43 / 97
偽宦官の立ち位置
誘惑の蝶々④
しおりを挟む
「女に、継承権だと……? 歴史書に書かれてはいるが、現行の慣例では……」
「まあそうなんだけどさ。今んとこうちの皇帝陛下の子ってのは公には姫君しかいない。皇后も貴妃も陛下がよその女の所に通うのを妨害したり、孕んだ女を始末したりしてるからな。かといって皇后も貴妃も、必ず皇子を産むって保証もねえだろ」
「なるほど。徳妃が懐妊したという噂は本当なのだな」
さすが銀月。白狼の簡単な説明で状況が飲み込めたらしい。徳妃の件は皇帝本人から真実だと聞いている白狼は小さく頷いた。
懐妊中の徳妃が皇子を産むかどうかは分からないが、男であれば彼女の実家が総出で皇太子に後押しするだろう。そうなれば貴妃の地位も、実家の権勢もひっくり返される。さすがに皇帝の外戚筋にあたる皇后を廃するまでには及ばないかもしれないが、内外で徳妃とその実家の権力が増すだろうことは想像に難くない。
徳妃の子が生まれるまでが勝負と踏んだのだ。
「……ということは先日の件、真に狙われていたのはやはり私か」
「そういうことだ。女が継承することになれば、お前が一番年長だからな」
「では潤円のお前への執着も貴妃は知っていたに違いない。それを利用された形というわけか。首尾よく嵌めて下手人として捕らえ、難癖つけて私を廃したあと適当な頃合いでお前を潤円に預けるような手筈だったんだろう」
「やめろ、気色悪いから」
先手を打ったはずが鮮やかに返された貴妃の苦々し気な顔が浮かんだ。まさか一介の宦官に、徳妃の宮の者が手を貸すとは考えなかったに違いない。当の白狼すら思惑が全く読めなかったのだから、貴妃たちは計画外の事にさぞ驚いたことだろう。
「下衆なことを考えるものだ……そしてついでに皇后の権威失墜も目論んでいたと」
「皇后のとこの姫って貴妃のとこと何歳違うんだ?」
「一歳違いのはずだ。年齢で言えば貴妃の姫が上だが、皇后腹の姫のほうが継承順は有利になる可能性が高いな」
銀月は手酌で自分の杯に酒を注ぎ、それをくいっと煽った。細い喉にわずかに浮かぶ喉仏が小さく上下する。それを見た白狼は、あれ、と記憶を掘り返した。
――こいつ、離宮で初めて会ったときより体つきがしっかりしてきたような。
ちょっと前には喉も滑らかで肩も細かったのに、いつの間にか骨や筋が目立って来てはいないか。杯を持つ細い指も、心なしか関節が大きくなってきているようにも見える。
顔つきはすっぴんでもさすがの美しさといえど、これ以上女だと言い張るのは難しくなっていくのかもしれない。これからは今以上に替え玉の必要性が増すだろう。
そう白狼でさえ思うほど、銀月の身体は少年から青年へすこしずつ変化していた。十五も過ぎていれば遅いともいえるが、成長期がめぐってきているらしい。
羨ましいなと思う気持ちは確かにあった。目に見えるような成長期がなかった白狼は、十九を過ぎてもいまだにそこらの子どもと大差ないような体格にしかならなかった。成長していく銀月に対し、いいな、悔しいなと素直に思う。
しかし本来の性別で考えれば、そこらの女程度に普通の成長をしていれば女としての生き方を強いられていたはずである。それはごめんだった。であればこの小さい体は天から与えられた白狼の強みと考えるしかない。
銀月を守ってほしいと皇帝は言った。籠の鳥であるこの才気煥発な四つ年下の少年がいつまでこのままなのか白狼には分からない。でも出来ることならば銀月が己の生き方を自分で決められるようになればいいと思う。柄にもなくそんなことを考えて、白狼はなんだか背中がむず痒くなってくる気持ちがしてそれをごまかすように大きく胸を逸らした。
「ま、結果的に俺の機転で今回の陰謀? 計画? は阻止されたわけだが。そこんとこどうよ」
大きく鼻の穴を膨らました白狼に、銀月は苦笑いを浮かべて白石をツケた。
「そうとも言える、かもしれんな」
「ほら、礼を言ってもいいんだぞ?」
「臣下が主のために仕事をするのは当たり前だ」
「クソガキ。なにかしてもらったらありがとうってのは当たり前の礼儀だろうがよ」
