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後宮の偽宦官
朝、宦官は帝姫に迫られる③
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――ついてない。
医局に侍医の処方薬を受け取りに行くお遣いの最中に、きらびやかな女の一団と遭遇した白狼は平伏したまま舌打ちをした。
「このような美しい庭園を管理するそちたちに姫様は褒美を授けたいと仰せじゃ」
平伏する数人の宦官を前に居丈高に告げた女官は、ついさっき銀月の宮に来て散々嫌味を言っていたやつだった。こんな短時間で先ほどとは衣装を違えているが、あのつんけんした声は聞き間違いようがない。着替えた衣装も、他の宮の妃よりうんと豪華な生地できらびやかだ。
その後ろのほうで扇に顔を隠している女が皇后なのだろう。年はいくつだったか、華やかな一団のなかでひときわ豪奢な装いである。まともに見たら陽の光が反射して目がつぶれてしまうのではないだろうか。市井で暮らしていた白狼にとって、いい年をした女たちのその豪華さは悪趣味にさえ見える。
その中に、女官の一人に手を引かれた幼女がいた。齢五つになろうという皇后腹の帝姫だ。名前は、忘れた。
庭園の世話をしていた宦官はいずれもそれほど身分が高くない者たちであったので、全員が全員その場に伏して頭を下げていた。母と庭園を散歩して花の見事さに幼いながらも感動し、世話をしている者たちに褒美を取らせたいというのは何とも子どもらしい心遣いである。
それについては庭園にただ居合わせただけの白狼も有難く受け取る所存であったが、いかんせん下賜してまわる女官が鼻についた。――要するに件の女が気に入らないわけだが。
居並ぶ宦官達が一人ずつ褒美を受け取っている間、二回りも三回りも小柄な宦官――白狼はよその宮の者が平伏する隣で同じように頭を下げつつ心の中で思いつく限り罵詈雑言を投げつけていた。
しかし相手は皇后の一団である。さすがの白狼も本当にそれらを口にすることがどれだけ命知らずな行動かは理解している。
花を見る幼い少女の笑い声と女官から施しを受ける自分達の置かれた状況は、側から見れば滑稽なものだろう。面倒くせえと思いながらも口をつぐんだままひたすら彼女たちが通り過ぎるのを待っていた時だ。
「何をするか無礼者っ!」
女の鋭い叱責の声とともにぱしっと何かを叩く音がした。
「お、お許しを!」
慌てふためく甲高い男の声は隣の宦官か。顔を上げることを許されていない白狼だったが、あまりの大声にそちらをうかがえば褒美を配っていた女官が宦官を足蹴にしている。
「何の許しがあって姫様のお手に触れたのですかっ! 下賤な庭師の分際でっ」
「帝姫様のお手に触れるなど、め、滅相もない…!」
「いいえ、わたくし確かに見ましたわ! 皇后様の御前でなんという不埒な所業!」
あぁ、と隣の宦官は頭を抱えて崩れ落ちた。そのガタガタ震える背に女官は容赦なく蹴りを入れている。
おおかた、姫君が宦官の近くにある花か与えられている褒美に興味を持って手を伸ばして、それと宦官の手がかちあったのだろう。不運なことだ。
と、割り切れればよかった。
しかし白狼はさっきからこの女官の高慢ちきな態度がどうしても気に入らなかった。
本人の、弱いものと見ればイビリ倒してやろうと言う口調も、それを見ているのに止めない周りの女官どももまとめて腹が立つ。
どんなに美しく着飾っていても、中身はそこらの女郎よりたちが悪く見えた。美しい女がその心根まで美しいなどそのほとんどは幻想であり、馬鹿が近くにいれば周りはどんどん染まっていくものだ。
がっと鈍い音がして、隣の宦官が仰向けに倒れた。
「おやめください,この者は姫様に触れようとしたのではありません」
苛立った白狼は、つい口を開いてしまっていた。
雇い主たる皇后やその近辺ではなく、思いもよらぬところから声が上がってびっくりしたのか、女官は一瞬きょとんとしてあたりを見渡した。
