副業犯罪者達の夜

 バー『Alter』の雇われ店長兼バーテンダー、抽冬淳は紆余曲折な人生を経てすでに三十代。どこぞの地方都市にある廃ビルの地下フロアで、今日も今日とてシェイカーを振る……わけではなかった。趣味の家庭菜園で育てた収穫物でお通しを作り置きしては、ある意味同業の常連客を相手取る日々。変わったことと言えば、当時まともに交流していなかった中学のクラスメイト達が、常連として通うようになったこと位だろう。
 別に同窓会等で再会し、旧交を温めた結果とかでは断じてない。単に副業の都合で、偶々顔を合わせただけに過ぎない。だからこそ、淳をはじめとした常連達は思う。
『社会の裏側も、存外狭い』
 と。
 雇われ店長兼バーテンダーこと抽冬は、オーナーである『―――』の受付担当だった。おまけに『バーの利益は求めていない』からと、腕の方は期待されていない。
 なのでこの話は、世界で唯一『バーテン』の蔑称で呼ばれても不自然ではない男と、常連をはじめとした周囲の人間達が駄弁るだけの物語である。

『この物語はフィクションであり、登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在するものとは一切関係ありません。また、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』
24h.ポイント 0pt
0
小説 195,789 位 / 195,789件 ライト文芸 7,844 位 / 7,844件

あなたにおすすめの小説

文系男子と理系女子の恋愛事情

桐生彩音
ライト文芸
 投資ファンドを立ち上げる目標を持つ理系女子、金子稲穂には変えられない過去がある。彼女の記憶にはなくとも、その心は精神的外傷(トラウマ)という鎖に縛られ、光が当たることはないと思っていた。彼に、演劇部で脚本家を担当しているクラスメイトの文系男子、黒桐蒼葉の本当の姿を知るまでは。  その姿に惹かれた稲穂は、蒼葉との雑談を機に告白した。 「さっさと答えなさい。『YES』か『NO』か」 「その前に好きだとか言う男の胸ぐら掴み上げてんじゃねぇ」  この物語は、文系男子と理系女子によるよくあるかどうか分からない、ラブコメっぽい何かです。 ・2020年06月02日 第一巻分完結、第二巻分鋭意執筆中 ・2020年06月23日 第二巻分掲載開始 ・2020年10月   更新休止(詳細は近況ボードに記載しております) ・2021年01月05日 第二巻分完結、第三巻分鋭意執筆中 ・2021年01月11日 『アイホン』→『アップルフォン』修正済

心に鍵を掛けて -海に向かって、その後-

ひふみん
恋愛
--私には、秘密があった。それは、親友にも言えない秘密。 高校三年生の夏、「海に向かって」という自転車旅に行った。 中学時代に仲の良かった、男子四人,女子二人の五人で行った、一泊二日の夏旅行だ。 その旅行が終わって、季節は秋になっていた。 「映画に行こう」と約束をしていた由唯と理久は、約束通り二人で映画に行った。 楽しそうに映画やショッピングを楽しむ由唯だったが、その心中では様々な想いが交錯していた-- 「海に向かって」の後日談。 夏を超えて、秋を迎え、そしてその先に続く二人の初恋の物語。

神命迷宮 -東京Dead End-

雪鐘
キャラ文芸
この世界は感情に支配されている。 その意味を私は理解していなかった。 私は未来がたとえ苦しいものであっても、戦うことを諦めないよ。絶対に。 ※このお話は神命迷宮(小説家になろう版:https://ncode.syosetu.com/n8297gz/)(アルファポリス版:https://www.alphapolis.co.jp/novel/851127492/491575071)のスピンオフ、東京視点になります。 メインのお話(1章・危惧する未来)までを読んでおくことをオススメします。 表紙画像提供:ROSE様(Twitter:@ROSE_H_1012)

サディストの私がM男を多頭飼いした時のお話

トシコ
ファンタジー
素人の女王様である私がマゾの男性を飼うのはリスクもありますが、生活に余裕の出来た私には癒しの空間でした。結婚しないで管理職になった女性は周りから見る目も厳しく、私は自分だけの城を作りまあした。そこで私とM男の週末の生活を祖紹介します。半分はノンフィクション、そして半分はフィクションです。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

恥ずかしい 変身ヒロインになりました、なぜならゼンタイを着ただけのようにしか見えないから!

ジャン・幸田
ファンタジー
ヒーローは、 憧れ かもしれない しかし実際になったのは恥ずかしい格好であった! もしかすると 悪役にしか見えない? 私、越智美佳はゼットダンのメンバーに適性があるという理由で選ばれてしまった。でも、恰好といえばゼンタイ(全身タイツ)を着ているだけにしかみえないわ! 友人の長谷部恵に言わせると「ボディラインが露わだしいやらしいわ! それにゼンタイってボディスーツだけど下着よね。法律違反ではないの?」 そんなこと言われるから誰にも言えないわ! でも、街にいれば出動要請があれば変身しなくてはならないわ! 恥ずかしい!

ヘビー短編集

篁 しいら
現代文学
内容がヘビーな短編集です。 死ネタ有り/鬱表現有り

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。