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シリーズ004
009 わりとあっさりとした決着?
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数合打ち合うも、どちらも決定打に欠けている。
リナは小太刀を鞘から抜かないし、刺客も狭い空間で思うように強力な一撃を放てない。今のところどちらも飛び道具を使わないからとばっちりを受けることはないけれど、盾の中で隠れているのも佇まいが悪すぎる。というか、膣内からディル君の精液がちょっと漏れてきて、下着が気持ち悪いことになっているし。
「リナ~、下着替えたいから頑張って倒して」
「事後はちゃんと身体を洗った方がいいよ~」
「戦闘中にお前ら一体何なのっ!?」
そういえばディル君のお金で浴場が増設されていたことを思い出し、私は盾を二人の方に向けながら、芋虫の如く移動していた。せめて身体を洗いたい。
「ちょっと浴場で身体洗ってくるから、あとよろしく~」
「あ、いいな~」
「少しは緊張感を持てよっ!?」
というか、リナが余裕扱いている時点で勝敗は既に決している。
「リナもさっさと片付けたら?」
「う~ん……そうすっか」
そこからは早かった。
リナの手が後ろ腰に伸びたかと思えば、見慣れない鉄の塊を抜いて刺客の方に向けていきなり煩い音を立ててきた。
「煩っ!?」
咄嗟に耳を塞ぐが既に手遅れ。酷い耳鳴りに悶えている中、視界の端でリナは刺客に止めを出していた。
耳鳴りが治まってから、私はようやく立ち上がってリナに声を掛けた。
「……何それ?」
「銃、知らない?」
「西の武器の? 初めて見た」
前にイレーネさんから聞いたことがあるけど、リナの持っている銃はその話に出ていない形をしている。もしかして最新型?
「どこで手に入れたの、それ?」
「前回の敵からがめた」
止めを刺して血に染められた小太刀の刃を拭うと、静かに鞘に納めていた。銃は既に仕舞っていたのか、手元には見えない。
「弾の予備があればさっさと使ってたんだけどね~……お、外も終わったっぽい」
「え?」
そうだ。外でディル君が戦っている間に、こっちを襲うのが向こうの目的。この際本命がどっちかは知らないけど、あの勇者様も戦っていたということだ。
……私とのいざこざで、変な油断とかしてなければいいけど。
「まあジャンヌや仲間の魔道士も来てたっぽいし、無事じゃないの?」
「ならいいけど……」
とりあえず互いに身体をどうにかしたいと、二人して浴場スペースに乗り込んでそれぞれ気になる箇所を洗っていく。汚れが落ちれば後はどうにでも動けるので、簡単に片付けることに。
「しっかし、これ娼館でやるような騒ぎじゃないでしょうに……」
「なんとなくごめん、死んだら旦那を一発殴っとく」
「ワタシの分は蹴りでよろしく~」
軽口を叩き合いながら替えのパンツを穿き、刺客の死体を避けてまたベッドの上に腰掛けた。
「尋問しなくて良かったの?」
「多分前回の敵と同じ。仕事内容と、一緒に話を聞いていた人数しか知らないと思う」
まくりあげていたスカートを降ろし、ようやく一心地つく。
「とりあえずはこれで、大丈夫かな?」
「どうだろうね~話に聞いている限りはこれで全部の筈だけど……」
でもどうしてだろう。何か……嫌な予感がする。
そんなことを考えていると、部屋の外から慌ただしく誰かが乗り込んできた。
「おい、大丈夫かっ!?」
入ってきたのはフィンさんだった。短剣片手に入ってくるのはいいけど、既に片付いた後だし、何よりっ!
「素っ裸で来るなっ!?」
「……あ、ごめん」
この人周りが戦闘中だって時に何やってたんだっ!?
「しっかし、強いなぁ……あっさり倒すなんて」
「いいから服着てきて下さい」
そして服を着てきたフィンさんとテイク2。
「しっかし、強いなぁ……あっさり倒すなんて」
「発言まで一緒にしなくても……」
「まあいいけどさぁ……ちょっとおかしくない?」
ん?