そして声の出どころが今まで蹴りつけていた宦官の隣に平伏する小さな者だと気がつくと、じっとりした目つきで白狼の背を睨んだ。
「おや、……その服の模様には見覚えがあるのう。おお、賢妃、いや元賢妃様の宮の宦官か」
「姫様のお手とぶつかってしまったのは不慮の事故です。お許しください」
「ほう」
隣の宦官から女官の興味が移ったのだろう。頭上から降り注ぐ無遠慮な視線を感じつつも、許しを受けていない以上白狼は顔を上げることができない。そのままの姿勢で平伏していれば、地についた手の先にぼとりと何かが落ちてきた。
ついと目だけ動かしてみやれば、真っ白い団子だった。いや、かつて白かった、今は庭園の砂にまみれた薄茶色の団子である。
「さすが、帝姫様の宮の者は随分とお優しいことよの」
「滅相もございません」
「まあ、あのお方の相手をするとなればお優しくなければなりませぬ。そうであれば花の分とは別に褒美を取らさねばならぬ。なにせあの病弱さゆえ、さぞお手間がかかろう」
受け取るがいいと言った女官の沓が動いた。白狼の目の前に落ちていた団子にがさっと更に砂をかける。ほほほという複数の女の、気取ったような笑い声があたりに響いた。
これは白狼に対してではなく、公然と行われた主である銀月への辱めだった。皇后の一団はそのつもりだろう。しかし後宮に連れてこられて間もない白狼は、目の前の女官から自分に売られた喧嘩と解釈した。地につけた指先にぎゅっと力が入る。
大体にして元から気の荒い自分がここまで我慢するのが珍しかっただけのことだ。
馬鹿にしやがって、と伏せた白狼の目にぎらりと赤い灯が宿ったことに隣で泣いている宦官も気が付いてはいない。
「どうした、早う受け取って食べるがよい。宮では満足に甘味も与えられまいて」
「……恐れながら」
「なんじゃ」
「皇后様と帝姫様に御礼を申し上げたいのですが」
伏せたまま伺いを立てれば、すぐさま女官に髪を掴まれ持ち上げられた。瞬間、にやりと白狼の口角が吊り上がる。
「図に乗るでないわ。そちのような下賤のものが皇后様にお声がけなど無礼であろう」
「ご無礼お許しください……」
拱手して無礼を詫びるため、白狼は両手を持ち上げて顔を隠した。というのは擬態である。両手を持ち上げた一瞬で、白狼は指先に挟んだ剃刀で相対する女官の綬帯に切れ目を入れていた。
かろうじて繋がってはいるが、歩いているうちに切れて落ちるだろう。後宮内では妃本人だけでなく、侍女や宮付きの女官の装いについても隙があってはいけない。――と翠明が言っていた。外で綬帯が切れたまま歩いていたら、後宮内で恥をかくこと請け合いである。
ついでに帯からぶら下げている高価そうな真珠の飾りも引っこ抜く。こちらは今のやり取りでいたく傷ついた白狼の心を癒すための小遣いだ。どっかで売ろう、と心に決めて袖に隠す。
子どものように小柄な宦官を嬲っている女官は全く気が付いていないようだった。日常的にやらなくなってもまだまだ自分のスリの腕は鈍ってねえな、と白狼は必死に詫びる振りをしながらほくそ笑んでいた。
抵抗しない宦官に飽きたのか、女官はそれからすぐに手を離した。白狼は離れる瞬間にざっと音を立ててその場に崩れ落ちながら女官の裳に軽く触れた。それが仕上げだった。
彼女の腰に巻かれた紅い綬帯が音もなく裳から滑り落ちる。
「まああああ!」
皇后の周りにいた女官の悲鳴が響き渡った。当の女官は何が起こったか把握できず悲鳴に目を白黒させている。
「恵蘭、そなた何をしておるのです。知らぬ間に切れてしまうような綬帯を使っているなど、皇后様の恥になろう。下がりおれ!」
おろおろしている女を皇后に次いで豪奢な衣装を着たかなり年嵩の女官がしかりつける。皇后の侍女頭か何かだろうか。怒鳴られた女はぎょっとして自分の衣装を見、そして顔を赤くしてその場に平伏した。
「申し訳ございません!」
「はよう下がって着替えてきなさい!」
「は、はい!」
「そなたらも今のことは口外するでないぞ! 下がりおれ!」
「はっ!」
