそうはいっては、博愛も過剰に持っている」
「『名をはばかる方』は、その者の本質を眺められ、これを『良質』とご判断なされたと、私は考えている」
「それに 『ちょっかい』をだし、その結果が予想外の結果となることを、喜ばれている」
「そうか……『名をはばかる方』がな……良き事かな」
そのような会話が交わされ、聖天様は消えていかれた。
「聖天はああいったが、あやつはそもそも歓喜天、障害を除いて財福をもたらす神、そして愛欲和合の神」
「『名をはばかる方』は、エーリュシオンという世界で、自らおつくりになられた人の『欲』の可能性を、確かめたいのではなかろうか……」
「なら私も確かめてみようか……あの者を気にかけたのは、私もだからな……」
「エーリュシオンなどどうでもいい世界、だから邪神どもに投げ与えられたのだ、私も『ちょっかい』を出してみるか?」
聖天様と相対して話している存在も、このような独り言いいながら消えていった。
……四人の阿修羅に命じて、邪神を発生させたのだが、いささか哀れでもあるな……
帝釈天も頭が固いことよ、あの者に好きにさせて、このエーリュシオンがどうなるか、私にも娯楽が必要なのだ。
見ていて楽しいではないか……
聖天が楽しんで『ちょっかい』をだしている。
邪神どもからにじみ出る『気』が、固まって『悪』が生まれ出る、しかしその『悪』に、人の『欲』が対抗できることが分かったのだ。
もうそれだけで十分、あの者はよくやっている、あとは『褒美』なのだ。
だから私も聖天も、楽しむことにしたのだ、『仕事』は終わっている……
……頭の固い帝釈天には一言いっておくか……汝も楽しんでみろと……
もうこの後は、あの者に好きにさせてやれ、その結果、エーリュシオンがどうなろうとも、こちらとしてはなんら問題はないのだから……
いよいよになれば、再び作ればいいだけだ……
私たちの披露宴も終わり、ロマンチック・ドリーム・タウンの一般公開も終わり、平穏な日々がやってきました。
秋も深まり、サトウダイコンの収穫が近づいてきたころ、夜の営みをこなし爆睡している私、イルマタル・ロイスターの夢の中で……
……中々激しい営みだったな、さすがに聖天の加護を受ける者よ……
……どちら様なのでしょうか?……
……我が名は帝釈天、汝がこのエーリュシオンで奮闘しているのを知り、すこしばかり興味がわいたのだ……
『名をはばかる方』のお許しは得ている……
ところでどうだ、我の加護もやろうか?
……ありがたいことです、お願いできますか?
……素直だな、我は武神、汝は『破邪』の力を持っているようだが、汝の『破邪』の力は邪神には効き目があるが、邪神どもの上位体、悪神相手ではいささか心もとない。
よって『神通力』をすこし授けよう。
この力は生物、その根源たるエネルギー体、つまり『魂』の根源を扱う力だ。
それとこの世界は魔力が活用できるが、それは悪神ぐらいになると遮断できる。
汝らが云うところの『サイコキネシス、念力』、『テレパシー、精神感応』、『クリアボヤンス、透視』、『サイコメトリー、精神の測定・分析』、『テレポート、瞬間移動』、『パイロキネシス、発火能力』、『アポート及びアスポート、取り寄せ及び消し去る』の七つの力もやろう。
ただこれらの力はアクティブで、汝の精神力が必要となるのに注意しておけ……
……では、『パイロキネシス、発火能力』に電気のイメージで『ゼウスの雷』が実現できる……
……ほう、賢いな、そのとおりだが、この場合はゼウスではなく、スラブ神話の主神、ペルーンだろうな……
もうわかると思うが、汝らが超能力と呼ぶ力は、この『神通力』を利用する。
悪神とやりあうときは、『サイコキネシス、念力』で『魂』を捕まえ、『アスポート、消し去る』で消去すればいい……
これは一般の人間相手でも通用するから、気を付けるようにせよ……
……我の加護は武骨なものばかり、大体は魔力で代用できようが、ここ一番の時には何かの役にたとう……
……大事に使わせていただきます……ありがとうございます……
帝釈天様はこうして、夢から離脱していかれました。
朝方に目が覚めました……
「帝釈天様にお会いできるとは……」
思わず口に出ました。
ベッドには、エヴプラクシヤさんが裸で寝ています。
「カゼをひきますよ。」
寝具をかけてあげました。
たまには私が朝食でも作りましょうか。
いつもいつも、冷凍食パン3枚では味気ないし…和食なんてどうかしらね……
この間お試しで、食材をネットスーパーから取り寄せているのです。
昨日初めて届いたのですよ!
ちょっと700円とはいきませんが、野菜のお試しセットを頼んでみたのです。
そのほかに鮭と豚肉、卵、お米も頼んでみました。
卵はやはり有精卵ではないようで、宅配されました。
でも、お試しセットといえど、単品の単価は700円を下回ります……
なので空間倉庫を使うことなく、新たなカタログ、『消耗品備蓄カタログ』に載ったのです。
いつも思うのですが、この『お取り寄せ能力』の凄い事……
ご飯をまず土鍋で炊きましょう……ノウハウが頭に入ってきます……
お汁は朝から豚汁ですね、お魚は紅鮭、野菜の煮物、簡単に出来るものが、検索に引っかかっています。
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