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河西の離宮
スリの白狼④
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どれくらいじたばたと足掻いただろう。不意に首の締まりが解け体が楽になる。と思った瞬間体が地面に落下した。
したたかに腰と尻を打ち、白狼は悶絶しながらその場にうずくまる。じわりと目の周りが熱くなったが、相手はそんなことなどお構いなしに白狼の髪を掴み顔を上げさせた。
「おい小僧。貴様、この財布はどうした」
「っつ……」
「答えろ」
「ってえ……財布って、なんのこと……」
「この財布だ。貴様が持つにはいかにも不相応なものだぞ」
てめえの財布はスリ損なったよ、と憎まれ口の一つでも叩いてやろうかと目の前に突き出されたそれを見れば、そこにあったのは昨日抜いた鮮やかな糸で織られた「シケた」財布だった。
暴れていた最中にでも落としてしまったのか。ついてない、と白狼は力なく自嘲する。
「周、そう強く締め上げては喋れまい。まだ子どもだ。手加減してやれ」
「しかし」
「良い。おい子ども。どうしてこの財布を持っている?」
どうやら少年は自分のことは棚に上げ、小柄な白狼のことを随分幼いと思っているらしい。答える気も失せて黙っていると眼前に少年の顔が迫った。視線を合わせるためにしゃがんでいるのか、つるりとした白い肌やうっすらと桃色に染まった唇が良く見える。左頬にある小さな涙黒子が目元の透明感を引き立てていた。シミひとつない絹のような艶だった。
苦労を知らないだろうその肌に、白狼の中でざわりと黒い感情がせりあがった。
「……昨日、拾ったんだよ」
けっ、と向かい合う白い肌に向かって唾を吐き、無駄とは思いつつ言ってみる。予想通り嘘を吐くなと一蹴し、少年は手に持った財布開き中を改め始めた。
「この財布に使われている生地と糸は東国からの献上品だ。帝都の者ならいざ知らず、おいそれとこのような鄙びた地方の者が拾うことなどあるはずがないものだぞ」
「知らねえよ、拾ったんだ」
「正直に言え。さもなくば……」
焦れた大男が凄んだ。視界の端にちらっと金属の気配が掠める。太刀だ。刃物で脅されたらさすがの白狼も観念するしかなかった。
ちっと舌打ちをし、白狼は思い切って顔を上げた。もはや開き直って隙を見計らうしか逃げる手はない。
「昨日、ちょっと拝借したんだよ。朝市に来てた金持ち風のおっさんから」
「中身はどうした」
「手を付けてねえよ。もともと銅銭数枚しか入ってなかったんだ。金持ち風だからと思ったのに騙されたぜ」
「本当に銅銭しか入ってなかったのか?」
「あ?」
問いかけの意図を掴みかねた白狼の目の前に、少年が草の実を一つ摘んで見せた。それを見つめる少年の目は、すうっと細められてる。
「これは、……シキミだ」
呟くような少年の声に大男がぎょっとしたように振り返った。
眉をひそめていた少年はすぐさま視線を白狼に戻した。その目に宿った強い殺気に白狼は射竦められる。子どもだからと大男を宥めていたときとは様子が異なっていた。
殺される、と白狼の背に冷たいものが走る。
「お前がこれを持っているということは、お前が街で売り歩いているのか?」
底冷えするような少年の声に白狼は激しく首を振った。
「違う!その財布に入ってたんだ!」
「この財布に? それはまことか?」
「本当だよ! 生薬なんだろ、それ。銭がほとんど入ってなくて、ごみ掴まされたって腹が立って、で、捨てようと思ったときに聞いたんだよ。それ聞いてせっかくだから故郷の姉ちゃんに届けてやろうと思って! それだけだって!」
じいっと白狼を見つめる少年の目は深い沼の様に黒く、すべてを見透かされるような気さえした。必死な弁明は普段であれば恰好が悪くて大嫌いだったが、命の危険を感じた今はそんなことを言っていられない。思いつくまま言い訳した白狼に、少年は大きくため息を吐いて分かったと答えた。