その場にいた宦官全員で口を揃え拱手する。もちろん白狼もあわあわと慣れない様子で真似をした。頭を下げながらその実、ざまあみろと心の中で舌を出していたのだった。
医局に侍医の処方薬を受け取りに行くお遣いの最中に、きらびやかな女の一団と遭遇した白狼は平伏したまま舌打ちをした。
「このような美しい庭園を管理するそちたちに姫様は褒美を授けたいと仰せじゃ」
平伏する数人の宦官を前に居丈高に告げた女官は、ついさっき銀月の宮に来て散々嫌味を言っていたやつだった。こんな短時間で先ほどとは衣装を違えているが、あのつんけんした声は聞き間違いようがない。着替えた衣装も、他の宮の妃よりうんと豪華な生地できらびやかだ。
その後ろのほうで扇に顔を隠している女が皇后なのだろう。年はいくつだったか、華やかな一団のなかでひときわ豪奢な装いである。まともに見たら陽の光が反射して目がつぶれてしまうのではないだろうか。市井で暮らしていた白狼にとって、いい年をした女たちのその豪華さは悪趣味にさえ見える。
その中に、女官の一人に手を引かれた幼女がいた。齢五つになろうという皇后腹の帝姫だ。名前は、忘れた。
庭園の世話をしていた宦官はいずれもそれほど身分が高くない者たちであったので、全員が全員その場に伏して頭を下げていた。母と庭園を散歩して花の見事さに幼いながらも感動し、世話をしている者たちに褒美を取らせたいというのは何とも子どもらしい心遣いである。
それについては庭園にただ居合わせただけの白狼も有難く受け取る所存であったが、いかんせん下賜してまわる女官が鼻についた。――要するに件の女が気に入らないわけだが。
居並ぶ宦官達が一人ずつ褒美を受け取っている間、二回りも三回りも小柄な宦官――白狼はよその宮の者が平伏する隣で同じように頭を下げつつ心の中で思いつく限り罵詈雑言を投げつけていた。
しかし相手は皇后の一団である。さすがの白狼も本当にそれらを口にすることがどれだけ命知らずな行動かは理解している。
花を見る幼い少女の笑い声と女官から施しを受ける自分達の置かれた状況は、側から見れば滑稽なものだろう。面倒くせえと思いながらも口をつぐんだままひたすら彼女たちが通り過ぎるのを待っていた時だ。
「何をするか無礼者っ!」
女の鋭い叱責の声とともにぱしっと何かを叩く音がした。
「お、お許しを!」
慌てふためく甲高い男の声は隣の宦官か。顔を上げることを許されていない白狼だったが、あまりの大声にそちらをうかがえば褒美を配っていた女官が宦官を足蹴にしている。
「何の許しがあって姫様のお手に触れたのですかっ! 下賤な庭師の分際でっ」
「帝姫様のお手に触れるなど、め、滅相もない…!」
「いいえ、わたくし確かに見ましたわ! 皇后様の御前でなんという不埒な所業!」
あぁ、と隣の宦官は頭を抱えて崩れ落ちた。そのガタガタ震える背に女官は容赦なく蹴りを入れている。
おおかた、姫君が宦官の近くにある花か与えられている褒美に興味を持って手を伸ばして、それと宦官の手がかちあったのだろう。不運なことだ。
と、割り切れればよかった。
しかし白狼はさっきからこの女官の高慢ちきな態度がどうしても気に入らなかった。
本人の、弱いものと見ればイビリ倒してやろうと言う口調も、それを見ているのに止めない周りの女官どももまとめて腹が立つ。
どんなに美しく着飾っていても、中身はそこらの女郎よりたちが悪く見えた。美しい女がその心根まで美しいなどそのほとんどは幻想であり、馬鹿が近くにいれば周りはどんどん染まっていくものだ。
がっと鈍い音がして、隣の宦官が仰向けに倒れた。
「おやめください,この者は姫様に触れようとしたのではありません」
苛立った白狼は、つい口を開いてしまっていた。
雇い主たる皇后やその近辺ではなく、思いもよらぬところから声が上がってびっくりしたのか、女官は一瞬きょとんとしてあたりを見渡した。
そして声の出どころが今まで蹴りつけていた宦官の隣に平伏する小さな者だと気がつくと、じっとりした目つきで白狼の背を睨んだ。
「おや、……その服の模様には見覚えがあるのう。おお、賢妃、いや元賢妃様の宮の宦官か」