「よしよし、ようやった、褒めて遣わすぞー」
ふざけて頭を撫でようとしてくる銀月の手を振り払った。欲しいのはそういう言葉じゃない、と憤慨しながら黒石を銀月の陣地深くに押し入れる。しかし銀月は難なくその黒石を躱すと、急に真面目くさった顔に戻り上目遣いに白狼を見つめた。
「あんだよ」
「……しかしだな、徳妃の懐妊が確かとか貴妃の実家の件とか、どうしてお前がそんな情報を? 中秋節の前から知っていたのか?」
「え? 皇帝が言ってたぜ? 主席宦官のおっさんをわざとらしくお遣いにやったりして人払いってのをしてよ」
「……父上が?」
白狼としてはありのまま正直に話したつもりが、その一言で銀月の顔色が変わった。
「父上と二人になったのか? あんなに嫌がっていたのにどういうことだ? この話に対価は? まさかお前」
碁盤に手を叩きつけ尋常ではない様子で食って掛かる銀月に、白狼は思わず後ずさる。こんなに余裕のないのは珍しい。いや、もしかしたら初めてかもしれない。しかし白狼はははん、と思い当たることがあった。身を乗り出す銀月の目の前に、ぴしりと人差し指を突き付ける。
言っとくがな、と睨みつけ一呼吸。ぴりっと二人の間に緊張が走った。
「俺は本当に朝から晩まで、いや晩が過ぎても、ひと月の間ずーっと中秋節の準備しかしてねえぞ」
「……え? あ、ああ」
「閨に呼ばれたとか勝手な想像してたんじゃねえだろうな。絶対そういうことはしねえって言っただろうが」
「あ、いや……それは」
「てめえ、もう一回ぶち込んでやろうか?」
目に見えて狼狽える銀月に、白狼は拳をチラつかせた。もちろん本気ではないが、あらぬ想像をされたと思うと気分が悪い。銀月はばつが悪そうに視線を泳がせた。およそひと月前のやり取りを思い出したのだろう。もごもごと口を動かしながら、それでもなお何か納得しきれない様子だ。
「なんだよ、信じてねえのか?」
「いや、そうではなく……」
所在なさげに呟いた銀月は、やがて顔を上げて白狼の目をじっと見た。探るような目つきを、何ら後ろ暗いところのない白狼は堂々と睨み返す。
どのくらいの間があったことだろう。ふうっと銀月の口からため息が漏れた。細いそれをきっかけに、二人の間の緊張が緩む。
すまぬ、と銀月が口を開いたのはそのすぐあとだった。
「私はな、白狼。幼い頃から見ていたあの父上の所業を、心の奥でどうも信じ切ることができない……」
そりゃそうだ、という言葉を白狼は飲み込んだ。アレが自分の親父であれば、白狼なら情けなさ過ぎて涙が出そうだ。恐ろしい情婦の所へ行けと家を叩き出して縁を切っているに違いない。銀月にとっては自身への仕打ちも含めて、とても信頼に足る父ではないだろう。
「しかしお前は信じようと思う。……信じてよいのだな?」
まるで懇願のような銀月の問いに、白狼の胸はなぜかぎゅうっと締め付けられた。痛い、と認識できたそれはかすかな甘さと苦さを含んでいる。痛い、けど甘い。それが切なさなのだということは、既に大人といっていい白狼は知っている。
知ってはいるがそれには気が付いてはいけない。気が付いたっていいことは一つもないのだから。これは一種の憐憫なのだと、知らないふりをして意識を無理やり捻じ曲げる。
白狼はにやりと口角を持ち上げた。
「あったりめえだろうよ」
「そうか……」
「じゃなきゃ、そもそもここに帰ってくるわけねえだろ?」
力の入った肩がゆっくりと下がり、銀月はようやくほっとしたような表情を浮かべた。その泣きそうに微笑む顔に、白狼の胸はますます痛みを増していくのだった。
「まあそうなんだけどさ。今んとこうちの皇帝陛下の子ってのは公には姫君しかいない。皇后も貴妃も陛下がよその女の所に通うのを妨害したり、孕んだ女を始末したりしてるからな。かといって皇后も貴妃も、必ず皇子を産むって保証もねえだろ」
「なるほど。徳妃が懐妊したという噂は本当なのだな」
さすが銀月。白狼の簡単な説明で状況が飲み込めたらしい。徳妃の件は皇帝本人から真実だと聞いている白狼は小さく頷いた。
