老後のおかしなおかしな女学生生活 転生一年目

ミスター愛妻

文字の大きさ
上 下
16 / 149
第四章 高等女学校入学

女子の進路 再び

しおりを挟む

 翌日、続々と皆さんが入寮してきます。
 新入一年生はなんと私だけ……
 高等小学校から三年編入したのが上泉お姉様……
 なんでも入寮する希望者が6名しか居なかったと聞きました。

 一年生が一人、二年生なし、三年生が一人、四年生が二人、最上級生が二人……

 2名ずつでお風呂の掃除当番の班を組むことになり、新入の一年生と三年生で班を組むことになったのです。
 勿論、班長は上泉洋子お姉様ですよ♪
 で、初っぱなから私たちの班がお風呂の掃除当番なわけです。

 上泉お姉様は、男爵家の長女とのこと、弟さんがおられるようです。

 でもおかしいのですよね、なぜ華族の娘である上泉お姉様が、高小――高等小学校のこと――なの?……

「家は華族といっても男爵家、弟は何とか華族中学に通わせられるけど、女はね……貧乏華族あたりの娘は高小が精一杯なのよ、卒業したら誰かと結婚ね……」
「でも上泉お姉様なら、女高師から文理大学も夢ではないかと……」
「華族の体面があるのよ、女教師なんて、良く思われないし……お父様がね……」

「お母様の実家が、不憫と思ったようで、女子師範は駄目だけど、学費が安く華族の面目も何とか保たれる帝国第一高女――ここでは帝国第一高等女学校のこととする、BY作者――ならと申し出てくれたの、必死で頑張ったのよ♪」
 話しを聞くと、高小卒業後は、ある金持ちの愛人さんになる寸前だったとか……お姉様、綺麗ですものね……

「でもお姉様ほど美しい方ですので、在学中にご縁談の話しなんて、山ほど来るでしょうね」
「そうでもないのよ、華族の娘がこの女学校にはいった時点で、華族との縁談はないの、お父様も諦めているわ」
 そういえば、帝国第一高等女学校は基本、平民の女学校、華族の妻にするなら華族高等女学校卒業生がトレンディ……

 結婚ね……

「雪乃さんはどうなの?」
「どうとは?」

「将来よ!」

「私は華族の娘といっても母は愛人、その上、当主はお兄様、もうすぐご結婚されますので、まぁ小姑は早めに家を出なくてはと、考えているのです」
「結婚は私も諦めています……」

「だから奨学生になったし、将来は学費がいらない高等女子師範へ進学しようと考えています、まぁその後は考えていませんが、文理科大学か第三帝国大学へ進学するのもいいかなと……」
「凄いですね♪」

「上泉お姉様は?」
「まだそこまで考えていないわ、学費が工面できれば女医もいいわね……雪乃さんのように女学校の教師もいいわね……まねしようかしら」

「でも雪乃さんなら、ご縁談が来るかも知れないわよ、朝比奈伯爵のお嬢様でしょう、持参金狙いで困窮している華族が狙うかもね」
「家の父が云っていたもの、上泉の家がもう少し爵位が上なら、弟の嫁にほしいってね」

「えっ、持参金狙い、嫌だわ、お金の為に私に結婚を申し込むの?絶対嫌よ!」
「近頃は華族といっても、拝金主義が蔓延しているのよ、上流華族の中にも、世襲財産を抵当にいれている家もあると聞いているわ」
「まったく……」
 世襲財産を抵当に入れ、借金することは褒められませんが可能なのです。
 ただ支払いが滞り、爵位局に滞りが相手から報告されると、爵位の剥奪となりますけどね。

 こうなると、爵位の剥奪を防ぐ為に『娘の身売り』が起るのです。
 華族の子女が年季奉公……まあ奉公先は娼館はあり得ません、体面がありますものね、お金持ちが相手というわけです。

 いわゆる妾奉公、しかも愛人としてですね。
 正妻に認められれば、妾にはなれるでしょうね。

 上泉お姉様も、お母様のご実家の援助が無ければ、このパターンだったのでしょう。

「私、最低でも卒業するまでは結婚はおろか、婚約もしたくないと、思っています」

 すると上泉お姉様が、
「雪乃さんはそう云われますが……持参金など関係無く、縁談などそれこそ掃いて捨てるほどに……でも、ご本人は気づいていないようですね……」

 えっ何、なんで私を見るの?

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

体育座りでスカートを汚してしまったあの日々

yoshieeesan
現代文学
学生時代にやたらとさせられた体育座りですが、女性からすると服が汚れた嫌な思い出が多いです。そういった短編小説を書いていきます。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

奇妙な日常

廣瀬純一
大衆娯楽
新婚夫婦の体が入れ替わる話

キャバ嬢(ハイスペック)との同棲が、僕の高校生活を色々と変えていく。

たかなしポン太
青春
   僕のアパートの前で、巨乳美人のお姉さんが倒れていた。  助けたそのお姉さんは一流大卒だが内定取り消しとなり、就職浪人中のキャバ嬢だった。  でもまさかそのお姉さんと、同棲することになるとは…。 「今日のパンツってどんなんだっけ? ああ、これか。」 「ちょっと、確認しなくていいですから!」 「これ、可愛いでしょ? 色違いでピンクもあるんだけどね。綿なんだけど生地がサラサラで、この上の部分のリボンが」 「もういいです! いいですから、パンツの説明は!」    天然高学歴キャバ嬢と、心優しいDT高校生。  異色の2人が繰り広げる、水色パンツから始まる日常系ラブコメディー! ※小説家になろうとカクヨムにも同時掲載中です。 ※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

処理中です...