「姫様のお手とぶつかってしまったのは不慮の事故です。お許しください」
「ほう」
隣の宦官から女官の興味が移ったのだろう。頭上から降り注ぐ無遠慮な視線を感じつつも、許しを受けていない以上白狼は顔を上げることができない。そのままの姿勢で平伏していれば、地についた手の先にぼとりと何かが落ちてきた。
ついと目だけ動かしてみやれば、真っ白い団子だった。いや、かつて白かった、今は庭園の砂にまみれた薄茶色の団子である。
「さすが、帝姫様の宮の者は随分とお優しいことよの」
「滅相もございません」
「まあ、あのお方の相手をするとなればお優しくなければなりませぬ。そうであれば花の分とは別に褒美を取らさねばならぬ。なにせあの病弱さゆえ、さぞお手間がかかろう」
受け取るがいいと言った女官の沓が動いた。白狼の目の前に落ちていた団子にがさっと更に砂をかける。ほほほという複数の女の、気取ったような笑い声があたりに響いた。
これは白狼に対してではなく、公然と行われた主である銀月への辱めだった。皇后の一団はそのつもりだろう。しかし後宮に連れてこられて間もない白狼は、目の前の女官から自分に売られた喧嘩と解釈した。地につけた指先にぎゅっと力が入る。
大体にして元から気の荒い自分がここまで我慢するのが珍しかっただけのことだ。
馬鹿にしやがって、と伏せた白狼の目にぎらりと赤い灯が宿ったことに隣で泣いている宦官も気が付いてはいない。
「どうした、早う受け取って食べるがよい。宮では満足に甘味も与えられまいて」
「……恐れながら」
「なんじゃ」
「皇后様と帝姫様に御礼を申し上げたいのですが」
伏せたまま伺いを立てれば、すぐさま女官に髪を掴まれ持ち上げられた。瞬間、にやりと白狼の口角が吊り上がる。
「図に乗るでないわ。そちのような下賤のものが皇后様にお声がけなど無礼であろう」
「ご無礼お許しください……」
拱手して無礼を詫びるため、白狼は両手を持ち上げて顔を隠した。というのは擬態である。両手を持ち上げた一瞬で、白狼は指先に挟んだ剃刀で相対する女官の綬帯に切れ目を入れていた。
かろうじて繋がってはいるが、歩いているうちに切れて落ちるだろう。後宮内では妃本人だけでなく、侍女や宮付きの女官の装いについても隙があってはいけない。――と翠明が言っていた。外で綬帯が切れたまま歩いていたら、後宮内で恥をかくこと請け合いである。
ついでに帯からぶら下げている高価そうな真珠の飾りも引っこ抜く。こちらは今のやり取りでいたく傷ついた白狼の心を癒すための小遣いだ。どっかで売ろう、と心に決めて袖に隠す。
子どものように小柄な宦官を嬲っている女官は全く気が付いていないようだった。日常的にやらなくなってもまだまだ自分のスリの腕は鈍ってねえな、と白狼は必死に詫びる振りをしながらほくそ笑んでいた。
抵抗しない宦官に飽きたのか、女官はそれからすぐに手を離した。白狼は離れる瞬間にざっと音を立ててその場に崩れ落ちながら女官の裳に軽く触れた。それが仕上げだった。
彼女の腰に巻かれた紅い綬帯が音もなく裳から滑り落ちる。
「まああああ!」
皇后の周りにいた女官の悲鳴が響き渡った。当の女官は何が起こったか把握できず悲鳴に目を白黒させている。
「恵蘭、そなた何をしておるのです。知らぬ間に切れてしまうような綬帯を使っているなど、皇后様の恥になろう。下がりおれ!」
おろおろしている女を皇后に次いで豪奢な衣装を着たかなり年嵩の女官がしかりつける。皇后の侍女頭か何かだろうか。怒鳴られた女はぎょっとして自分の衣装を見、そして顔を赤くしてその場に平伏した。
「申し訳ございません!」
「はよう下がって着替えてきなさい!」
「は、はい!」
「そなたらも今のことは口外するでないぞ! 下がりおれ!」
「はっ!」
その場にいた宦官全員で口を揃え拱手する。もちろん白狼もあわあわと慣れない様子で真似をした。頭を下げながらその実、ざまあみろと心の中で舌を出していたのだった。
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