懐妊中の徳妃が皇子を産むかどうかは分からないが、男であれば彼女の実家が総出で皇太子に後押しするだろう。そうなれば貴妃の地位も、実家の権勢もひっくり返される。さすがに皇帝の外戚筋にあたる皇后を廃するまでには及ばないかもしれないが、内外で徳妃とその実家の権力が増すだろうことは想像に難くない。
徳妃の子が生まれるまでが勝負と踏んだのだ。
「……ということは先日の件、真に狙われていたのはやはり私か」
「そういうことだ。女が継承することになれば、お前が一番年長だからな」
「では潤円のお前への執着も貴妃は知っていたに違いない。それを利用された形というわけか。首尾よく嵌めて下手人として捕らえ、難癖つけて私を廃したあと適当な頃合いでお前を潤円に預けるような手筈だったんだろう」
「やめろ、気色悪いから」
先手を打ったはずが鮮やかに返された貴妃の苦々し気な顔が浮かんだ。まさか一介の宦官に、徳妃の宮の者が手を貸すとは考えなかったに違いない。当の白狼すら思惑が全く読めなかったのだから、貴妃たちは計画外の事にさぞ驚いたことだろう。
「下衆なことを考えるものだ……そしてついでに皇后の権威失墜も目論んでいたと」
「皇后のとこの姫って貴妃のとこと何歳違うんだ?」
「一歳違いのはずだ。年齢で言えば貴妃の姫が上だが、皇后腹の姫のほうが継承順は有利になる可能性が高いな」
銀月は手酌で自分の杯に酒を注ぎ、それをくいっと煽った。細い喉にわずかに浮かぶ喉仏が小さく上下する。それを見た白狼は、あれ、と記憶を掘り返した。
――こいつ、離宮で初めて会ったときより体つきがしっかりしてきたような。
ちょっと前には喉も滑らかで肩も細かったのに、いつの間にか骨や筋が目立って来てはいないか。杯を持つ細い指も、心なしか関節が大きくなってきているようにも見える。
顔つきはすっぴんでもさすがの美しさといえど、これ以上女だと言い張るのは難しくなっていくのかもしれない。これからは今以上に替え玉の必要性が増すだろう。
そう白狼でさえ思うほど、銀月の身体は少年から青年へすこしずつ変化していた。十五も過ぎていれば遅いともいえるが、成長期がめぐってきているらしい。
羨ましいなと思う気持ちは確かにあった。目に見えるような成長期がなかった白狼は、十九を過ぎてもいまだにそこらの子どもと大差ないような体格にしかならなかった。成長していく銀月に対し、いいな、悔しいなと素直に思う。
しかし本来の性別で考えれば、そこらの女程度に普通の成長をしていれば女としての生き方を強いられていたはずである。それはごめんだった。であればこの小さい体は天から与えられた白狼の強みと考えるしかない。
銀月を守ってほしいと皇帝は言った。籠の鳥であるこの才気煥発な四つ年下の少年がいつまでこのままなのか白狼には分からない。でも出来ることならば銀月が己の生き方を自分で決められるようになればいいと思う。柄にもなくそんなことを考えて、白狼はなんだか背中がむず痒くなってくる気持ちがしてそれをごまかすように大きく胸を逸らした。
「ま、結果的に俺の機転で今回の陰謀? 計画? は阻止されたわけだが。そこんとこどうよ」
大きく鼻の穴を膨らました白狼に、銀月は苦笑いを浮かべて白石をツケた。
「そうとも言える、かもしれんな」
「ほら、礼を言ってもいいんだぞ?」
「臣下が主のために仕事をするのは当たり前だ」
「クソガキ。なにかしてもらったらありがとうってのは当たり前の礼儀だろうがよ」
「よしよし、ようやった、褒めて遣わすぞー」
ふざけて頭を撫でようとしてくる銀月の手を振り払った。欲しいのはそういう言葉じゃない、と憤慨しながら黒石を銀月の陣地深くに押し入れる。しかし銀月は難なくその黒石を躱すと、急に真面目くさった顔に戻り上目遣いに白狼を見つめた。
「あんだよ」
「……しかしだな、徳妃の懐妊が確かとか貴妃の実家の件とか、どうしてお前がそんな情報を? 中秋節の前から知っていたのか?」
「え? 皇帝が言ってたぜ? 主席宦官のおっさんをわざとらしくお遣いにやったりして人払いってのをしてよ」
「……父上が?」
白狼としてはありのまま正直に話したつもりが、その一言で銀月の顔色が変わった。
