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シリーズ001

009 娼婦ミーシャ・ロッカ

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「その魔物は魔法でないと倒せない筈なのに、何故か倒せなかった。その理由を探る為に、僕は剣を構えて牽制けんせいしながら、仲間の魔導士さんの解析を待ったんだ」
「へえ、すごいわね……」
 今日も夜の仕事をこなす中、私はディル君とベッドの上で寝そべりながら、彼の冒険話に耳を傾けていた。その間私の胸がおもちゃになっていたが、特に気にしていない。
 別に不感症ではない。単調過ぎて慣れただけだ。
「その後身体と命が別に存在すると分かって、そっちを魔法で倒さないと駄目だと分かったから、教会騎士さんと二人で身体を抑えている内に、魔導士さんが魔物を倒したんだよ。面白かった?」
「まあ、それなりに……」
 勇者としての話なら中々だけど、魔物の話としては結構ありきたりだったりする。三日程顔を出さなかったと思えば、少し遠出して魔物退治に励んでいたらしい。
 まあ、帰って来てすぐにここを紹介した男性、斥候のフィン・ランドリッチと一緒に娼館ここに来たのには呆れてしまったが。
「それで、ゆっくり休めた?」
「うん、ミーシャさんの身体で癒されたよ……」
(私、別に癒しの聖女とかそんなんじゃないんだけどな……)
 偶に聖女が癒しの奇跡を授けるなんて噂があるけど、あれただの魔法だって。前に出版社で聞いた時はさすがに落胆したわ。
 ……話が逸れちゃったわね。
「じゃあ、次はこちらも……ね」
「あっ!?」
 そして私は、露出されているディル君の逸物に触れた。
 互いに裸で絡み合い、ディル君の肉欲を昂らせていく度に、死んだ旦那にももうちょっとエロいことしてやれば良かったと思うが、時すでに遅しだ。
「いつも頑張ってくれている勇者様に……んっ」
「ぁぁ……」
 声にならない声が漏れ聞こえてくる。
 私は旦那にもしてやれなかったフェラチオを勇者様に施していく。このまま互いの性器を愛撫する体勢シックスナインに持ち込もうかとも思ったが、向こうが完全に気を逸らしてしまっている。
「じゅ……じゅく……」
「あ、ああ……」
 今体勢を変えても、気が回らないか逆にフェラチオを中断する勢いで私の股座に吸い付きそうだ。一回これでイカせてしまおう。
「じゅっ、じゅっ……じゅぅぅ……!」
「ぁあああ……っ!?」
 ディル君の肉棒から、精が吐き出された。さすがに飲む気はないので、彼に見えないように吐き捨てるが。
 若干あわ臭くなる口をゆすぎたくはなるが、今は仕事中。我慢我慢。
「ミッ、ミーシャさん! 僕、もう……」
「いいわよ。じゃあ、そのまま仰向けに寝ててね」
 膝立ちになり、ディル君の身体を跨いでから腰の下に手をやった。といっても、あるのは私の股座と、小休止中の筈が未だに元気な誰かの息子さんだけだ。
 だから準備は不要とばかりに、勃起した肉棒を私の膣内たいないにさっさと納めた。
「ぁん!」
「ああっ!」
 ちょっと気持ちいところをこすりながら、そのまま奥へともぐり込んでいく。旦那よりも受け入れる回数が多くなった男性器を身体で感じながら、腰を前後に動かした。
 ……まあ、個人的に屈伸するより楽だから、そうしているだけなのよね。これでも十分(お互いに)気持ちいい、ってのもあるけど。
「ぁ、ぁぁっ、みっ! ミーシャさんっ! もう!」
射精してっ! いいから射精してっ! 私、もっ!?」
 吐き出されていく精液。事前に避妊処理は施してあるので、妊娠することはない。互いが身体を貪り合って情欲に溺れる、それだけが私の仕事だった。

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