「分かったがしかし、これは生薬の八角でない。毒だ」
「なんだと?」
「よく似ているがこれは東方の島で良く取れる毒の実でシキミという」
「し、きみ……?」
「種や皮を食したり、煎じ汁を飲んだりすれば一刻もしないうちに吐いたり、失神したりするうえ、量を摂れば胸が詰まって息が止まる。以前、八角と間違って使われ大勢死んだから国内での取り扱いは禁止している品だ。売っていれば即逮捕になる」
大真面目な顔でそう説明され、白狼は息を飲んだ。
「俺、昨日食堂に売っちまった……」
なんだと、と白狼を取り囲んだ二人は目を剥いた。
「そんなこと知らなくて……八角だから買い取るっていうから、昨日の昼に売っちまって……」
だから昨夜、若店主は白狼を見つけて何か言いかけたのだ。あいつの持ってた八角を使ったんだ、と。自分の料理に自信があった若店主が、客が倒れた原因を考えたとき思いつくのは「いつもと違うものをつかった」ことだろう。だからあんなに恐ろしい形相をしていたのだ。
「客が大勢倒れて騒ぎになっていたと聞いたが、それはこいつのせいか、なるほど」
「き、聞けば死者もでたとか、でなかったとか……。いやぁ、うむ、これは大事件ですな。」
「となると、貴様は毒を売って人を殺した罪人となるな」
「そうなりますな。警吏の役人に突き出しますか」
少年と大男二人は合点がいった風に頷きあう。
「ま、待て、そんなの知らなかったんだ!」
「盗んだものを売った場合も罪だ。知らなかったなどと言い訳にもならん」
慌てて逃げようとした白狼を、大男の方が再び襟首をつかんで持ち上げた。放せっと手足を振り回すが体格差には勝てない。またもや白狼はぶらりと吊り上げられた形になった。
しかし再び白狼を助けたのは少年の方だった。
「まあ待て、周。私に一つ考えがある」
片手で大男を制した少年は、吊り上げられた白狼の目をじっと見つめた。
「ここでお前を役人に突き出しても、定食屋の事件の犯人として裁かれるだけだ。それではシキミを売りさばいている奴には繋がらない。そして離宮の姫を殺そうとした奴にも」
「殺す……? 離宮の?」
「そうだ。昨晩、離宮の毒見女官が一人死んだ。症状は嘔吐、失神、呼吸の停止。食事に混ぜられた毒が何なのか分からなかったが、シキミが出回っているならその可能性も高い。どういう経緯で宮にシキミが持ち込まれたかは知らんが、実が入っていたこの財布の持ち主はおそらく宮に出入りできる程度の身分とみた」
「銀月《ぎんげつ》様……そのような、いえ、そこまでお話になっても宜しいのですか」
大男がわずかに狼狽えた。しかし少年はにやりと笑って白狼の顔に財布を突き付ける。
「この財布と実を持っていた相手を知っているのはお前だけ。私と一緒に来て万が一そいつを見かけたら教えろ。罪に問われたくなくばな」
交換条件というわけだ。この状況、提案の形を取ってはいるものの白狼の方に選択の余地がないのは明らかである。断ったら警吏の役所に突き出される。良くて拘留・苦役、悪ければ毒殺の容疑で死刑なんてことにもなるだろう。
だから早く街から出たかったのに、というのは既に後のまつりである。
「いう事をきけば今回の件は水に流し礼金もだす。姉がいるなら姉のための薬もこちらで用意してやろう」
「……わかったよ、やるよ」
だめ押しのような少年の提案を白狼は受けざるを得なかった。了承したところで大男は吊り上げた白狼を下ろしたものの、警戒したままなのか剣はずっと突き付けられている。もう逃げない、という意味で白狼は両手を上げて見せた。
「全く、河西の街はこんなに治安が良く無いものだったのか」
「取り締まりが緩いのでしょうか。警吏の長官は、確か宜園殿だったかと……」
「後程、翠明からそれとなく伝えさせよ」
「はっ」
壮年の男は白狼に小さな剣を突き付けながら少年に頭を下げた。この二人がどういった立場の人間か知らないが、こいつらに目を付けた時点でどうやら自分は相当なへまをやったらしい。