私とフィンさんは、不思議そうに首を傾げた。別に、おかしなところなんて……
「機密性優先の娼館でこの刺客、真っすぐにこの部屋に来てたっぽいんだよね。一応館長にはこの部屋のことは黙っているように言っといたし。それ以前にいつもとは別の部屋を宛がって貰っている。ってことは……」
そこから先は、言葉はいらなかった。
リナは小太刀を鞘から抜かないし、刺客も狭い空間で思うように強力な一撃を放てない。今のところどちらも飛び道具を使わないからとばっちりを受けることはないけれど、盾の中で隠れているのも佇まいが悪すぎる。というか、膣内からディル君の精液がちょっと漏れてきて、下着が気持ち悪いことになっているし。
「リナ~、下着替えたいから頑張って倒して」
「事後はちゃんと身体を洗った方がいいよ~」
「戦闘中にお前ら一体何なのっ!?」
そういえばディル君のお金で浴場が増設されていたことを思い出し、私は盾を二人の方に向けながら、芋虫の如く移動していた。せめて身体を洗いたい。
「ちょっと浴場で身体洗ってくるから、あとよろしく~」
「あ、いいな~」
「少しは緊張感を持てよっ!?」
というか、リナが余裕扱いている時点で勝敗は既に決している。
「リナもさっさと片付けたら?」
「う~ん……そうすっか」
そこからは早かった。
リナの手が後ろ腰に伸びたかと思えば、見慣れない鉄の塊を抜いて刺客の方に向けていきなり煩い音を立ててきた。
「煩っ!?」
咄嗟に耳を塞ぐが既に手遅れ。酷い耳鳴りに悶えている中、視界の端でリナは刺客に止めを出していた。
耳鳴りが治まってから、私はようやく立ち上がってリナに声を掛けた。
「……何それ?」
「銃、知らない?」
「西の武器の? 初めて見た」
前にイレーネさんから聞いたことがあるけど、リナの持っている銃はその話に出ていない形をしている。もしかして最新型?
「どこで手に入れたの、それ?」
「前回の敵からがめた」
止めを刺して血に染められた小太刀の刃を拭うと、静かに鞘に納めていた。銃は既に仕舞っていたのか、手元には見えない。
「弾の予備があればさっさと使ってたんだけどね~……お、外も終わったっぽい」
「え?」
そうだ。外でディル君が戦っている間に、こっちを襲うのが向こうの目的。この際本命がどっちかは知らないけど、あの勇者様も戦っていたということだ。
……私とのいざこざで、変な油断とかしてなければいいけど。
「まあジャンヌや仲間の魔道士も来てたっぽいし、無事じゃないの?」
「ならいいけど……」
とりあえず互いに身体をどうにかしたいと、二人して浴場スペースに乗り込んでそれぞれ気になる箇所を洗っていく。汚れが落ちれば後はどうにでも動けるので、簡単に片付けることに。
「しっかし、これ娼館でやるような騒ぎじゃないでしょうに……」
「なんとなくごめん、死んだら旦那を一発殴っとく」
「ワタシの分は蹴りでよろしく~」
軽口を叩き合いながら替えのパンツを穿き、刺客の死体を避けてまたベッドの上に腰掛けた。
「尋問しなくて良かったの?」
「多分前回の敵と同じ。仕事内容と、一緒に話を聞いていた人数しか知らないと思う」
まくりあげていたスカートを降ろし、ようやく一心地つく。
「とりあえずはこれで、大丈夫かな?」
「どうだろうね~話に聞いている限りはこれで全部の筈だけど……」
でもどうしてだろう。何か……嫌な予感がする。
そんなことを考えていると、部屋の外から慌ただしく誰かが乗り込んできた。
「おい、大丈夫かっ!?」
入ってきたのはフィンさんだった。短剣片手に入ってくるのはいいけど、既に片付いた後だし、何よりっ!
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「……あ、ごめん」
この人周りが戦闘中だって時に何やってたんだっ!?
「しっかし、強いなぁ……あっさり倒すなんて」
「いいから服着てきて下さい」
そして服を着てきたフィンさんとテイク2。
「しっかし、強いなぁ……あっさり倒すなんて」
「発言まで一緒にしなくても……」
「まあいいけどさぁ……ちょっとおかしくない?」
ん?
私とフィンさんは、不思議そうに首を傾げた。別に、おかしなところなんて……
「機密性優先の娼館でこの刺客、真っすぐにこの部屋に来てたっぽいんだよね。一応館長にはこの部屋のことは黙っているように言っといたし。それ以前にいつもとは別の部屋を宛がって貰っている。ってことは……」
そこから先は、言葉はいらなかった。
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