「父上と二人になったのか? あんなに嫌がっていたのにどういうことだ? この話に対価は? まさかお前」
碁盤に手を叩きつけ尋常ではない様子で食って掛かる銀月に、白狼は思わず後ずさる。こんなに余裕のないのは珍しい。いや、もしかしたら初めてかもしれない。しかし白狼はははん、と思い当たることがあった。身を乗り出す銀月の目の前に、ぴしりと人差し指を突き付ける。
言っとくがな、と睨みつけ一呼吸。ぴりっと二人の間に緊張が走った。
「俺は本当に朝から晩まで、いや晩が過ぎても、ひと月の間ずーっと中秋節の準備しかしてねえぞ」
「……え? あ、ああ」
「閨に呼ばれたとか勝手な想像してたんじゃねえだろうな。絶対そういうことはしねえって言っただろうが」
「あ、いや……それは」
「てめえ、もう一回ぶち込んでやろうか?」
目に見えて狼狽える銀月に、白狼は拳をチラつかせた。もちろん本気ではないが、あらぬ想像をされたと思うと気分が悪い。銀月はばつが悪そうに視線を泳がせた。およそひと月前のやり取りを思い出したのだろう。もごもごと口を動かしながら、それでもなお何か納得しきれない様子だ。
「なんだよ、信じてねえのか?」
「いや、そうではなく……」
所在なさげに呟いた銀月は、やがて顔を上げて白狼の目をじっと見た。探るような目つきを、何ら後ろ暗いところのない白狼は堂々と睨み返す。
どのくらいの間があったことだろう。ふうっと銀月の口からため息が漏れた。細いそれをきっかけに、二人の間の緊張が緩む。
すまぬ、と銀月が口を開いたのはそのすぐあとだった。
「私はな、白狼。幼い頃から見ていたあの父上の所業を、心の奥でどうも信じ切ることができない……」
そりゃそうだ、という言葉を白狼は飲み込んだ。アレが自分の親父であれば、白狼なら情けなさ過ぎて涙が出そうだ。恐ろしい情婦の所へ行けと家を叩き出して縁を切っているに違いない。銀月にとっては自身への仕打ちも含めて、とても信頼に足る父ではないだろう。
「しかしお前は信じようと思う。……信じてよいのだな?」
まるで懇願のような銀月の問いに、白狼の胸はなぜかぎゅうっと締め付けられた。痛い、と認識できたそれはかすかな甘さと苦さを含んでいる。痛い、けど甘い。それが切なさなのだということは、既に大人といっていい白狼は知っている。
知ってはいるがそれには気が付いてはいけない。気が付いたっていいことは一つもないのだから。これは一種の憐憫なのだと、知らないふりをして意識を無理やり捻じ曲げる。
白狼はにやりと口角を持ち上げた。
「あったりめえだろうよ」
「そうか……」
「じゃなきゃ、そもそもここに帰ってくるわけねえだろ?」
力の入った肩がゆっくりと下がり、銀月はようやくほっとしたような表情を浮かべた。その泣きそうに微笑む顔に、白狼の胸はますます痛みを増していくのだった。
0
お気に入りに追加
108
あなたにおすすめの小説
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
君は妾の子だから、次男がちょうどいい
月山 歩
恋愛
侯爵家のマリアは婚約中だが、彼は王都に住み、彼女は片田舎で遠いため会ったことはなかった。でもある時、マリアは妾の子であると知られる。そんな娘は大事な子息とは結婚させられないと、病気療養中の次男との婚約に一方的に変えさせられる。そして次の日には、迎えの馬車がやって来た。

【完結】元妃は多くを望まない
つくも茄子
恋愛
シャーロット・カールストン侯爵令嬢は、元上級妃。
このたび、めでたく(?)国王陛下の信頼厚い側近に下賜された。
花嫁は下賜された翌日に一人の侍女を伴って郵便局に赴いたのだ。理由はお世話になった人達にある書類を郵送するために。
その足で実家に出戻ったシャーロット。
実はこの下賜、王命でのものだった。
それもシャーロットを公の場で断罪したうえでの下賜。
断罪理由は「寵妃の悪質な嫌がらせ」だった。
シャーロットには全く覚えのないモノ。当然、これは冤罪。
私は、あなたたちに「誠意」を求めます。
誠意ある対応。
彼女が求めるのは微々たるもの。
果たしてその結果は如何に!?
