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第十五章 ついに読書の時間ですよ
お金持ちは大変なのです
しおりを挟むハヤシライスを食べながら、会話は弾みます。
「そう、本を読んでいたの?」
皇太后様が話しの相手をしてくれています。
私たち三人を相手を、鉄砲玉のように飛んでくる話しを上手く聞いて、優しいほほえみで返してくれるのです。
「ところで雪乃さん、愛人は今のところ三人なの?」
おばあ様、いまなんと?今のところ?
「これから先、増える予定はありませんし、私は四人で仲良く生涯過ごそうと考えております」
「私が妻になるときは、夫に当たる方に懇願し、三人の方々をお妾、側室にしていただくつもりです」
「雪乃さん、気持ちは分かるけど、愛人が三名で収まるとは考えられませんよ……」
「文子もダイアナさんも覚悟はされているはずですよ」
「もう一人の方、たしか洋子さんだったかしら、当然理解しているはずですよ」
「年寄りの戯言だけど、頭に入れておいてね」
「雪乃さんの歳で愛人を持つということは、それだけ財力があるという証拠なのよ、『財』がある以上、『吝嗇』であってはならないのよ」
「男であろうと女であろうと、『財』がある以上、それだけの愛人を持ち、『財』を消費する、でなければ社会が認めないのよ」
「当然、そのような『財』は天文学的な資産ということになり、通常はとやかくは言われないのだけどね……」
「雪乃さんの財は、現在、未成年ゆえ皇帝陛下の預かりとなっており、税務当局の高額納税者一覧には特例として載らないけど、三十まで独身を通し、女戸主となるか、または結婚したら帝室資産から外れることになるのよ」
「雪乃さんの場合、今は帝室資産のカテゴリーになるけど、たとえば親王妃となったら、高額納税者一覧に『雪乃親王妃』として載る訳よ」
「大商人や富豪クラスの資産なら三名もいれば、そうなの程度で収まるけど、雪乃さんの資産はこのところ急激に増えているのよ」
どうやら、『財』を形成すると、見合う人数分、愛人を囲う必要が発生する……
この世界、女の富豪は余程の事が無ければ存在しないが、過去、膨大な資産を形成した女性がおり、多数の愛人を囲ったと記録にあるようなのです。
その数、二十数名……私の場合、現在の資産を当てはめると、五名は必要……それも現時点ということです。
「はぁ」
ため息をつく私に、文子様が、
「財を少なくすればいい話ですね」
「あっ、そうですね♪良いアイデアです♪」
「でもやはり三人では収まらないでしょうね……五人は覚悟しています」
「はぁ」
ダイアナ様が、
「慌てて増やす必要もないでしょう?できましたら、仲良く出来る方を選んでいただければ……雪乃様のお心次第ですが……」
まぁ、そうでしょう、それが女心というモノですよ。
私、閃いてのですよ、財を少なく方法をね♪
私、ここに三日、読書三昧して、本が好きと再認識したのですよね♪
だから、図書館を作ろうと考えたのですよ。
帝国の国立図書館、『帝国図書館』は納本制度もあり、膨大な蔵書がありますが、なんと有料なのです!
そもそも、『庶民に無料で』なんて思考はかけらもないのですね。
私の所有するらしい膨大な『財』で本を買い集め、『無料閲覧』を認めれば、財は減り、何とか愛人の数を減らせる……
ついでに、私が取り寄せた本も管理していただきましょうか?『岩倉姫宮蔵書』門外不出、閲覧制限も厳重にしてね、だってね、聖女の蔵書ですからね。
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