白狼は大きく肩を落としながらため息を吐いて頷くしかなかった。
したたかに腰と尻を打ち、白狼は悶絶しながらその場にうずくまる。じわりと目の周りが熱くなったが、相手はそんなことなどお構いなしに白狼の髪を掴み顔を上げさせた。
「おい小僧。貴様、この財布はどうした」
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「答えろ」
「ってえ……財布って、なんのこと……」
「この財布だ。貴様が持つにはいかにも不相応なものだぞ」
てめえの財布はスリ損なったよ、と憎まれ口の一つでも叩いてやろうかと目の前に突き出されたそれを見れば、そこにあったのは昨日抜いた鮮やかな糸で織られた「シケた」財布だった。
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「周、そう強く締め上げては喋れまい。まだ子どもだ。手加減してやれ」
「しかし」
「良い。おい子ども。どうしてこの財布を持っている?」
どうやら少年は自分のことは棚に上げ、小柄な白狼のことを随分幼いと思っているらしい。答える気も失せて黙っていると眼前に少年の顔が迫った。視線を合わせるためにしゃがんでいるのか、つるりとした白い肌やうっすらと桃色に染まった唇が良く見える。左頬にある小さな涙黒子が目元の透明感を引き立てていた。シミひとつない絹のような艶だった。
苦労を知らないだろうその肌に、白狼の中でざわりと黒い感情がせりあがった。
「……昨日、拾ったんだよ」
けっ、と向かい合う白い肌に向かって唾を吐き、無駄とは思いつつ言ってみる。予想通り嘘を吐くなと一蹴し、少年は手に持った財布開き中を改め始めた。
「この財布に使われている生地と糸は東国からの献上品だ。帝都の者ならいざ知らず、おいそれとこのような鄙びた地方の者が拾うことなどあるはずがないものだぞ」
「知らねえよ、拾ったんだ」
「正直に言え。さもなくば……」
焦れた大男が凄んだ。視界の端にちらっと金属の気配が掠める。太刀だ。刃物で脅されたらさすがの白狼も観念するしかなかった。
ちっと舌打ちをし、白狼は思い切って顔を上げた。もはや開き直って隙を見計らうしか逃げる手はない。
「昨日、ちょっと拝借したんだよ。朝市に来てた金持ち風のおっさんから」
「中身はどうした」
「手を付けてねえよ。もともと銅銭数枚しか入ってなかったんだ。金持ち風だからと思ったのに騙されたぜ」
「本当に銅銭しか入ってなかったのか?」
「あ?」
問いかけの意図を掴みかねた白狼の目の前に、少年が草の実を一つ摘んで見せた。それを見つめる少年の目は、すうっと細められてる。
「これは、……シキミだ」
呟くような少年の声に大男がぎょっとしたように振り返った。
眉をひそめていた少年はすぐさま視線を白狼に戻した。その目に宿った強い殺気に白狼は射竦められる。子どもだからと大男を宥めていたときとは様子が異なっていた。
殺される、と白狼の背に冷たいものが走る。
「お前がこれを持っているということは、お前が街で売り歩いているのか?」
底冷えするような少年の声に白狼は激しく首を振った。
「違う!その財布に入ってたんだ!」
「この財布に? それはまことか?」
「本当だよ! 生薬なんだろ、それ。銭がほとんど入ってなくて、ごみ掴まされたって腹が立って、で、捨てようと思ったときに聞いたんだよ。それ聞いてせっかくだから故郷の姉ちゃんに届けてやろうと思って! それだけだって!」
じいっと白狼を見つめる少年の目は深い沼の様に黒く、すべてを見透かされるような気さえした。必死な弁明は普段であれば恰好が悪くて大嫌いだったが、命の危険を感じた今はそんなことを言っていられない。思いつくまま言い訳した白狼に、少年は大きくため息を吐いて分かったと答えた。
「分かったがしかし、これは生薬の八角でない。毒だ」
「なんだと?」
「よく似ているがこれは東方の島で良く取れる毒の実でシキミという」
「し、きみ……?」
「種や皮を食したり、煎じ汁を飲んだりすれば一刻もしないうちに吐いたり、失神したりするうえ、量を摂れば胸が詰まって息が止まる。以前、八角と間違って使われ大勢死んだから国内での取り扱いは禁止している品だ。売っていれば即逮捕になる」
大真面目な顔でそう説明され、白狼は息を飲んだ。
「俺、昨日食堂に売っちまった……」
なんだと、と白狼を取り囲んだ二人は目を剥いた。
「そんなこと知らなくて……八角だから買い取るっていうから、昨日の昼に売っちまって……」
だから昨夜、若店主は白狼を見つけて何か言いかけたのだ。あいつの持ってた八角を使ったんだ、と。自分の料理に自信があった若店主が、客が倒れた原因を考えたとき思いつくのは「いつもと違うものをつかった」ことだろう。だからあんなに恐ろしい形相をしていたのだ。
「客が大勢倒れて騒ぎになっていたと聞いたが、それはこいつのせいか、なるほど」
「き、聞けば死者もでたとか、でなかったとか……。いやぁ、うむ、これは大事件ですな。」
「となると、貴様は毒を売って人を殺した罪人となるな」
「そうなりますな。警吏の役人に突き出しますか」
少年と大男二人は合点がいった風に頷きあう。
「ま、待て、そんなの知らなかったんだ!」
「盗んだものを売った場合も罪だ。知らなかったなどと言い訳にもならん」
慌てて逃げようとした白狼を、大男の方が再び襟首をつかんで持ち上げた。放せっと手足を振り回すが体格差には勝てない。またもや白狼はぶらりと吊り上げられた形になった。
しかし再び白狼を助けたのは少年の方だった。
「まあ待て、周。私に一つ考えがある」
片手で大男を制した少年は、吊り上げられた白狼の目をじっと見つめた。
「ここでお前を役人に突き出しても、定食屋の事件の犯人として裁かれるだけだ。それではシキミを売りさばいている奴には繋がらない。そして離宮の姫を殺そうとした奴にも」
「殺す……? 離宮の?」
「そうだ。昨晩、離宮の毒見女官が一人死んだ。症状は嘔吐、失神、呼吸の停止。食事に混ぜられた毒が何なのか分からなかったが、シキミが出回っているならその可能性も高い。どういう経緯で宮にシキミが持ち込まれたかは知らんが、実が入っていたこの財布の持ち主はおそらく宮に出入りできる程度の身分とみた」
「銀月《ぎんげつ》様……そのような、いえ、そこまでお話になっても宜しいのですか」
大男がわずかに狼狽えた。しかし少年はにやりと笑って白狼の顔に財布を突き付ける。
「この財布と実を持っていた相手を知っているのはお前だけ。私と一緒に来て万が一そいつを見かけたら教えろ。罪に問われたくなくばな」
交換条件というわけだ。この状況、提案の形を取ってはいるものの白狼の方に選択の余地がないのは明らかである。断ったら警吏の役所に突き出される。良くて拘留・苦役、悪ければ毒殺の容疑で死刑なんてことにもなるだろう。
だから早く街から出たかったのに、というのは既に後のまつりである。
「いう事をきけば今回の件は水に流し礼金もだす。姉がいるなら姉のための薬もこちらで用意してやろう」
「……わかったよ、やるよ」
だめ押しのような少年の提案を白狼は受けざるを得なかった。了承したところで大男は吊り上げた白狼を下ろしたものの、警戒したままなのか剣はずっと突き付けられている。もう逃げない、という意味で白狼は両手を上げて見せた。
「全く、河西の街はこんなに治安が良く無いものだったのか」
「取り締まりが緩いのでしょうか。警吏の長官は、確か宜園殿だったかと……」
「後程、翠明からそれとなく伝えさせよ」
「はっ」
壮年の男は白狼に小さな剣を突き付けながら少年に頭を下げた。この二人がどういった立場の人間か知らないが、こいつらに目を付けた時点でどうやら自分は相当なへまをやったらしい。
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