僕は君を思うと吐き気がする
月山 歩
恋愛
貧乏侯爵家だった私は、お金持ちの夫が亡くなると、次はその弟をあてがわれた。私は、母の生活の支援もしてもらいたいから、拒否できない。今度こそ、新しい夫に愛されてみたいけど、彼は、私を思うと吐き気がするそうです。再び白い結婚が始まった。
廃妃の再婚
束原ミヤコ
恋愛
伯爵家の令嬢としてうまれたフィアナは、母を亡くしてからというもの
父にも第二夫人にも、そして腹違いの妹にも邪険に扱われていた。
ある日フィアナは、川で倒れている青年を助ける。
それから四年後、フィアナの元に国王から結婚の申し込みがくる。
身分差を気にしながらも断ることができず、フィアナは王妃となった。
あの時助けた青年は、国王になっていたのである。
「君を永遠に愛する」と約束をした国王カトル・エスタニアは
結婚してすぐに辺境にて部族の反乱が起こり、平定戦に向かう。
帰還したカトルは、族長の娘であり『精霊の愛し子』と呼ばれている美しい女性イルサナを連れていた。
カトルはイルサナを寵愛しはじめる。
王城にて居場所を失ったフィアナは、聖騎士ユリシアスに下賜されることになる。
ユリシアスは先の戦いで怪我を負い、顔の半分を包帯で覆っている寡黙な男だった。
引け目を感じながらフィアナはユリシアスと過ごすことになる。
ユリシアスと過ごすうち、フィアナは彼と惹かれ合っていく。
だがユリシアスは何かを隠しているようだ。
それはカトルの抱える、真実だった──。
十三回目の人生でようやく自分が悪役令嬢ポジと気づいたので、もう殿下の邪魔はしませんから構わないで下さい!
翠玉 結
恋愛
公爵令嬢である私、エリーザは挙式前夜の式典で命を落とした。
「貴様とは、婚約破棄する」と残酷な事を突きつける婚約者、王太子殿下クラウド様の手によって。
そしてそれが一度ではなく、何度も繰り返していることに気が付いたのは〖十三回目〗の人生。
死んだ理由…それは、毎回悪役令嬢というポジションで立ち振る舞い、殿下の恋路を邪魔していたいたからだった。
どう頑張ろうと、殿下からの愛を受け取ることなく死ぬ。
その結末をが分かっているならもう二度と同じ過ちは繰り返さない!
そして死なない!!
そう思って殿下と関わらないようにしていたのに、
何故か前の記憶とは違って、まさかのご執心で溺愛ルートまっしぐらで?!
「殿下!私、死にたくありません!」
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
※他サイトより転載した作品です。
皇帝は虐げられた身代わり妃の瞳に溺れる
えくれあ
恋愛
丞相の娘として生まれながら、蔡 重華は生まれ持った髪の色によりそれを認められず使用人のような扱いを受けて育った。
一方、母違いの妹である蔡 鈴麗は父親の愛情を一身に受け、何不自由なく育った。そんな鈴麗は、破格の待遇での皇帝への輿入れが決まる。
しかし、わがまま放題で育った鈴麗は輿入れ当日、後先を考えることなく逃げ出してしまった。困った父は、こんな時だけ重華を娘扱いし、鈴麗が見つかるまで身代わりを務めるように命じる。
皇帝である李 晧月は、後宮の妃嬪たちに全く興味を示さないことで有名だ。きっと重華にも興味は示さず、身代わりだと気づかれることなくやり過ごせると思っていたのだが……
【完結】妖精姫と忘れられた恋~好きな人が結婚するみたいなので解放してあげようと思います~
塩羽間つづり
恋愛
お気に入り登録やエールいつもありがとうございます!
2.23完結しました!
ファルメリア王国の姫、メルティア・P・ファルメリアは、幼いころから恋をしていた。
相手は幼馴染ジーク・フォン・ランスト。
ローズの称号を賜る名門一族の次男だった。
幼いころの約束を信じ、いつかジークと結ばれると思っていたメルティアだが、ジークが結婚すると知り、メルティアの生活は一変する。
好きになってもらえるように慣れないお化粧をしたり、着飾ったりしてみたけれど反応はいまいち。
そしてだんだんと、メルティアは恋の邪魔をしているのは自分なのではないかと思いあたる。
それに気づいてから、メルティアはジークの幸せのためにジーク離れをはじめるのだが、思っていたようにはいかなくて……?
妖精が見えるお姫様と近衛騎士のすれ違う恋のお話
切なめ恋愛ファンタジー
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる